2019/12/9

「神戸市立小学校同僚いじめ事件はここまで罰しなくてはいけなかったのか」  教育・学校・教師


 神戸市東須磨小教員いじめ事件に関して
 いよいよ校長たちの賞与まで減額されるみたい。
 頭に血が上った市当局と議会が
 考えうるすべてのことを実行に移しているとしか思えない。
 「神戸方式」もやめて市教委で人事をするそうだが
 そんなこと 可能だろうか?

という話。
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(「お散歩 神戸」PhotoACより)

【神戸市教委の連帯責任】
 先週の話ですが、神戸市立東須磨小学校における教員同士のいじめ問題に関して、神戸市議会が “連帯責任”として教育関係者約320人の冬賞与の増額見送りを決定したという件が話題となりました。対象者は市立中小学校の校長や市の教育委員会幹部らで、総額約1000万円分にのぼるそうです。

 神戸市はいじめのあったとされる学校の家庭科室を改修したり(実際にしたのかな?)、今は旧に戻されましたが献立からカレーを外したり、あるいは有給休暇取得中の加害教諭の給与を停止したりと、ユニークなアイデアを思いついては次々と実行に移しています。

 元を質せば、
「20代の男性教諭が30〜40代の教員らから激辛カレーを目にこすりつけられ、コピー用紙の芯で臀部が腫れるまで殴られる等の暴行を受けている様子が一部映像つきで報道された」(Yahooニュース)
といった単純な暴行事件なので、私なんぞは“そこまでするか?”という気になったりします。

 私の感覚だと教師による対教師暴力より、児童生徒に対する暴力事件やわいせつ事件の方がよほど深刻だと思うのですが、そうした事件が起こった時、市はどんな対応をするのでしょう?
 人口150万人、小中学校総数240あまり。神戸のような大きな街で事件のたびに1000万円ずつ減らしていったら、あっという間に校長のボーナスはゼロになってしまう気もしますが、正義のためならそのくらいは仕方がないのかもしれません。


【罪と罰の非対称】
 どうせミクロのブログで炎上してもボヤにすらならないので言いますが、今回のいじめ事件、どう考えても罪と罰の対称が悪すぎます。

 報道が進むにつれて、いじめの中心的人物である女性教諭と前々校長の愛人関係だの、同じ女性教諭による被害者男性教諭への横恋慕だの、話はおどろおどろしい方向へ際限なく進みます。
 市も学校をガンガン締め上げ、ネット市民の要求は今でも「奴ら(加害教諭)を高く吊るせ!」です。
 ここまでくると明らかな私刑だと思うのですが、公的には誰もそのことを指摘しません。

 さらにこの“愚かな教師たちによるロクでもない事件”は神戸市全体の構造的問題とか言うことになって、人事異動のルールも見直されることになりましたが、校長が自分のお気に入りを引っ張ってくるという「神戸方式」とやらがどこまで悪いのか、いやそもそも「神戸方式」が何なのかもよくわかっていません。


【神戸方式とは何か】
 さまざまな報道をつなぎ合わせると、
「通常は市教委が人事を決めますが、校長同士が相談して、『うちの先生をそちらに』などと教員の異動を決め、お互い了承したら教育委員会に承認を求めるというものです」2019.10.15 Business Journal
「仕組みはこうだ。
 毎年冬になると、異動対象者の氏名や年齢、住所、勤務希望区などが一覧になったリストが各校長の元に届く。小学校の場合は20枚ほど、計数百人分という。
 校長はまず自校の異動対象を確認し、続いて後任の人材を選択。在籍校の校長とその教員に面談を申し込み、受け入れられれば市教育委員会に届け出る。ただし、教員には最大9年まで同一校に勤務することが認められており、異動の提案を何度でも拒否できる。
 校長側にとっては、学校の現状に応じて必要な人材を集めやすくなる。教員側にとっては校長に選ばれることで意欲が高まり、介護や子育てといった事情にも柔軟に対応できる。
 神戸方式が長く温存された背景にはこうしたメリットがある。だが、本来の人事権者である市教委は事実上、かやの外。学校を知るパイプは自然と校長に限られ、ときとして市教委は情報から隔絶される」
2019.10.26 神戸新聞NEXT


【噴出する疑問】
 一瞬分かったような気になりますが、ちょっと考えるだけで疑問百出。
 例えば、
1. 選んでもらえた教員についてはよくわかるが、選んでもらえなかった教員はどうなるのか。例えば問題を起こした教員、ダメ教師と烙印を押された教員、これといった特徴もなく目立たなかった教員はどこからも“お呼び”がかからず、一生同じ学校でくすぶっているのか?
2. 優秀な教員で4人〜5人の校長から”お呼び“がかかった場合はどうなるのか。校長同士集まってドラフト会議のように抽選でもするのか。まさか本人に決めさせてあとの校長を敵に回すような目に合わせたりはしまいか。
3. 初任者の配置はどうするのか。
4. 極端に顔の広い力のある校長が、優秀な教員を総取りした場合でも他の校長たちは黙っているのか。
5. 逆に人脈に乏しく、異動対象名簿にこれといった教員を見出せない校長の場合、どうやって人を選ぶのか。
6. 学級に増減のない限り、4人転出させたら4人転入させないと教員に不足が出ることになる。そうした事態をどう防いでいるのか。
7. “心当たりの教員を取ろうとしたらもう決まってしまっている”といったことが随所で同時に起こりそうだが、それをどう防いでいるのか。
8. そもそも240人もの校長が教員一人ひとりを一本釣りするような非効率な方法が、なぜ長年守られてきたのか、守ることが可能だったのか?


【案外、妥当な方法ではなかったのか】
 「神戸方式」というのは巷間言われるようないかがわしいものではなく、内実をきちん調べればある程度納得できる案外妥当な方法ではなかったかと私は思っています。
 自分の気に入った教員を一本釣りするといってもそれはごくわずかな範囲で、大部分はずっと合理的な、異動対象者も校長も、双方納得できるものではなかったかと思うわけです。

 なぜなら転出しようとしている教員がどのような希望と事情を持ったどんな人か、その代わりに来てもらいたい教員はどんな人か、そういうことを一番よく知っているのは校長だからです。それを互いに突き合わせる中で、一校の職員が手薄になりすぎないように、逆に手厚くなりすぎないように調整するのが「神戸方式」ではなかったのか――

「優秀な教員ばかり集めればボンクラでも学校経営がうまくいくのは当たり前じゃないか。難しい職員を抱えながらもきちんとやっていくのが校長の手腕」
 そんなふうに考える管理職は意外と多いものです。


【市教委、困るだろうな】
 来年度から教員人事は神戸市教委が行うそうです。もともと扱ってきたものならそれなりの体制を取っているでしょうが、数百人に及ぶ異動を今さら任せられても日常の仕事を持つ市教委も大変なことでしょう。そんなことが可能なのか?

 私はここでも神戸市は問題の取り扱いを誤ったような気がしています。

 「神戸市東須磨小教師いじめ事件」。
 もはや司直の手が入っている話ですので、ぜひとも裁判に持ち込まれ、有罪・懲役刑くらいになってほしいものです。これで「大山鳴動して鼠一匹」出てこないようだったら、教員も学校も、無意味に失ったものが多すぎます。

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