「その土曜日、7時58分」
原題/BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
監督/シドニー・ルメット
出演/フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー、他。
あらすじ/
ニューヨーク郊外にある小さな宝石店に強盗が押し入る。隙を見て女性店員が強盗を撃つが、彼女もまた銃弾を浴びる。慌てて逃げる共犯者ハンクの車…。強盗3日前、ハンクは兄のアンディから両親が経営する宝石店への強盗計画を持ちかけられる。ハンクは養育費の支払いが滞り、お金に困っていた。一見、贅沢な暮らしを送るアンディもまた、ドラッグに溺れて会社の金に手を出していた。やがて二人は強盗が失敗しただけでなく、撃たれたのが自分たちの母親だと知り愕然とする。
『12人の怒れる男』『狼たちの午後』など硬派な作品で知られる、シドニー・ルメット監督。今年84歳という高齢だが、彼の創作意欲はとどまる事を知らない。本作でも時間軸を何度も過去に戻し、登場人物の各視点で同じ場面を繰り返し、その度に事実が明らかになっていくという手法を使っている。物語の軸となるのは、事件をきっかけに崩壊していく家庭だ。人生にすでに失敗している兄弟は、それを修正しようとしてもすべて裏目に出て、より悪い方にころげ落ちていく…。兄弟役のフィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークが上手いが、その脇を固めるアルバート・フィニーとマリサ・トメイという二人のアカデミー賞受賞俳優の演技も見事。(goo映画より抜粋)
これはきつかった。
きついというより、怖くなった。
そして凹みました。
久々の「凹み系」映画ということもあってか、もー気分悪いっすわ。
あれですね、「ファーゴ」や「ノーカントリー」のコーエン兄弟が最も得意とする
「最初は完璧な計画の筈だった」
パターンですよ。当然上手い事いくはずがなくて、ライクアローリングストーン状態で落ちて落ちてのっぴきならない状況に陥るという、本当に救いのない映画でして、もしこれをコーエン兄弟が撮ってたならもう立ち直れないぐらいに凹むでしょうね。
映画自体の構成もなかなか凝ったものになってまして、それぞれの登場人物の視点を時間軸を前後させながら描いていき、表面上では分らない問題点を浮き彫りにしていくという手法をとっています。
そこで浮き彫りにされた「家族」や「兄弟」の関係。
決して他人事ではないと思います。
誰もが気付いてる筈なのに、それは決して表に出る事はない。
その深い深い心の闇。
お金の為ならあんな事もできるのだろうか。
できるはずがない、と言いたいところだけれども、世の中には
お金の為にこんな事件を起こすニュースであふれかえっている。
人間は、脆い。
なんかこういうの観ちゃうと生きるのがめんどくさくなってきます。
そのぐらいの破壊力のある映画ですので、これから鑑賞しようとしている方は要注意でございます。
原題のタイトル、
BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
死んでしまった事を悪魔に知られてしまう前に。
このタイトルの前にはこんな言葉が添えられています。
「どうか安らかに天国へ行けますように」
.....行けるわけがない。
地獄行き。
全員釜茹での刑にされろ!
これからも真面目に、こつこつと、地味〜に生きていこう、と本気で思う、教訓的な映画でございました。

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