2018/8/29

「りゅうちぇる(流血?)の事態」〜タトゥーと校則問題 1  政治・社会・文化


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↑りゅうちぇる君ではありません。単なるイメージ。

【りゅうちぇるの事態】
 夏休みも終盤に差し掛かった8月19日、芸能界で興味深い出来事がありました。りゅうちぇるという芸名のタレントがインスタグラムに写真を載せ、両肩に彫った妻と子の名前のタトゥーを公開したのです。それに対する反応はすさまじく、後にりゅうちぇる君は「こんなにも偏見されるのかと思いました」と驚きを表すとともに「こんなに偏見のある社会 どうなんだろう。仕方ないよね。ではなく、僕は変えていきたい」と自らの主張を掲げています。

 同じツイッターの文面には、
「結婚して、子供がいつかできたら、家族の名前を身体に刻もう。と結婚する前、3年前から決めてました。その3年でたくさん考えて、それなりの覚悟で入れました」
とかなり以前からの覚悟であったことや、
「この体で、僕は大切な家族の笑顔を守るのです。なので、この体に、大切な家族の名前を刻みました」
とタトゥーを入れた理由などについても書かれていますが、反応の大きさに驚いているようではやはり愚かというしかないでしょう。この国でタトゥーや刺青を入れて生きるのはなかなか容易ではないのです。


【タトゥー(刺青)のリスクとコスト】
 りゅうちぇる君は
「3年でたくさん考えて、それなりの覚悟で入れました」
と言っていますが、そこには、タトゥーを入れることによって仕事の幅の狭まること、ひいては生活の基盤が多少なりとも不安定になることは入っていたのでしょうか?

 若者に絶大な人気のある「りゅうちぇる=ぺこ夫妻」ですから、その二人が親になったとなればミルクや紙おむつといったベビー用品のCMのオファーもあったかもしれません。しかしもはやムリです。育児や教育に関する番組も、敢えて二人を起用する放送局もないに違いありません。

 また、30歳過ぎて40代・50代になっても今のままの立ち位置で芸能界にいられるはずもありませんから、いずれは転身を図らなくてはなりませんが、歌手になっても紅白歌合戦は望むべくもありませんし、俳優になっても肌を曝す場面では使えません。
 もちろんそうした制約を凌ぐほどのビックネームになれば話は別ですが、そもそも大物芸能人に成長する機会がグンと減らされます。十分な修行の機会が回ってくるかどうか・・・。

 芸能界を離れればそうした制約はなくなります。現在のりゅうちぇる君はファッションリーダーでもありますから、その世界で生きて行くとなればタトゥーはさほど問題ないでしょう。しかしお子さんはどうです?


【家族の旅行先・遊び場所が制限される、学校では敬遠される(かも)】
ツイッターには子どもとプールや温泉に入れないといった指摘もあったようで、りゅうちぇる君は、
「ぼくたちは、日本の温泉や、プールには行かないとおもいます。その理由は名前を刻んだということとは関係ありません。ぼくたちは、子供の顔を出していないので 子供の写真を盗撮されると困るし、子供がびっくりしたり、怖くなってしまうことが、あるかもしれないので、大勢の人が集まる場所には なかなか行かないと思います」
と書いています。
 大勢が集まる場所へは行かないといっっても、まさかデパートやディズニーランドにもいかないという意味ではないでしょうが、子ども自身が大きくなって温泉やプールに行きたいと言い出しても、そう簡単には行けなくなる、いちいち外国の温泉やプールまで足を運べなくてはならなくなる、そういった覚悟もあったのでしょうか。

 親のタトゥーのために子どもがいじめられる、あるいは敬遠される、他の保護者から「あの子には近づかないように」などと同級生が遠ざけられる、そういった事態に立ち向かう覚悟もあったのか。
 むろんタトゥーは法律違反ではありませんから差別は是正されなければなりません。親は学校に足を運び先生に対応してもらう必要があります。そしてきちんと対処できたかを確認し、その後も同様のことがないか常に気を配って繰り返し学校に行かなくてはならなりません。その時間とエネルギー、それってもともと無駄ではありませんか?
 さらに言えば親の“覚悟”のために子が苦労させられるのはやはり理不尽です。

 そう考えると、タトゥーを入れることのリスクとコストは膨大で、得られるものとのバランスシートが合いません。

 22歳の男の子なんてまだまだ子どもだなと思わせるに十分な出来事です。
 ネット上には「誰にも迷惑をかけていないんだから、個人の自由でいいんじゃないか」といった発言もありましたが、養う家族のいる人間には当てはまらない話です。

 誰かがりゅうちぇる君に教えてあげる必要がありました。妻であるペコちゃんはどうしていたのでしょう? 23歳の女性は男と違ってかなり大人です。ペコちゃんも見たところかなりのしっかり者ですから、なぜ止めなかったのか不思議です。 


【愛は永遠ではない】
 世の中には、生きていく上でやっていいこととやってはいけないことがあります。そしてやっていけないわけではないが、相応のコストやリスクを覚悟しなくてはならないことも少なくありません。そのコストやリスクの大きさも、生きて様々な経験をする中で学んで行くことです。しかしりゅうちぇる君はあまりにも若くして結婚し、父親となり、早すぎる判断をしてしまいました。
 愛は永遠だと信じて身体に妻や恋人の名前を彫れるのは、せいぜいが二十代半ばまでで、私のように三十代も半ばの結婚だとそんな危険なことはしません。「人間は弱いものだ」思い知ってしまうからです。
 子どもはまだしも、離婚した後も引き続き元妻の名を背負うのは苦痛です。


【りゅうちぇる事件は偏見の問題なのか?】  
 さて、しかし今回りゅうちぇる君の問題に私が首を突っ込んだのは、若者の浅はかな行動に年長者として説教を垂れたくなったからではありません。事件を取り巻く様々な意見の中に、主としてりゅうちぇる君を支持する側から、これを差別や偏見の問題としって扱う意見が少なくないと感じたからです。
 タトゥーを忌避するのは、果たして差別や偏見の問題なのか。
 これについては、明日考えます。

                    (この槁、続く)



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