2011/9/28

一字も晒さない  文具・道具・器具


 自筆の文字を誰にも見られたくないという強い欲望があります。本当に嫌なのです。ですから教員としては最も早くワープロ専用機を買った一人でした。
クリックすると元のサイズで表示します「SHARP 書院 WD−A100」という機械で、画面が40字×5行しか表示できず、レイアウトは頭の中の仮想空間といった代物でした。

 その後のワープロ専用機の進化はすさまじく、わずか2〜3年後には画面も40字×22行で、さほどストレスなく普通に使えるものに成長しました。ちょうどそのころ、先日お話したリソグラフが学校にも導入され、ワープロで打ったものがそのまま印刷できる環境が整ったのです。

 かつてガリ版で原紙をカリカリと切り、情けない自分の字を見ながら印刷をしていた時代に比べると、まるで天国でした。社会科の資料など活字だというだけで信頼性が高まった感じがしました。

 ただし県へ提出する書類などはすべて手書きが基本でしたので、私の自筆の文字はまだ世間に流出する危険性がありました。さしあたって高校に出す調査書です。そこで私はそれもワープロで打てるようレイアウトしました。おそらくワープロで調査書を書いた、県内でももっとも早い教員のひとりだったはずです。そのくらい自分の文字を晒すのは嫌だったのです。

 さて、そうは言っても次から次へとやって来る書類やらアンケートやらを見ていると、どうしたって自筆で署名やら回答やらを書かざるを得ない場面があります。しかし一度「自筆隠し」の味をしめた私としては、いまさら下手な文字を晒すわけにはいきません。

 そこで「手書きが必要な書類は全部つくりなおす」という暴挙に出始めました。ほんとに全部つくり直して、そこに自分の文章を入れるのです。それで相当な量の書類をつくりました。

 そんなとき役に立ったのがOCR(Optical Character Reader)と呼ばれるソフトです。スキャナーから文書を読み取って、それをワープロソフトに乗せるのです。クリックすると元のサイズで表示します私は「読んde!!ココ」(Amazonで13903円)を使っていますが、そこそこ使い勝手の良いソフトで新聞や雑誌の記事を読み取ってワープロ文書にすると便利だったりします。

 しかし「一定の書式の中に自分で文字を打ち込む」ということだけを考えれば、もっと便利なソフトがあります。「すごピタ」というソフトなのですが何しろ4万9800円もするので手が出なかったのです。クリックすると元のサイズで表示しますところが最近、同種のソフトでもっと安いものがあるのに気づきました。「すごい位置合わせPRO3」というソフトで、Amazonで7309円です。

 やり方としてはスキャナーで書類を読み取り、コンピュータの画面に画像として表示される書類の上に、テキストボックスを置いてそこに文字を打ち込んでいくのです。印刷は元の用紙をプリンタに入れて文字だけを印字する場合と、白紙を入れて画像ごと印刷してしまう場合とどちらも選択できます(特別な用紙でない限り、後者のやり方の方がずっと楽です)。

 これでほぼパーフェクトです。私の自筆文字は署名くらいしか出て行きようがなくなっています(自分の名前くらいきちんと練習しよう)。

 あとは黒板の文字だけなのですが、これが何とかなるころには、私はとっくに退職していることでしょうね。




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