2020/9/25

「我が家のジェリーマウスとの戦い」〜カラスとネズミに悩まされるA  生活


 ネズミとネコ、人間が本当に好きなのはどちらなのだろう?
 現実のネズミはあんなに嫌われているのに、フィクションの中では人気者、
 ネコはその逆だ。
 それにしてもネズミって、なぜあんなにも頭がいいんだ?

という話。
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(写真:フォトAC

【人とネズミの長い長い好ましからぬ付き合い】
 人間との関係において、ネズミほど不思議な生き物はいないのかもしれません。とにかく有史以来、両者が仲良かったことは一度もないのに、いつでもそばにいたからです。

 古くは縄文時代、私たちの祖先は竪穴式住居の炉(いろり)の上に、火棚(食料棚)を作ってそこに食べ物を置いたくらいです。炉は1日24時間360日火を絶やさないもので、乾燥保存と同時に、火と煙で小動物(主としてネズミ)から食べ物を守る仕組みでもありました。ネズミとの共生はそのころからなのです。

 弥生時代には高床式倉庫の床を支える柱に「ネズミ返し」と呼ばれるオーバーハングの部材をつけて、ネズミの侵入を防ぎました。ネコを手元に置いて退治させ始めたのもこの時期です。

 これが海外となると、エジプトではすでに紀元前4000年ごろかネズミ駆除のためにネコを飼っていた証拠があるといいます。要するに食料の貯蔵が始まると同時にネズミとの攻防が始まり、ネコは人間の友だちになったのです。

 6世紀以降のヨーロッパでは繰り返しペストが流行しましたから、その意味でもネズミ駆除は最重要で、ネコの需要も大きかったと思われます。


【ネズミは意外な人気者】
 では人類にとってネズミは常に悪魔のような存在だったのかというと、そうでもないのです。これが昔話やファンタジーの世界だと、俄然、人類のお友だちです。

 その最大のヒーローは言うまでもなくミッキーマウス。少し下って映画「シンデレラ」のネズミたち。私くらいの世代だと「トムとジェリー」のジェリー。日本では「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男。もう忘れられているかもしれませんが50年ほど前に大ブームとなって、その後20年おきくらいに再燃しているイタリア生まれのトッポジージョ。さらに下って「ポケモン」のピカチュウ。現在では「ぐりとぐら」と、拾い上げるときりがありません。

 “これはミッキーマウスを生み出したウォルト・ディズニーの功績かな?”と一瞬、思ったのですが、考えてみたら昔話には「ねずみの嫁入り」や「ねずみの相撲」。「おむすびころりん」だってネズミの話です。

 現実にはあれほど忌み嫌われながら、フィクションの世界ではこれほどまでにもてはやされるネズミって何なのでしょう?


【割を食ったネコ】
 それで割を食ったのがネコ。
 ドラえもんがネコかどうかは議論になるところですが、愛すべきネコと言われてそれ以外に思いつくのはせいぜいがキティちゃんか長靴をはいたネコくらいのもの。逆に意地の悪いネコ、頭の悪いネコの方は枚挙にいとまがありません。

 日本では鍋島藩の化け猫をはじめ「注文の多い料理店」の店主山猫、もう一度古いところで「徒然草」の猫又(奥山に、猫またといふものありて、人を食ふなると人の言ひけるに……)。

クリックすると元のサイズで表示します  海外では「シンデレラ」のルシファー、エドガー・アラン・ポーの小説で主人公をジワジワと追い詰めるプルート(「黒猫」)。「トムとジェリー」のトムは意地が悪いうえに、どう考えても“招き猫”ならぬ“間抜け猫”(アメリカ海軍はなぜ自分たちの戦闘機にトム・キャットなどというアホな名前をつけたのでしょう?)。

 ところがネズミと違って現実のネコとなると、今の日本は空前のブーム。私の住む田舎町にもいくつものネコ・カフェがあったりします。ネズミ・カフェはひとつもない。

 人間との関係において、現実とフィクションで逆転するネコとネズミの関係、もう少し考えてみたいところです。


【我が家のジェリーマウスとの戦い】
 さて今日、ネズミについて何か書こうと思ったのは、実は一カ月ほど前から、母の家にネズミが出るようになったからなのです。
 私は基本的に夜は母の家で暮らしているのですが、ある夜中、耳元でガザゴソといった音がして、体を起こすと同時にすさまじい勢いで台所の方に走っていくものがありました。クマやカモシカでないとしたら、間違いなくネズミです。

 以前にもそういうことがあって何か対応した方がいいかなと思いながら数日過ごすうちに、いつの間にかいなくなったので、今回も同じかもしれないと様子を見ることにしました。ところが翌日も、そのまた翌日も私のところにやってきて起きると同時に逃げ去るのです。
 どうやら台所の方から来るらしいのですが暑い時期で戸を閉め切るわけにもいきません。しかたなく意を決してホームセンターで粘着式のネズミ捕り(30p四方くらいの巨大なゴキブリホイホイ見たいなもの)を買ってきて、2か所に置きました。

 ところがそれから1週間たっても罠にまったくかからない。それどころか毎晩、相変わらず私の近くまで来て遊んで帰るのです。
 そこで今度は一段のレベルアップをすることにしました。実は私はかつて、学校の校務で「ネズミ捕り係」(*)だったことがあるのです。
*本当は飼育委員会顧問。ニワトリ小屋にネズミが再三でて、エサを横取りするだけならまだしもニワトリの脚まで齧ってケガをさせるので、ネズミ退治が私の仕事になった。

 笑い話みたいですが“ネズミはチーズが大好き”というのはほんとうの話です。昔ながらの鉄かご式の罠にチーズを吊るすと、面白いように捕まえることができます。しかし鉄かご式はそのあと“ネズミを殺す”という嫌な仕事があるため、今回はそのまま袋に入れて生ゴミとして出せばいいだけの粘着式にしたわけですが、チーズの魔力に変わりはないでしょう。
 私はベビーチーズを細かく砕き、ネズミ取りの中央に置くとともに周辺にもばら撒いておきました。二つとも。
 ところが3日続けて仕掛けたのに一匹もかからないのです。しかもネズミ捕りの周辺のチーズはすべて平らげられ、本丸だけが全くの手つかず――。
(アイツら、分かっているのか・・・?)

 もっとも収穫がまったくなかったのではなく、その三日目、音がするので台所に行って灯りをつけると、どうした拍子か逃げ遅れた一匹が私の目の前を後れて走って、食器棚の後ろに入って行くのが見えたのです。
 その先がどうなっているのかは分かりませんが、重い家具を移動して確認するまでもないでしょう。経路がわかったのですからそこに罠を仕掛ければいい――。
 そこでネズミの走るコースにネズミ捕りを並べて、待つこと10日間、以後ネズミの動く気配はまったくしなくなったのです。
 そこは通れないと、やはり分かっているのです。入り口を押さえられて、入るのを諦めたのです。

 私は本気で、我が家のジェリー・マウスが指揮をとっている様子を思い浮かべました。
 大したものだ。



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