2021/4/2

「児童生徒・同僚・保護者との関係を築き、セーフティーネットを張る」〜2021年度が始まりますA  教育・学校・教師


 新年度、4月の始まりにしかできないことがある。
 4月やっておけば後々ずっと楽になることがある。
 同僚の誰が優秀で、何を持っていて、自分のために何をしてくれそうか、
 そういうことをたくさん知って人間関係を作っておくこと、
 子どもと保護者の心を掴むこと。

という話。
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(写真:フォトAC)

 昨日の、2021年度、最初の勤務、いかがでしたか?
 新規採用の若い先生、昇任や出向で新しい立場や職場に移られた先生、そういう方にとってはほとんど地獄の1日だったと思います。
 転任で新しい学校に移っただけでも大変なのに、職自体が変われば何も分からなくて気絶しそうになる、それは私も幾度か経験したことです。しかし「明けの来ない夜はない」。こんなことは大型連休までです。頑張りましょう。


【同僚を助けてあげられなかった】
 話は変わりますが先月上旬、現職教員である妻の同僚の家で不幸がありました。まだ高校生のお子さんが亡くなったのです。
 前々からお子さんのために年休を取っていたことは承知していたのですが、そこまで危険な状態だったとは全く気付かず、妻はとても後悔しています。知っていれば助けてあげられることもあったのかもしれません。

 ちょうど一年前に転勤で来られた先生で、当時は新型コロナの感染拡大第一波のため、生徒が学校に来ない代わりに家庭学習支援に大わらわ、当然、歓迎会もなく、通り一遍のあいさつと簡単な校内の食事会だけ新年度が始まりました。その後1年を通して、一度の飲み会もありませんでした。

 考えてみれば家庭の事情といった込み入った話となると、飲み会の席でしか出て来ようがありません。日常はいつも忙しく、仕事の話以外は話をすることもありません。少し余裕ができても、互いのことを知らないわけですから、立ち入った話の糸口さえないのです。妻がその先生を知らずに一年過ごしてしまったのも無理ないことです。


【自分ができる子ことも大切だが、誰ができるか知っていることも大切】
 アルコールに弱いこともあって、私は飲み会などちっとも好きではありません。かなり早い段階で酔ってしまい、酔うと食べ物が口に入らないので必ず会費負けです。ですから出なくて済む飲み会にはほとんど出ず、出席した場合も、特に結婚してからは、2次会までつき合うことはまずありませんでした。しかし今考えると、そんな気の進まない飲み会でも、学んだことは多かったなと改めて思うのです。

 社会が狭いと言えばそれまでですが、教師というのはグデングデンに酔ってもなお児童生徒の話ばかりしている人たちです。その話の中に子どもの見方・捉え方、あるいは生徒指導的な問題の対処の仕方など、大切な内容が山ほどあって、知らず知らずのうちに身についていたからです。
 あの頃、そうした仕組みに気づいて意識的に学ぶ姿勢でいたら、私はもっといい教師になれていたのかもしれません。

 酒宴の席で説教をする先輩もいました。
 あるとき私は名指しで呼ばれ、「T先生は生徒と勝負していない!」と叱られたことがあります。他学年の先生ですが、遠くから見ていても目に余ったのでしょう。あとから考えるととてもありがたい話でした。それも学年を越えた酒席がなければ起こらないことでした。(もちろんそのときは相当にウザかった)。

 飲み会は顔つなぎの場です。その人が何を考え、何を持っているか掴む絶好の機会です。
 今は誘うだけでパワハラと言われる時代ですからコロナがなくても誘いにくいのですが、それでも感染リスクの少ない時期、少人数の飲み会に誘われたら参加してみる価値があります。

 私たちは自分磨きに余念がなく、知識を深め、力をつけることに夢中になりがちです。しかし効率だけで言ったら、自分が優秀な人間になるよりも、同僚の誰が優秀で、何を持っていて、自分のために何をしてくれそうか、そういうことをたくさん知って人間関係を作っておくことの方がはるかに有利です。
 高い参加費を払って好きでもない会に行くと考えるのではなく、情報を手に入れ、いざというときに助けてもらうセーフティネットを広げる機会と考えれば、むしろ安いものかもしれません。


【一瞬にして保護者の心を掴む】
 もうひとつ、
 今日、話しておかないと間に合わなくなるかもしれないので簡単に記しておきます。ずいぶん昔、夫婦で教員をやっている奥様の方から聞いた話です。

「あのねT先生、ウチのダンナ、今年1年生(小学校)の担任になったでしょ。そしたら入学式の2〜3日前から何か口の中でブツブツ、ブツブツ言ってるわけよ。何かと思ったら新入生の名前を暗記しているんですって。それを入学式の終わったあとで教室に入ってから、一人ひとり名前を呼んで、『よろしくお願いします』ってやったわけ。全部終わったらもう後ろにいる保護者は拍手万来で、いつまでも鳴りやまなかったんだって。ずるいでしょ?」

 最後の「ずるいでしょ?」は同業ライバルとしての言葉であって、私も同意します。そんなふうに最初の段階で保護者の気持ちをグッと掴んでしまったら、あとがずいぶんやり易くなるはずです。
 教師の本筋とは思えないそんなやり口を思いついたことに嫉妬し、40人近い子どもの名前を暗記できる記憶力に嫉妬して「ずるいでしょ?」となったのです。これで後日、学級内で多少のミスはあっても、親は簡単に責めたりしないでしょう。一瞬にして投網のようにセーフティーネットを広げたわけです。

 しかし数年後、同じような機会に恵まれたものの、私はそれを真似ようとはしませんでした。だってそのやり方、ひとりでも間違えたらアウトでしょ? 間違えられた子は傷ついて、以後ずっと立ち上がれないかもしれません。
 私には私に似合った別なやり方があるはずです。そんなふうに思っていました。

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