「ソドムの市」
監督/高橋洋
出演/浦井崇、小嶺麗奈、中原翔子、園部貴一、他。
あらすじ/
俎渡海市郎は18世紀の呪われた一族の末裔。その因果で市郎は<ソドムの市>なる極悪人に変貌!俎渡海家に恨みを持つテレーズは復讐の女刑事に転生し、ソドムに立ち向かう!(DMM より抜粋)
まず最初に言っておきますが
この映画はタイトルが
「ソドムの市」とありますが
パゾリーニのうんこ映画
とは何の関係もございません。
でも、ソドムの市。
どんな映画なのかと思っていたら、これ
物凄いバカ映画です。
なんなのコレ!バカなんじゃないの!ていうかバカでしょ!
しかしこれは僕の「最上級の褒め言葉」なのでございます。
本当に仰け反るぐらいに面白かったです。
まずは監督の高橋洋さん。
Jホラーの先駆けとなった「女優霊」(←実はこの映画がJホラーの中では一番こわい映画かも)や、「リング」の脚本家でございまして、その後何をトチ狂ったのか「発狂する唇」や「血を吸う宇宙」といった完全バカ・ホラー(エロ要素も大)などを手がけ、満を持しての初監督作品がこの「ソドムの市」。
「発狂する唇」や「血を吸う宇宙」をご覧になっている方は、この人の思考回路がどんだけ異常なのかは十分承知の上でしょうから、この映画を見てもさほど驚きは感じないでしょうねぇ。エロ要素もないですし。
あとこの人「逆探知」好きよね。
霊的逆探知。
この霊的逆探知というフレーズは「発狂」や「血を吸う」の2作品で出てくるし、本作でも霊的ではないですが逆探知シーンはあります。電線追っかけていくショットがめっちゃカッコいいのよね。
この「ソドム」は前の2作品よりも
お金がかかってない
というか敢て自主制作っぽさを全面に押し出しているので
こういうチープさが苦手な人には耐えられない作品かもしれません。
ていうか逆にここまで安っぽく作るのも至難の業ではないのでしょうか。
そういう「好き者」のツボをグイグイ突いてくるような作り方も僕にとっては大変に嬉しいし、何よりこういう映画は作り手の情熱が感じられていいのですよ。
まさに「確信犯」としか思えない。
バカ映画の究極の到達点がここにあります。
この映画、安く作ってる割にはスケール感がものすげー大きいです。
こういうのって、観る側が「想像力」を駆使してみればとんでもなく壮大な世界観に浸れますし、もしこの監督さんに
「権力」があるなら歴史に残る大傑作になっていたのでは、とさえ思いますね。
さて、その「権力」についての話なのですが。
この「ソドムの市」の映像特典で旧ユーロスペース(今は確かシアターN渋谷だったはず)での舞台挨拶の模様が収録されているのですけど
そこでの話のなかでこの高橋監督は「権力」が欲しい、と。
その権力を使って、将来
「映画省」なるものを設立したい、と。
で、
つまんない映画作った奴は死刑にする
というような事を言ったことがある、という話でめちゃめちゃ盛り上がっていたんですけど
わたしこういう発想する人、大好きですよ。
世の中には「死刑」にしなくちゃいけない人が沢山居ます。(誰とは言いませんけど)
大体からして言ってる本人も映画作ってるし、作る映画も怖いのか怖くないのか笑っていいのか笑っちゃいけないのか分らないような映画作ってますしねぇ。そういう本人が一番死刑台に近いんじゃないかとも思いますけど、こういう「何だか分んないけどパワーでゴリ押す」タイプの情熱を感じる映画が最近本当に少ないのよ。それこそ昔は沢山あったと思うよ。色々とね。
そういう意味では作り手の情熱、ひねくれた思考回路、ありえない世界観を堪能できる貴重な作品だと思います。
小嶺麗奈ちゃん(最近あまり見かけないけど)もすっげー可愛い。
Jホラー界の「しょこたん」こと中原翔子さんもめちゃセクシー。
あと、安い作りの割に、殺陣とか銃撃戦の出来は非常によろしい。
「発狂」や「血を吸う」でもストーリーとは何の関係も無いカンフー・アクションに無駄とも言えるほどに情熱を注ぎ込んだだけあって、本筋とは外れたところの完成度は異常に高いのよね。
パゾリーニの「ソドムの市」はおすすめはできないけど
高橋洋の「ソドムの市」ならおすすめ!!
.........おすすめしていいのかどうか。

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