この曲も、「鈴懸の空」と同じく、川端伸幸さんが詞をかいてくれた。
僕が川端さんにお願いした事はふたつだけ、仏教的で、無理のないイントネーションの美しい日本語を使うという事だった。
「七つのりんの音きけ」という印象的なフレーズの「七つのりん」は、覚醒するための七つの要素を表している。
そして、詞とともに、この曲にいのちをあたえてくれたのが、もう15、6年ものながい付き合いになる、佐々木幸男さんだ。
佐々木幸男さんという人は、一言で表現するならば、人間的にとても「きれいな人」だ。
さりげない優しさや、思いやりをもっている人で、この曲をよりいっそう美しいものにしてくれた。
そして息子の歌生、歌生と幸男さんと僕の三人で音楽が作れるなんてゆめにも思わなかった。
「おもいのうみ」 詞 川端 伸幸
七つの りんの音聴け 遥かな 道迷う御霊
闇の中 北斗七星 遠い日の 微笑み
波のままに 漂う私 手のひら 静かにこぼれる
砂の中 眠り続ける 意識もない 言葉たち
茜空の想いの海に 澄みて渡る 銀の笛
風の中 途切れ零れた 君の涙 歌声
闇の中 北斗七星 遠い日の 微笑み