2020/1/14

「独身率87.5%の驚愕:超氷河期の子どもたちと結婚」〜若者の結婚観が変わる@  政治・社会・文化


 同窓会に招かれて行ったら、
 私のクラスは独身者だらけだった。
 しかしそこには理由がある。
 彼らこそ、最も厳しい人生の荒波を受けた世代なのだ。

という話。
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(「割れた氷が浮かぶバラトン湖」パブリックドメインQより)

【独身率87.5%の同窓会】
 世間が冬休みだった4日、二十数年前の教え子の同窓会に出席しました。 昨年40歳の記念同窓会を開いた子たちです。
2019/2/4「子どもたちは覚えている」〜同窓会に招かれて意外な話を聞いた

 記念大会だった昨年は相当に無理をしてきた子も多かったのですが、今年はUターンラッシュの真っ最中ということもあって全体に低調で、私のクラスでも参加者はわずか8名でした。全員地元在住です。しかもそのうち7人には別の共通点もあったのです。
 全員独身。
 41歳の同窓会だというのに独身率、実に87.5%です。

 1名の既婚男性を除いて残り5名の男子は全員一度も結婚の経験がなく、女性2名はいずれも離婚経験者。しかも一人はバツがふたつついています。

 今回は人数が少ないこともあって際立った独身率となっていますが、参加者が4倍近くもいた昨年も似たようなもので、一人ひとり近況を聞き進むうちに「この子も独身」「あの娘も独身」と、途中から怖くなるほどでした。
 数えたわけではありませんが、異常な独身率だとすぐにわかりました。

 何が原因なのか。
 中学生のころ、女子はハッチャケていて男子はおとなしい、そういう学年でしたので性格的な問題でもあるのかなと思ったのですが、ふと気づいたら、この子たちは「就職氷河期」の子どもたちで、しかもそのド真ん中なのです。


【就職超氷河期の子どもたち】
 就職氷河期に該当するのは、一般的に1970年(昭和45年)から1982年(昭和57年)、ないしは1984年(昭和59年)までに生まれ、90年代半ばから00年代前半に社会に出たり2000年前後に大学を卒業した世代と言われています。現在の40歳前後がそれにあたります。

 有効求人倍率が1を切り、企業は採用を控える同時にトライアル雇用で容赦なく新卒を切り捨てた時代です。求職者の方も収入と安定を求めて適性や好みと合わない就職をしたためあちこちでミスマッチを起こし、就職難だというのに離職者があとを絶たなかった時代でもあります。
 卒業後、数年を経ずして非正規雇用となり、新卒生優先の日本社会では沈潜していくしかなかった子どもたちもいました。彼らの多くはその後も、収入も生活の安定も手に入れることができませんでした。

 女の子の場合は、「永久就職」という言葉がまだ生きていてしかも結婚を強く勧めることがセクシャルハラスメントにならない時代でしたから、多少は有利に見えたかもしれません。
 しかし愛し合って結婚しても相手に十分な収入がなければ夫婦間に波風も立ちやすく、逆に収入と安定だけを目指して永久就職した場合も、一般就職と同じようにミスマッチのためのあちこちで不協和音を発して次々と破綻していく――。
 賢く、努力家で、我慢強く、どう考えても離婚しそうにない子までバツイチと聞いて、天を仰ぐ気持ちになりました。あの娘でもたないようでは他の子がもつはずもありません。

 ド田舎の中学校の卒業生なのに私のクラスだけでも2名が海外に嫁いでいると聞くと、結局、日本人に見切りをつけた活きのいい女の子だけが幸せをつかんだみたいで、何かやりきれなくなります。女の子が悪いというのではなく、捨てられた日本の男の子たちがかわいそうなのです。

 考えてみたら私の甥のひとりが同じ世代で、どれほど苦しい青春時代を経てきたかずっと見てきましたから、この子たちの人生は容易に想像がついたはずです。もっと早く気づいて、同窓会の席でねぎらってやればよかった――。
「キミたち、本当によく頑張って来たんだね」と。


【結婚制度の狭間に生きてきた】
 不運はそれだけではありません。
 就職超氷河期の子どもたちは、結婚に関しても狭間を生きた世代です。

 彼らより前、例えば32年前に結婚した私の世代まではかろうじて旧来の結婚制度が残っていました。
 古い地区では年じゅう周囲を見回して“うまい組み合わせはないのか”と塩梅を図っているセミプロのような仲人がいくらでもいました。新しい地域では――今はもうすっかり忘れられていますが、保険の勧誘員がたくさんの見合い写真を持ち歩いて、地域を駆け回っていました。夫婦の契約と保険契約をセットで売っていたようなものです。

 私の時代は恋愛結婚こそ至高だと考えながら、保険として見合い結婚の可能性も残しておくことができました。努力して、それでもだめなら見合い結婚もやぶさかではない。
 ですから周囲が次々と結婚して、一緒に遊んでくれる友だちがいなくなると、自然と“そろそろ見合いでもいいかな”と、そんな気分になったものです。
 一度“結婚する”と決めてしまえば、あとは簡単で身を任せる制度はいくらでもありました。

 ところが就職氷河期にはそういった社会制度も崩壊していたのです。
 それはそうでしょう。渡されたカードが「無職」「派遣労働者」「パート」「アルバイト」では保険外交員でも話を進められません。結婚相談所もお手上げです。

 かくして結婚は、経済力(とは言っても私たちに比べれば平均程度)を持った一部の男子と、“愛がすべて”と無鉄砲になれる活きのいい若者のみもに与えられた特権となっていたのです。

 誠実で真面目でシャイな貧乏人は結婚できない――。
 そうした時代が長く続きました。

(この稿、続く)

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2020/1/15  8:01

投稿者:SuperT

私も、“超”とは言いませんが就職ミニ氷河期に大学を卒業し、アルバイト同然の生活を6〜7年過ごしてから、比較的に緩くなった時期に採用試験を受けて教員になりました。
 王道を歩んでこなかった負い目もあったのですが、大学の同窓会に行ったりすると、むしろ恵まれていたんだと痛感させられます。
 そして私より優秀な人たちが不遇をかこっている様子を見ると、今度は別の負い目を感じてもいます。
 いずれにしろ政府には、せめて運不運の振れ幅の少ない社会をつくってもらいたいものです。超氷河期の子どもたちはほんとうにかわいそうです。

2020/1/14  1:37

投稿者:ホタル

まさしく私の世代です。
友人も40歳になっても独身か,20歳そこそこですぐに結婚した人かに二極化されています。

私は大学中退→引きこもり→大学再入学という遠回りの人生が却って幸いし,就職氷河期が晴れかけた時に就活でしたので波に乗ることが出来ましたが,周囲を見ると派遣が多く能力の高さと評価が全くあっていない現実に虚しさを感じていました。

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