2020/10/21

「自分のフンドシは洗って渡す」〜書類の整理の工夫  教育・学校・教師


 隣り百姓とはいえ、私だって他人のフンドシをあてにしていただけではない。
 時には誰かの役に立とうと頑張っていたこともある。
 もっともこの世界、
 「自分のために」が「誰かのために」であることも少なくないのだ。

という話。
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(写真:フォトAC)

【他人のフンドシ探しをしていただけではない】
 昨日、仕事なんて人より先にやればいいというものじゃない、本質的でない仕事は手を抜け、右を見て左を見て、誰かがやってからその様子を伺いながら始めればいい、そんなことを書きました。しかしこのままでは他人のフンドシを探してばかりいたみたいで居心地がよくありません。
 そこで私なりに人に先んじてやって、人様の役に立った仕事について記して、心の平衡を保ちたいと思います。やったことは大きく分けて二つです。
 ひとつは「来年の計画作り」、もうひとつは「電子書式の充実」。


【来年の計画作り】
 例えば新たに運動会の総務係に任じられ、総務として今年の計画を立てようとするとき、まず初めにするのは何でしょう?
 たいていの場合、最初に行うのは去年の“計画”を見るという作業です。しかしそこには落とし穴があって、去年の“計画”には去年の反省がいっさい入っていないのです。ただ前年度踏襲をすると、去年と同じ間違いを犯しかねません。
 そこでファイルをあちこち探して昨年の“運動会の反省”を引き出し、“計画”と対照しながら今年度の計画を立てようとします。それが普通の手順です。

 しかし前の年にしっかり反省しているなら、まだ記憶に新しい前の年のうちに今年の“計画”を立ててくれていたら、どんなに楽なことか――。次の年にならなければ分からない日付や担当者の氏名は別にして、本質的な部分は何年たっても変わらないものです。
 そこで私は、それをするように心がけました。
 もちろん今年のように“コロナ禍の下での運動会”というような特殊事情が発生すれば根本的な計画変更ということもありますが、それは特殊です。
 
 運動会が終わって職員会議で“反省”が通過すると、その内容で次年度の総務係の計画を作り直しておくのです。
 大して難しいことではありません。
 総務係のフォルダを丸ごとコピーして年度をひとつ足し、中の“計画”ファイルを“反省”を生かして書き直し、ファイル名の年度を繰り上げて保存するだけです。先ほども申し上げた「翌年にならないと分からない部分」は、赤字か何かで分かるようにしておきます。

 翌年、同じ係に就けば(その可能性は高いのですが)、その時の自分が楽できますし漏れも防げます。不幸にして違う係に回されたり他の学校に転任したなら、後任の総務係にものすごく誉めてもらえます。実際に会って誉められることはなくても、その人の心に必ず爪痕を残すことができます。
 どちらに転んでもいいことです。


【電子書式の充実】
 管理職になってから心がけたことのひとつは、電子書式の充実。簡単に言えば、毎年紙ベースで同じようにやってくるアンケートやら調査やらを、すべてWordやExelに作り変えることです。
 最近ようやく世間に知られるようになりましたが、学校に送られてくる文書、調査、アンケートの数は膨大です。大臣がひとこと「国や県から学校に送られる調査の量が膨大だそうだがどれくらいあるのか」と訊くだけで、「どれくらいあるか」というアンケートが降りてきます。

 特に4月当初に提出しなくてはならない書類は大変な量で、それを片っぱし電子ファイルに置き換えようとしたのです。中には学校名と数字をひとつ書いて提出すればいいだけのものもありますが、それらも電子化します。

 なぜそんなことを始めたのかと言うと、ひとつには私が教師にあるまじき悪筆で、自分の直筆は一字たりとも世間に出したくないという強い情熱をもっていたからです。
 35年ほど前、当時誰も持っていなかったワープロ専用機を購入し、校内で初めて活字で記入した通知票を出したのも、あるいは高校へ送る調査書を始めてワープロで印字したのも私です。そんな調子ですから、以後、どんな書類であっても送られてきたものは書式をWordやExelに写すのが最初の仕事でした。

 ところがやってみると、見栄えがいい以外に思わぬ利点がありました。
 ひとつは電子化することで、すべての書類が電子ファイルの中にセットで置かれることです。ワープロ文書と手書き文書が混在するとどうしても紙ベースでしか保管することができません。ところが電子ファイルで整理すると番号を振るだけで、どのくらいの書類ができ上っていて、何が欠けているかが一目瞭然なのです。

 さらに都合のいいのは運動会の総務係と同じで、翌年同じファイルを開けば、そこで直すだけで1組の書類が揃います。中にはびっしり書き込まなくてはならないものもありましたので、コピペだけですむ電子ファイルは実にありがたかったのです。
(それをやらせないために、毎年少しずつ書式を変えてくるというひどい文書もありましたが)


【自分のフンドシは洗って渡す】
 紙をなくさないというのは管理職の重要な能力ですが、それでも量が膨大なのでなくなる時はなくなってしまいます。知り合いの中に「人生の三分の一を書類整理に費やし、三分の一でものを探し、創造的な仕事は三分の一しかやっていない」と嘆いた人がいますが、どこも似たり寄ったりです。

 ただし私の場合は「自分の直筆は一字たりとも世間に出したくない」という強い情熱に支えられて、書類は比較的よく揃っていたのです。ですから他校の先生から電話をもらい、紛失した書類を回すよう頼まれることも次第に多くなっていきました。書類整理にもっとたけた人はいたはずですが、すべてを電子ファイルですぐに送れる人は少なかったのです。しかも私のフンドシはよく洗濯できている(不必要な情報が消されている)。
 人から譲ってもらった書類のコピーがすでに書き込み済みで、一字一句ホワイトで消して書き直さなくてはいけないというのが当たり前の時代でしたから、けっこう重宝がられたのです。

 私だって、右を見て左を見て、他人のフンドシを探していただけではないのです。

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