2021/7/20

「終業式も大切なステップ」〜1学期が終わりますA  教育・学校・教師


 意識させなければ子どもは分からない、
 しかし分かればすぐにできることも少なくない。
 今日までそのように育てられてきたし、
 今日の学びが明日の足掛かりになるのだから。
 終業式、しっかりと参加させよう。

という話。
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(写真:フォトAC)

【観劇にどんな服で行く?】
 しばらく前のことですが、特別支援学校高等部職業科というところに勤める私の妻が、
「ヤッチマッタな」
と下品な言葉を使いながら帰ってきたことがありました。
 聞けばその日、「観劇教室」という市主催の行事があって、市民ホールまで生徒を引率したのですが、そのときの子どもたちのカッコウが酷かったというのです。妻に言わせれば、
「私服と言ったら普段着できた」
ということになります。「ヤッチマッタな」は指導すべき内容を落としてしまったので、結果がこうなったという意味です。
 妻は職業訓練部門の責任者ですが、学級担任としては副担任ですのでそのぶん抜かりがあったということなのでしょう。

 観劇というのは普段着で行っていい場ではありません。いや、行っていい場合もありますが、そうでない場合もあります。
 歌舞伎座や新国立劇場のオペラパレスに行くなら多少気合を入れるくらいがちょうどいい。決して安いとは言えない劇場の一等席だのS席だのに座っている人たちの服装は、まるっきりの別世界ですから、そういう人たちに交じっても悪目立ちしない程度の服装――要するに常識的な服装で行くべきなのです。具体的に言わないと分からない人のためには、浴衣(寝巻)やボロボロのダメージジーンズ、襟の伸びたTシャツはやめましょうということです。

 市民ホールで高校生を招待して開かれる演劇や演奏なら、それほど緊張する必要はありません。制服のある学校なら制服、そうでない場合は制服に準じた私服でいいのですが、ラメキラキラのピンクのTシャツにホットパンツはダメでしょう。サンダル履きで来てはいけません。



【言わなくては分からないが言えばわかる】

「そんなことは言わなくても分かるだろう」
というのは実際の高校生を知らない大人の浅慮。妻の場合は特別支援学校の生徒ですからより細かな配慮が必要ですが、基本的にはみな同じです。大人だってしばしば場違いな服装で現れる人がいるのですから、子どもはなおさらです。

 そしてここからが最も大切な部分なのですが、それは、
「言ってやればいいだけのことで、説明の必要はない」
ことです。

 明日は観劇教室という前日にひとこと、
「本当は制服で行けばいいのだけど、この学校には制服がないからそれなりの服装で来なさい」
そう言っておけばそれなりの服装ができたはずなのです。妻の「ヤッチマッタな」も、“その程度で済むことを見落とした”といった口惜しさの表現です。
なぜ言えばできるのかというと、高校生になるまでになんども練習してきたからです。

 世の中には特にかしこまってきちんとしなくてはならない場がある。ひとの話を面白くても面白くなくても、最後まで聞かなくてはならないときがある。どんなに楽しい内容であっても、羽目を外しすぎてはいけません――。


 そういうことをどこで学んでどこで練習したかというと、学校の行事――卒業式だとか始業式だとか終業式だとか、学習指導要領の規定で言えば「特別活動」の中の「学校行事」の中の「儀式的行事」を通して、なんども練習してきたのです。
 校長先生の長く退屈な話にも実は大切な意味があるということ、儀式的行事の終わった後の教室で、担任の先生から改めて説明されたことはありませんか?


【終業式も大切なステップに】
 さて今日は終業式です(という学校が多そうなので)。
「一学期終業式の計画」といった書類を丁寧につくる学校では、式の狙いとして、こんな一文が書かれている場合があります。
「礼儀正しく落ち着いた態度で臨み、互いの成長を確認するとともに、長かった一学期を無事過ごせたことを喜び合い、夏休みを安全に過ごした上で、2学期に再び、健康で意欲的な再会を果たすことを誓う」

 単なるお題目のように考えられがちですが、ちょっと意識すると子どもたちへの接し方も変わってきますし、子どもたちの姿勢も変わってくるかもしれません。
 まさか、
「校長先生のお話、今日もつまらないと思うけど、我慢して黙って聞くのよ」
とは言えませんが、
「さあ、背筋をピシッとして! しっかり前を向いてお話を聞きましょう(つまらなくてもそうするものです)」
くらいは言えるでしょう。

 それが、将来、場をわきまえた大人となるための大切なひとつのステップなのです。



 
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