2015/4/8

「こうのとりのゆりかご」  親子・家族

 
 昨日のクローズアップ現代は「赤ちゃんポスト」の話題でした(“ポスト”に託された命 〜赤ちゃん100人のその後〜
 赤ちゃんポストは様々な事情で新生児を育てられない親が匿名で養子に出すシステムと定義されます。日本では熊本市の慈恵病院が「こうのとりのゆりかご」という名称でこれを設置しています。今年で8年目になりますが、その間に預けられた子どもは100人を越え今回の特集となったわけです。
 新生児ばかりが預けられると思っていたのですが、取材された子どもはかなり大きくなって父親と思しき男性によって連れてこられたため、その日のことをよく記憶しています。
「新幹線で『ゆりかご』にきた」
「かくれんぼしようと言って『ゆりかご』に入れられそのまま帰ってこなかった」
「そのおかげで(里親である現在の)お父さんとお母さんに会えたのだから、『ゆりかご』に連れて来てもらって良かったと思っている」
 男の子は抑揚のない口調で淡々と語ります。現在を肯定的にとらえなければ苦しいですし実際に里親さんも良い方なのでしょう。しかしきちんとした実の両親の育てられるのはもっと良いことのはずです。
 もちろんそれは「きちんとした実の両親」という条件付きであって、そうでない場合は少年の言うように「『ゆりかご』に連れて来てもらって良かった」ということもあります。

 番組では未婚の男女の間に生まれた赤ん坊を、父親である男性が「ゆりかご」に預けた話が出てきます。それに気づいた母親はすぐに子を引き取るのですが、ほどなく母子は無理心中してしまうのです。一度助けられた命が失われてしまいます。その子はやはり「ゆりかご」に預けられるべきだったのかもしれません。

 私の娘のシーナは今産院通いの最中ですが、病院にいるのは高齢出産とヤンママばかりで、ほどよい妊婦というのが極端に少ないと言います。シーナの従姉、つまり私の姪が比較的遅い結婚をしたのちに子どもができず、長くたいへんな苦労をしたのを見てきましたから、私は若い結婚や若い出産に反対しません。二者択一だったらむしろ若すぎる出産を支持します。しかしそれとて条件があります。
 私の教え子で最も若くして母親になった子は17歳でした。教科担任として教えた子の中には16歳で母親になった子がいます。
 小学校3年生の担任をしていた時、お姉さんが出産して“8歳で叔母さんになってしまった”という子がいましたが、その子の母親は36歳で“お祖母ちゃん”になりました。自分が18歳で産んだ娘が同じ18歳で出産したわけです。どちらもその後たいへんな苦労をしました。そもそもが望んだ妊娠ではなかったからです。

 子を持つには最低限の収入とそうとうの覚悟が必要です。それがなければ背後に補うための仕組みが必要になってきます。両家の親たちがしばらく支え続ければいいだけです。それでうまくいっている家族はいくらでもあります。しかしそれもないとなると、誰か他に支える人間を考えるしかなくなります。

「こうのとりのゆりかご」は決して望ましいものではありません。しかし必要なものです。そうなると「ゆりかご」の先に、確かで信頼できる仕組みを用意するしかなくなります。

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