2011/12/26



 他の職種と比べたとき、教職が何に一番似ているのかというと大工さんや板前さんのような職人仕事ではないかと思っています。

 基本的には年季がものをいい、時間が経てば経つほど腕を上げていきます。10人に一人くらいは“すごい”といわれる人がいますが、10人に一人ぐらいは「やめておいた方がよかった(かな?)」といった人もいます。残りの8人は似たようなものですが、真面目に努力さえしていれば必ずいっぱしの教師になれます。

 年季仕事ですので当然年寄りが大切にされます。齢を取るほどダメになることのない、現代では珍しい職種のひとつです。

 以前お話ししたことがあるかもしれませんが、すべての学問は「科学」と「芸術」に分類することができるという話があります。「科学」の真髄は「誰がやっても結果は同じ」で芸術の真髄は「誰にも真似ができない」です。
 困ったことに教育学はその両方に足を突っ込んでいて、誰にでも公平に「同じような学力」をつけなければならないのと同時に、「個性」を尊重する立場から「同じではない力」もつける力として要求されています。

 教員の態度もそれと呼応するように、一方で「どんな教師があつかっても同じように高い成果の得られる授業」を目指す人々がいながら、他方で「誰も真似できない優れた授業」を志向する人たちもいます。

 それはまさに大工さんや板前さんも同じで、一定水準以上の建物や料理を要求される(当たり前ですよね。住める家、普通に食べることのできる食事は、最低限の条件です)一方で、「それ以上」も望まれて、そのために日夜修練を積んでいます。
 プレハブ工法のように上質のものをいくつでも輩出できるようにする建築の動きと同時に、宮大工のような一回性の仕事に取り組む人がいます。料理のレシピを作る料理人もいれば、一子相伝、誰にも秘密を明かさない人もいます。

 技術は基本的に先輩を見ながら自分で考えて積み上げていくという点、そしてその技術も常に更新されなければならない点でも、職人と教員は似ています。

 私は教職が職人芸だという考え方をとても好んでいます。真面目に、一生懸命取り組めば、平凡な私でも60歳でも70歳でも、いつまでも力を積み上げて行けると思うからです。


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