2020/10/1

「ダンスを踊る人、ハンマーで叩かれる人」〜それぞれのコロナA  政治・社会・文化


 病気は誰にも同じように訪れる――わけではない。
 新型コロナウイルス感染は実に不平等だ。
 一方にダンスを踊る人がありながら、
 他方にハンマーで叩かれっぱなしの人がいる。

という話。
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(ヘンリク・シェミラツキ「剣舞」)

【不公平なウイルス】
 新型コロナというのはどこまで不公平なウイルスなのかと、イラつくことがあります。
 
 第一に、このウイルスで重症化したり死んだりするのは、基本的に老人か基礎疾患のある人だけ、という点です。昨日までの死者1574名中(私の数え方に間違いがければ)30代の死者は6名、20代に至っては2名しかいません。10代はゼロです。

 感染者自体は20代30代が圧倒的多く、70代以上は12%程度しかいないのに、亡くなった人は全死亡者の8割にも及ぶのです。致死率(感染者の中で亡くなった人の割合)は70代で7・5%、80代以上では17・4%もあります。元気な若者が無症状のままあちこち走り回って老人が死ぬという構図です。

 第二に、新型コロナによる社会的被害が、業種によってひどく異なるという点です。
 いうまでもなく飲食・観光業などのサービス業は被害が大きく、農業や製造業は比較的緩やか。逆に通販や運送関係では収益を上げているところもあります。
 規模が小さいのでニュースの扱いも小さいのですが、昨日も話した通り、芸能や芸術関係には壊滅的な被害を受けている人たちもいます。

 第三に、感染者の多い都会と田舎の差も見過ごせません。
 私は田舎の田舎、田園地帯に住んでいる年金生活者ですので、緊急事態宣言が出ようが出まいが日常生活に何の支障もありませんでした。日中ひと仕事しようと外に出ても、畑では密になる相手がいないのです。また、一緒に暮らす子どもがいないと買い物すら、週にいっぺんも行かなかったりします。外食もしません。
 
 しかし都会ではそうはいかないでしょう。とりあえず外に出れば人がいる。畑などという贅沢なものを持っている人は少ないでしょうから、年金生活者が行くとしたら碁会所か雀荘、カラオケ、フィットネスジム、飲み屋・・・どこに行っても人から逃れることができません。

 そう考えるとまだ60代で、無職で、田舎暮らしの私なんかまったく気楽という気もするのですが、それでも難しい事情がないわけではありません。なぜなら私は93歳の母と半同居していて、妻が現職の教員だからです。


【ダンスを踊る人、ハンマーで叩かれる人】
 しばらく前のニュースで見たのですが、東北地方で一人暮らしをさせている高齢の親を心配して、東京から娘が様子を見に来たところ、とんでもないことが起こったという話がありました。娘が来た瞬間からいっさいの介護サービスが停止してしまったのです。訪問介護もなければデイサービスにも行けない、買い物等の支援にも来てもらえない――ほんの二日ほどのつもりで帰省した娘はほんとうに困ってしまいました。

 何が起こったのかというと、それが介護サービスにおけるコロナ対策なのです。
 新型コロナ危険地帯の東京から娘が来た以上、感染していないことが証明されるまでの2週間、介護関係者は一切近づけないということがきまっていたのです。もちろん説明はプリント等で出されていたはずですが、東京に住む娘の知る由もありません。

 同じことが私にも言えます。例えば私自身が東京へ行った場合はもちろん、妻が一人で行ってきても、あるいは娘の家族が帰省しても、私が実家にひとたび足を運んだ時点で、母はデイサービスに2週間の出入り禁止になってしまうのです。週に2回の運動の時間ですが、筋肉の衰えた母には重い2週間です。そんな目にあわせるわけにはいきません。

 妻が教員だということも問題です。
 介護サービスと同じように本人はもちろん、家族が危険地帯に行ってきたりsると、妻は2週間の出勤停止となってしまいます。担任が2週間も休むなど、本人の緊急入院とか逮捕とかでない限りありえないことです。したがって家族は、誰も都会と一部地域に、行き来することができないのです。

 おそらく介護職はもちろん、医療関係者の家庭も同じ状況にあるのでしょう。
 一方で「Go To トラベル」「GoToイート」と(小池都知事の表現を借りれば)ダンスを踊るように誘導されている人がいるのに、他方でずっとハンマーでたたかれ続ける人たちもいるのです。叩かれる人々の多くは、まさに新型コロナ事態で最も苦労されている人たち(医療関係者)なのです。

 私たちは、いつまでこの状況に耐えなくてはいけないのでしょう?

(この稿、続く)



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