2019/10/18

「道徳教育としてラグビー・ワールドカップ」〜道徳の授業はW杯でやれ!  教育・学校・教師


 ラグビー・ワールドカップ日本大会では
 観客・サポーター・選手・役員・大会関係者らの
 優れた対応 美しい姿が 次々と報告されている
 道徳教育なんて簡単なものだ
 そういうことを知らせていけばいいのだから

という話。
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(「ラグビー」PhotoAC より)

【紳士のスポーツ】
 ラグビーは紳士のスポーツだという人がいます。
 確かに日本―アイルランド戦の終了後、敗者のアイルランド・チームが日本代表のために花道をつくる様子を見たり、南アフリカ―カナダ戦でレッドカードを受けたカナダ選手が試合後、南アフリカのロッカールームに謝罪に行ったという話を聞いたりすると、「ノーサイドの精神(戦い終えたら、両軍のサイドがなくなって同じ仲間だという精神)」は生きているんだなあと感心したりもします。

 しかし半面、ラグビー発祥の地で「紳士のスポーツ」と言われる由縁となったイギリスは、最近とみに多くなった議会のニュースを見ても、悪名高いサッカーのフーリガンのことを考えても、決してお行儀のよい国とは思えません。
 ですからにわかファンの私としては、ラグビーがイギリス発祥だから「紳士のスポーツ」なのか、イギリスを離れて「紳士のスポーツ」として発展したのか、はたまた今回のワールドカップ日本大会に限ったことなのか、よく理解できないところです。

 しかしそういうことは別にして、今回のラグビー・ワールドカップ日本大会が非常に評判の良いことはあちこちのネットニュースから拾い出せます。


【外国人の目に映る日本】
《全般》
 まず全般的な日本の様子。
 日本での滞在は、まだ数日に過ぎないが、それでも「もしどこかの国に移住していいって言われたら、間違いなく日本を選びます」と話すほど、すっかり日本に魅せられた。
「電車に乗る時でも、エスカレーターに乗る時でも、道を歩いている時でさえも、日本人はみんなルールに従っている。これはできそうでできないこと。みんなが少しでもルールに従うことを意識できたら、世界中がもっと平和な場所になるんじゃないかな。これまで世界のいろいろな国を旅したけれど、過ごし良さでは断然日本がトップだね」

飛行機を乗り継いで24時間 ファンが誇るナミビアラグビーの形「絶対に諦めない」

 あるいは、
 「人々は本当に素敵だった。あまりに礼儀正しくて、いつでもお辞儀をしてくれる。ウェールズとウェールズラグビーを本当に受け入れてくれる人々がいる街にいることは、本当にアメージングなことでした」と記し、“日本人の美徳”に感銘を受けた様子だ。
ウェールズ選手が北九州で感銘を受けた“日本人の美徳”「あまりに礼儀正しくて…」
 来日した外国人に対して、私たちの同胞がきちんとした態度で接してくれているのは、とても誇らしいことです。

《スタジアムを清掃する人々》
 またサッカー・ワールドカップで世界に知られた「試合後の清掃」は、ラグビー・ワールドカップでも発揮されたようです。
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は20日に日本―ロシア戦(東京スタジアム)で幕を開けたが、開催国・日本のラグビーファンの試合後の行動が「ラグビーの母国」英国で反響を呼んでいる。ロシア戦後にファンが客席のごみ拾いをする様子を動画付きで公開し、「誰もが日本人から学ぶことがある」「地球上で最もナイスな国の一つ」「彼らのこの行動、大好きだ」と海外ファンの熱視線を集めている。
日本ファン、勝利後の“客席ごみ拾いの輪”に海外称賛「地球上で最もナイスな国」

 もっとも「来た時よりも美しく」はもはやラグビーやサッカーに限ったことでなく、私たちの生活の隅々に定着した習慣のようなものです。小中学校の運動会でも、終了後の保護者席が散らかっていたことは皆無です。


【国歌を歌う人々】
 今回のラグビー・ワールドカップでは、これまでなかった(もしかしたら注目されていなかっただけかもしれませんが)新たな日本流のおもてなしも評判になっています。

《アイルランドチームに》
 1人の日本人ファンの姿が海外メディアの心を打った。大会公式インスタグラムが公開したのは、印象的な1枚の写真だった。客席からピッチをとらえたシーン。アイルランドの選手たちが肩を組み、国歌斉唱しているが、客席のすぐ前の列で1人の男性が英字が記された紙を持っている。よく見ると「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」の文字が……。
(中略)
「ニュース.com.au」は「ラグビーW杯において、日本のファンが最高のサポーターであることを証明」と見出しを打って特集し、記事では「日本のファンが週末にわたって、ほぼすべての国歌斉唱で歌詞を用意する姿が目撃されている」とレポート。結果、各国の選手が試合後に多大な感謝を日本のファンを示していることも伝え、「日本は明らかに世界水準である」と絶賛した。
【W杯名珍場面】日本ファンは「明らかに世界水準」 海外メディアが絶賛した“1枚の写真”とは
日本ファン、国歌斉唱で“英字歌詞カード”持参姿に海外感銘「一流だ」「日本大好き」

 これはアイルランドの試合に限ったことではありませんでした。

《サモアの試合でも》
サモアファンを感激させた 1人の日本人の国歌熱唱が反響拡大「世界で最高のファン

《ナミビアの試合では》
 開始前に選手を引率するマスコットキッズが、大きな口を開いて選手とともに国歌斉唱をする姿が世界に発信されました。
ナミビア選手も感激 国歌全力熱唱のマスコットキッズに賛辞「絶対この子良い子だわ」

《ウェールズの試合前の観客席では》 
 ウェ―ルズの事実上の国歌『我が祖先の地』が日本人サポーター(キャンプ地の人たちでしょうか)によって大合唱される様子がとらえられています。


《日本―ロシア戦では》
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会が20日に開幕し、日本は開幕戦でロシアに30-10で白星発進した。ボーナスポイントを含め、勝ち点5を獲得して最高のスタートを切った日本だったが、試合前に日本代表ファンがロシア国歌を練習している様子を大会公式インスタグラムが動画付きで公開し、「素晴らしいどころじゃない」と大絶賛。平和的なムードが溢れる様子に対し、海外ファンも「日本人に敬意を表す」「日本人は素晴らしいホスト、オリンピックも楽しみ」と感銘を受けている。
日本ファン、試合前の“場外練習”で海外絶賛を浴びたワケ「日本人に敬意を表す」<)

 もちろんこうしたことは自然発生的に起こるものではありません。
 どこかに発案者がいて、仲間とともに国歌を印刷した紙を何千枚も配って指導しているのです。そしてそれに呼応する何百倍もの日本人――。
 やれば必ずたくさんの賛同者がいるはずだという確信がなければ、印刷したり配ったりはできないでしょう。実際、彼らの確信は証明されました。

【動画】「日本人に敬意を表す」と感銘! 東京スタジアム場外で繰り広げられた光景は…日本代表ファンの“ロシア国歌練習”の実際の様子


 日本のラグビー・ファンはこうして世界の人々の心を魅了していきます。

 BBCラジオ5のラグビーユニオン担当プロデューサー、ルイーズ・グウィリアム氏も日本大会を愛する理由に「日本人ファン」を挙げている。
「今大会の日本人ファンの熱気は、今まで赴いた大会とは異なります。対戦国のチームのユニフォームを購入するだけではありません。
 彼らは出場国の国歌を覚え、情熱的なアルゼンチン人や涙を流すフランス人、複数言語を操る南アフリカ人と同じ位のプライドを持って、一緒に歌うのです」
 応援の対象は強豪国に限らず、連敗中の小国もフルサポートを受けている。「何百もの日本人ファンがナミビア代表のユニフォーム、バックパックのフル装備をしている場面を想像してください」

英識者が「日本大会を愛する理由」 献身的なファンに感激「今までの大会とは異なる」


【選手・役員たちの反応】
 そうした日本人の「おもてなし」に、選手・役員も応えて行こうとします。

《お辞儀》
 最初に目を引いたのは、試合後、観客席に向かって行う日本式のお辞儀でした。

 試合後のお辞儀を今大会で真っ先に実践したオールブラックス。3連覇を目指す覇者が対戦相手に向けたリスペクトの気持ちも、高く評価されている。
 試合が終わればお互いを称えあうのがラグビーの文化だが、それに加えて、より深く相手への敬意を払う日本文化に、英国から来た特派員も感銘を受けている様子だ。
「他者を尊敬するという崇高な価値観はピッチ上にも反映されている。チームは試合後もピッチを一回りし、スタジアムの全てのサイドでお辞儀をする。これは感謝を示す時の日本の慣習なのだ」
 ノーサイドの笛が鳴ると、ピッチ上でお互いの健闘を称え合ったフィフティーンは惜しみない声援を送ってくれたファンに感謝の気持ちを態度で示す。日本大会ならではの光景だと同記者はいう。

BBC特派員が感銘受けた「日本の慣習」 日本文化は「我々に多くのこと教えてくれる」

《ロッカールームの清掃》
 自ら使ったロッカールームを清掃して帰ろうという姿も、随所でみられるようになってきました。これまではなかったことです。
 ラグビーワールドカップ日本大会に出場しているフランス、イタリア、ナミビアは、試合後にロッカールームをみずから清掃していることが分かり、日本の「おもてなし」へのお返しとして受け止められ、反響を呼んでいます。
(<ラグビーW杯 試合後ロッカールームを選手が清掃 話題に


《ボランティア》
 12日の土曜日に日本を襲った台風19号は、釜石で行われる予定だった「カナダ―ナミビア戦」を吹き飛ばしてしまいました。
 その翌日。

 参加選手が明かした思い「こんな時だからラグビーより重要なものが存在する」
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は13日、同日に予定されていたB組最終戦のカナダ―ナミビア戦が台風19号の影響により中止に。カナダは戦わずして無念の最下位が決まったが、チームは台風の爪痕が残る釜石に残り、泥掃除などのボランティア活動に参加した。大会公式ツイッターが画像付きで取り上げ、大きな反響を呼んだが、実際に参加したカナダ代表選手は「ここまで友好的な国に、できるだけの恩返しをしたかった」と日本愛を理由に挙げている。英公共放送「BBC」が報じている

カナダが釜石に残って泥掃除をした理由 背景に“日本愛”「ここまで友好的な国に…」

 これには後日談があって、
 帰国する成田空港で起きたことをこう明かしている。
「一人でここ成田空港で座っているが、日本の行いに感動している。個人、航空会社職員、一般の方々が私のところに来て、『昨日釜石で協力してくれてありがとう』と言ってくれた。どのくらいアメージングなことかと言うと、釜石はここから530キロも離れているんだ」
「カナダ人であることが、どれほど誇らしく、素晴らしく感じたか、言い表すことができない。協力してくれた選手たちに感謝したい。ゴールに達することができなかったが、貢献することができた!」

カナダ、釜石泥清掃に後日談 レジェンドが空港で感動「530kmも離れているのに…」
 同じ日本人としてお礼を言いたがっている人たちが全国にいたのです。

《ナミビアは?》
 カナダ選手がボランティア活動をしている最中、対戦相手として予定されていたナミビアは何をしていたのか。
 実はナミビア選手も、交流会というかたちで釜石に感謝の気持ちを伝えていたのです。
 これはナミビア代表側から打診があって実現したものだという。(ラグビー・ワールドカップ公式ツイッターの)投稿では「台風の影響で試合が中止になったナミビア代表は、滞在先の岩手県宮古市でファン交流会を開催」と紹介した上で「台風の被害を受けた市民を元気づけたいと、ナミビア代表側から市に打診し実現しました」と伝えている。
釜石の中止両国が粋な活動 ナミビアはファン交流会を自ら打診、「また日本来て」の声



【道徳教育としてラグビー・ワールドカップ】
 中学校学習指導要領の「第3章 特別の教科 道徳」「第2内容」には、こんな記載があります。

[我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度]
優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに,日本人としての自覚をもって国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展に努めること。
[国際理解,国際貢献]
世界の中の日本人としての自覚をもち,他国を尊重し,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に寄与すること。


 他にも、
[相互理解,寛容]
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解し,寛容の心をもって謙虚に他に学び,自らを高めていくこと。
[公正,公平,社会正義]
正義と公正さを重んじ,誰に対しても公平に接し,差別や偏見のない社会の実現に努めること。

など。
 目の前にラグビー・ワールドカップという素晴らしい教材があるのです。どこを切り取ったって授業の二つ、三つはできるでしょう。
 二の四の言わず、子どもと一緒に道徳教育を楽しめばいいのです。



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