2018/11/16

「素直で落ち着いた秘書と――」〜スマート家電コントローラも買ってしまった  いいこと


【スマート家電コントローラも買ってしまった】
 先週Amazonのスピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」を買ってあれこれ遊び始めたという話をしました(2018.11.09「アレクサ、何でも言うことをきいて!」〜Amazon Echo Dotを買う)。

 音楽を聴くのは楽しく、アレクサ(Echo Dot)とあれこれやり取りするのも面白いのですが、スマート家電がないので電灯をつけたりテレビをコントロールしたりといったことができず、その点では物足りないということも書きました。

 さらに、



 ただし、 右のようなスマート家電コントローラを使うと、赤外線リモコンで動くかなりの数の電化製品が操作できるみたいですが、評価はまちまちで迷っています。
と書いたのですが、実はほとんど迷っていなかったのです。記事を書いている最中は迷っていたのですが、終わるころには我慢ができなくなり、投稿するとほとんど同時にAmazonで注文をしてしまったのです。翌々日には手元に届きました。

ラトックシステム スマート家電コントローラ スマホで家電コントロール [Works with Alexa認定製品] RS-WFIREX3

 それが正式な名称です(以下、スマート家電コントローラを「スマコン」、EchoDotを呼びかけの「アレクサ」で代用します)。


【家電とスマコン、アレクサを繋げる】
 アレクサと家電をどう繋いだかを説明する前に、ひとこと話しておかなくてはならないことがあります。それは、
「もしかしたらスマコンはもともと一部屋に何個もある赤外線リモコンを、スマホ上にひとまとめにしようとした装置ではないか」
ということです。そちらが先で、アレクサを通して声で動かそうというのは二次的な機能ではないかと思うのです。
 必要な家電をすべて登録してみたら、一台のスマホで全部コントロールできることがけっこう便利だと思えるようになってきたからです。

 それにアレクサを繋げるというのはまとめられたリモコン機能に乗っかるような話で、つまり私の言葉をアレクサが聞き取って電気信号でスマコンに送り(スマホは経由しない)、それをスマコンが赤外線信号に変換して家電に送るという仕組みを取っているようなのです。

 接続作業はしたがって、部屋にある全部のリモコンをスマコン本体に覚えさせるところから始めます。

 まず自分のスマートフォンに「スマート家電コントローラアプリ」をインストールし、家電のリモコンをひとつひとつ登録していきます。登録できるのは赤外線リモコンで操作できる家電だけで、しかもスマコン本体から赤外線信号を受けられる範囲にあるものでなくてはなりません。基本的にはひとつの同じ部屋にあるものだけということになります。

 私の家の居間には8本のリモコンがありますが、とりあえずテレビ、ブルーレイプレーヤー、Fire TV Stick、スピーカーシステム、メイン照明、エアコンの六つは接続しておきたい気持ちでいました。
 扇風機、DVDプレーヤーが残りますが、両方とも今は使っていないので後回しにします。

 スマコンアプリには280種類以上のリモコンがプリセットされていますからほとんどは選択するだけで登録は簡単に済みます。またプリセットにないリモコンは手動で設定することができます。私の場合は天井照明が有名メーカーでなかったので手作業で行いました。

 取り込みが終わるとスマホ画面で下のようになります。
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 一番左が初期画面で、そこからテレビやエアコンなどを選ぶとそれぞれのリモコン画面に変わって操作できるようになるわけです。

 ネット上にはこの時点で登録のできないリモコンがあるという話が出ていたりしますが、私の場合fire TV Stick以外はすべて繋がりました。中でも2003年製のエアコンが繋がったのはほとんど感動的でした。

 次はスマコンとアレクサをつなげる作業ですが、これはアレクサに「スマート家電コントローラ用スマートホーム」というスキル(無料:ネットからダウンロード)を取り込むことで難なくできます。
 全部がつながったことを確認したら、スタートです。


【スマート家電コントローラでできること1】
 そこで実際に使ってみた感想は、
「まず思ったほどではない――」
です。

 これは仕様書をよく読んでいなかった私が悪いのですが、アレクサとスマコンで音声操作できるのはテレビを除けば全部の家電のON/OFFだけなのです。
 テレビだけは「アレクサ、テレビをつけて」「チャンネルを5にして」「テレビの音量を上げて/下げて」で操作のほとんどができるのに、他は一切できない。ON/OFFだけです。
 照明のように「点けて/消して」だけで構わないものもありますが、ブルーレイプレーヤーなどは困ります。

 録画している番組を見ようとしたら電源が入ったあとで、
(1)「アレクサ、テレビの入力をブルーレイプレーヤーに切り替えて」
(2)「アレクサ、録画リストを見せて」
(3)「アレクサ、今週の『チコちゃんに叱られる』を再生して」
となるのですが、それがひとつもできない。結局リモコンを探して続けなくてはならないのです。

 もっともOFFの方は「アレクサ、ブルーレイプレーヤーを止めて」で済みますからまったく使えないわけではありません。
 エアコンも照明も、ON/OFFのみで温度や光の強さを音声で行うことはできません。


【スマート家電コントローラでできること2】
 実はスマコンには二つのモードがあって「カスタム・モード」にしておけばエアコンの温度設定や除湿などのモード変更、また照明の明暗も音声でできるのです。しかしその場合、接続できる家電がテレビとエアコンと照明2台、計4台に限られてしまい、おまけに「アレクサ、家電リモコンを使って〇〇して」みたいな面倒な言い方をしなくてはならず、かなり面倒なのです。
 通常の「スマートホーム・モード」の方だとON/OFFだけですが、家電は50台まで繋げます。

 私のところは寒冷地で、エアコンの使用期間は短いし冬は灯油暖房ですから複雑な操作は必要ありません。迷わず「スマートホーム・モード」にして、したがってON/OFFだけになってしまいます。
 ただし「スマートホーム・モード」だと呼びかけの変更や複数家電の同時操作が可能ですから、例えば「アレクサ、おはよう」でテレビと照明の同時ONだとか、家を出るとき「アレクサ、行ってきます」で全部をOFFにするとかいったこともできます。朝バタバタしがちな独身者には意外と便利なのかもしれません。

 独身者のことを言えば、スマコンは「Amazon web クラウド」を使って屋外から家電をコントロールすることができます。だから真冬の帰宅時、最寄りの駅に着いたところでエアコンと照明をつけておけば、帰宅したときに照明のついた暖かい部屋に迎えてもらえるといった良さもあるかもしれません(それでなおさら寂しくなる人もいるかもしれませんが)。

 いまのところスマコンを通してアレクサのできることはその程度ですが、先週も言ったように、10年後、20年後を考えるときっと生活のかなりの部分を音声認識にやってもらうことになりますからその日に向けて、今から慣れておく入門機と思えばいいのかもしれません。
 アレクサ(EcoDot)と違って「スマート家電コントローラー」(6872円)は安い買い物ではない気もしますが・・・。


【素直で落ち着いた秘書と――】
 先ほど独身者の話をしましたが、私のように独身ではない人間にとってもアレクサ+スマコンは素晴らしい性質を持っています。できないこともたくさんありますが、とにかく素直なのです。言うことは、何でも一応きこうとします。努力します。

 妻のミーナだったらこうはいきません。そもそも「ミーナ、テレビをつけて」などと言うこと自体が考えられないのです(言われることはありますが)。

 アレクサの声は「30代半ばの落ち着いた秘書」といった感じでまったく素直です。「アレクサ、照明をつけて」と言うと点灯させたあとでだいぶ経ってから「はい」と答えるような「天然」なところもあって可愛いことこの上ありません。
 その意味でも、とても満足できる装置です。





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2018/11/15

「面倒な隣人とのつき合い方」〜韓国の有力紙を読みながら考えた  社会


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 長く尾を引いていた慰安婦問題がいよいよ「和解・癒し財団の解散」という最悪の転換点を迎えようとし、徴用工裁判で日本中のマスコミが異例の同一歩調で韓国の非を打ち鳴らしている最中、BSEだかBSTだか知りませんが(BTSか?)防衛少年団という韓流ヒップホップグループのひとりが原爆の写真をあしらったTシャツを着ていたとかで、日本のテレビ番組から締め出され問題になっています。

 韓国国内からは日本に対して「偏狭な日本のテレビ局、防弾少年団の出演が相次ぎ白紙に」(2018.11.11朝鮮日報)とか「日本メディアの難癖で、Mステ出演が突然見送りに」(2018.10.09中央日報)とか、あるいは「世界的なメディアに今回の状況がすべて報道されたことで、かえって世界の若者ファンに『日本は戦犯国』という事実を確実に刻印させる契機になった」(2018.10.12中央日報)とか、「日本メディアが嫌韓あおる? K―POP巡りネガティブ報道相次ぐ」(2018.11.13東亜日報)とか、強く不快感を示す報道が続きました。

 そんな中でこの問題に新聞社として早い段階からきちんと説明をし、納得のいく論評を加えたのは、なんとハンギョレ新聞(韓国では単にハンギョレと呼ぶらしい)だったのです。
 ハンギョレ新聞といえばかなり左翼的な、現在は文政権御用達と言ってもいいような新聞社で、あまりにも北朝鮮よりなため私もしばしば激しく苛立つ新聞です。

 ところがそのハンギョレ新聞が13日に掲載した「防弾少年団のTシャツは果たして愛国心の象徴なのか」は、実に的を得た内容で、これさえ読んでおけばたいていの異論に対抗できると思われるくらい素晴らしい記事だったのです。


【反日であるかどうかが問題なのではない】
 内容をかいつまんでお話しすると、
 防弾少年団のTシャツは果たして愛国心の象徴なのか
 原爆は人類の最大の悲劇であり、1945年8月に日本の広島と長崎に2度投下された原子爆弾によって被爆した70万人の被害者のうち、朝鮮人は7万人程度と推定される。朝鮮人被爆者は4万人以上が命を失っており、3万人だけが生存し、このうち約2万3000人が朝鮮半島に戻ってきた。2018年基準で大韓赤十字社に登録された国内の原爆被害者は2344人で、平均年齢は83歳だ。
 したがって、
 核問題だけは『ナショナリズム』を超えるべきであり、今回の議論を通じ、広島と長崎の原爆による解放と独立という『ナショナリズム的構図』を越え、『核兵器の非倫理性』というより幅広い問題提起へと認識を広げるきっかけを作るべきだというのです。
 まったくその通りです。

 もちろん韓国国内向けの記事ですから私たちが扱うには多少の変更は必要ですが、私たち日本人もこの問題を反日だの嫌日だのと矮小化せず、原爆を軽々しくファッションに使うことの非につい強く訴えなくてはなりません。
 きのこ雲をTシャツに印刷していいのは、雲の下で苦しむ人間たちの姿をありありと浮かべ、その思いに心を寄せて二度とこうした悲劇を起こしてはいけないと訴え、誓う時だけなのです。


【互いを冷静に観ること】
 問題が原爆Tシャツだけだったらいつまでも平行線だったのですが、過去の写真からナチスの徽章やナチスを思わせる赤旗のが軽々しく扱われたことについて、アメリカのユダヤ人権団体から抗議が出されるに至って事態は一気に変わります。

 考えてみればBTSのメンバーはいずれも20代半ば、まだまだヤンチャ盛りです。それにヒップホップはそもそも反社会を起源としていて、今でも一部は社会の反主流・非行のイメージを売り物にしています。

 おそらくBTSは、というより彼らを含めた周辺(芸能界全体と言ってもいい)は、面白ければいい、カッコ良ければいいというだけの理由で悪乗りして、そのまま抑えが効かなくなっただけなのです。反日活動家や親ナチを標榜するアメリカのオルト・ライトのような政治的信念があるわけでもない。
 本来は里に下りてきたクマのように、お仕置きをして山に返してやればいいだけの話でした。 

 BTSの所属事務所は13日になって謝罪表明をして沈静化を図り、韓国の保守系新聞もそれを受けて事態を前向きにとらえようとしはじめています。

 昨日の朝鮮日報「【コラム】われわれ韓国人が手を差し出すべき日本人もいる」は、
 広島平和記念公園には韓国人原爆犠牲者慰霊碑が建っている。もともとは同公園の外にあった。その慰霊碑を公園の中に建てられないようにしたのも日本人だし、そうした人々と闘って慰霊碑を公園内に移し、共に追悼したのも日本人だ。防弾少年団はきのうの東京ドームを皮切りに、大阪・名古屋・福岡でドーム公演を行う。全席売り切れだそうだ。両国の不和を狙って1年前の動画を見つけ出し、邪魔しているのも日本人だが、防弾少年団のコンサートチケットを完売させて歓迎しているのも日本人だ。どちらの日本人に我々が手を差し出し、その手を取れば、歴史問題の痛みを乗り越えられ、未来への扉を開けるのかは明らかだろう。
と書いて
 両国関係の悪化を望む人々が仕掛けた「わな」
にはまらないよう呼び掛けています。全く妥当なことと思います。


【指導者の勇気】
 そう言えばしばらく前の中央日報にもとても考えさせられる記事がありました(2018.11.01【噴水台】日本、国の敵なのか)。

 感心したのは1965年の日韓請求権協定の基礎となった大平正芳外相と金鍾泌(キム・ジョンピル)中央情報部長(肩書はいずれも当時)の会談に関する部分です。話し合いのあと、金部長は大平外相にこんなふうに言うのです。
「我々が会った以上は、あなたは日本の小村寿太郎になれ。私は李完用(イ・ワンヨン)になる」

 李完用は日韓併合条約調印の時の首相で、韓国ではたびたび売国奴として引き合いに出される人だそうです。小村寿太郎は言わずと知れたポーツマス条約の調印者で、日本国民がどれほど怒るか容易に想像できたため、横浜に帰る船の中で「すでに家族は殺されているだろう」と覚悟したといいますから相当なものです。

 日韓請求権協定がそれぞれの国民をどれほど怒らせるか予想した金は、大平に「どんなに国民の反感を買おうとも、政治家にはやらなければならないことがある、それを自分たちが担おう」と語ったのです。
 世界にはびこるポピュリズム政治家に教えてやらなければならない話です。


【厄介な隣人と暮らす】

 韓国はとても厄介な国です。
 しかし隣り合った国なんてみんなそんなもので、イギリスとフランス、ドイツはそれぞれ互いを厄介者だと思っているに違いありませんし、パキスタンとインド、インドと中国、中国とロシア、ロシアとウクライナ――すべて互いを面倒くさい隣人だと思っているはずです。ベネルクス三国のような仲良しだって統一しようとしないのですから、他は推して知るべしです。

 日韓関係もむやみに挑発に乗らない国民の落ち着きと、政治家の勇気ある決断によって、なんとかうまくやっていくしかありません。面倒な隣人でも互いに引っ越すことができないのですから。




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2018/11/14

「ゆとりですが何か?」〜羽生・大谷・藤井・梨花  社会


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(ローレンス・アルマ=タデマ 「ホメロスの朗読」)

 エンゼルスの大谷翔平選手が大リーグの新人賞を取ったそうです。大したものです。心からお祝いを申し上げたいと思います。

 スポーツ界はこのところ活気にあふれ、10日(土)にはフィギュアスケートのNHK杯で16歳の紀平梨花さんがシニア・デビュー戦で金メダルというとんでもない成果を上げ、翌11日(日)には競泳の池江璃花子さんが100メートルバタフライで「世界女王」サラ・ショーストロムに勝利、さらにその翌日(12日)には錦織圭が宿敵フェデラーにストレート勝ちと、毎日、快挙の報せが届いています。

 その前の11月4日には卓球の伊藤美誠選手がスウェーデン・オープンで中国の強豪を次々と撃破して、12日も女子ダブルス決勝で伊藤美誠・早田ひなペアが王者中国を破って優勝しました。女子卓球界にはまだ平野美宇という、昨年4月のアジア選手権で中国勢を総なめにして優勝した選手もいます。

 さて――。


【1994年の奇跡】
 雑誌『文芸春秋』(12月号)には「『羽生結弦世代』最強伝説」という記事が載っていて、おもしろかったので少し紹介します。
 それによると今年スポーツ界を沸かせたアスリートたちは皆1994年生まれだというのです。

 ざっと羅列すると、スケート界からは羽生結弦、高木美帆。球界から大谷翔平、鈴木誠也、藤波晋太郎。サッカーで中島翔哉、南野拓実。競泳では萩野公介、瀬戸大也。バドミントンの桃田賢斗、奥原希望。パラリピアンではテニスの上地結衣。柔道のベイカー茉秋、プロバスケットボールの渡辺雄太。

 私は特にスポーツファンと言うわけではなくむしろ疎いくらいですが、その私でも全員の名前を知っているということは、いかにこの人たちが凄いかということです。
 ちなみにスポーツ界以外の1994年生まれを調べると、芸能界に川島海荷、宮沢氷魚、伊藤沙莉、福田麻由子、山崎賢人、二階堂ふみ、清野菜名、広瀬アリス、栗原類、など、これまた錚々たる陣容です(他にも拾い出せたのですが、私の知っている人だけにしました)。

 ではなぜ1994年生まれにこれほど突出した人材が集中したのか――それについて月刊文春はこんなふうに説明しています。

 専門家の間でひとつの理由として指摘されるのが、彼らが「ゆとり世代」だからではないか、というものだ。
(中略)
 1994年生まれの羽生世代は小学校2年生から「ゆとり教育」がはじまり、中学卒業までずっと続いた年代になる。小学2年生から完全週休二日制となり、学校生活に縛られないことで、子供たちがスポーツなど勉強以外の何かに打ち込みやすい環境になったという指摘がある。
 実際、大谷が少年野球チームに入ったのは小学二年生からである。
 また、ゆとり教育の目標のひとつに「子供たちの個性を伸ばすこと」があった。そのため、「ゆとり世代は集団行動をとることができない」という批判もあったが、裏返せば、個の力が増したとも言える。
 ゆとり教育はスポーツ界に効果があったという考え方は、あながち荒唐無稽とは言えないだろう。


 集団よりも個を伸ばすことに力点が置かれたから、というのはどうかと思いますが(ゆとり教育のために学校で、集団より個が尊重されたといったことはなかった)、完全学校5日制がスポーツや芸能に打ち込むのに有利だったことは間違いないでしょう。
 隔週土曜休みなどといった変則的な日程ではきちんとした練習計画など立てられません。完全五日制になって多くのスポーツ・芸能教室が経営として成り立ってきた事情もあります。

 そう考えると五日制の恩恵を受けたアスリート・芸能人は1994年以前にも、以後も、かなりいたはずです。


【改めて「ゆとり世代」】
 「ゆとり世代」の範囲については諸説あって、厳密に言えば“小中高等学校において2002年施行学習指導要領による教育を受けた人”ということになりそうですが、2002年に小学校に入学した95年生まれの子でも高校1年生からは「脱ゆとり教育」を受けていますから厳密な定義に当てはまる人はいません。

 ただし私の娘は1990年生まれで2002年を小学校6年生で迎え、中高は「ゆとり教育」の真っ只中で過ごしましたから、本人もゆとり世代だと思っているし周囲からもそう見られてきました。

 したがって大雑把に、高校3年間を「ゆとり教育」ですごした1987年生まれから、小学校に入学したときにまだ「ゆとり教育」をやっていた2003年生まれまでを「ゆとり世代」と呼ぶのが一般的なようです。年齢で言うと31歳から15歳までの人たちです。
 一番最初に名前を挙げた、紀平梨花、池江璃花子、錦織圭、伊藤美誠、早田ひな、平野美宇といった人たちはすべてここに入ってきます。

 年長の方から言えば、田中将大、前田健太、福島千里、香川真司、内村航平、入江陵介、福原愛、石川遼、松山英樹、石川佳純、浅田真央、大迫勇也といった面々も皆“ゆとり”です。AKBグループは全員、ももいろクローバーZ、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、佐々木希、堀北真希、長澤まさみ、岡田将生――芸能人は挙げたらきりがありません。

 学術・芸術面では今のところ五嶋龍、辻井伸行といった音楽家、史上最年少で直木賞を受賞した朝井リョウくらいで一般に名の知れた人は少ないですが、ピアノ、バイオリン、あるいはバレエなどの国際コンクールで毎年のように入賞者を出している現状をみると、彼らが一流アーチストとして活躍する日も近いはずです。スポーツ・芸能に比べると世に出てくるのが遅い領域です。

 ひとり重要なメンバーを忘れていました。ゆとり世代の異常ともいえる才能を体現する人、藤井聡太7段(2002年生)を落としてはいけません。


【時代は終わる】
 ゆとり世代は最強世代ではないか、ということは密かに語られてきたことです。そして今まさにその最強世代が終わろうとしています。
 政府も国民も、ゆとり世代の多様性・華々しさを捨て、地道で実りの少ない道を選んでしまったのです。
 卓越したコンピュータ技術者や英語使いを生み出すために、みんなで頑張ってプログラミングや外国語を学ぶ道です。世の中の大半はプログラミングも英語もほとんど必要ない人生を送るというのに。
 
 夏休みを減らされ、土曜日の授業を奨励され、おかげでスイミングスクールや少年野球に通っていた子どもたちは土曜日の練習に出られなくなり、夏も勉強漬けです。第二第三の藤井聡太を目指していた子どもたちも将棋道場は週一回と、そんなふうに自己規制をしなくてはならなくなります。

 私たちがバブルを語るように、今の若者たちは歳をとってから、
「平成の時代はほんとうに凄い人たちがいっぱいいたんだよ」
となつかしく自慢するに違いありません。




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2018/11/13

「特殊で、多様で、重すぎず、便利な日本の謝罪」〜戦場ジャーナリストと日本式謝罪の話2  教育・学校・教師


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(フランシスコ・デ・ゴヤ 「1808年5月2日、エジプト人親衛隊との戦闘」)


 先週金曜日の朝日新聞の記事、『安田さんおわび、外国特派員は「謝罪の必要あるのか?」』を発端として日本式謝罪について考えようと思っていました。しかし朝日新聞だけを頼りにした私の調査は甘かったみたいで、昨日のブログに引用した、「私の行動にミスがあったのは間違いないのでおわびを申し上げた」は朝日新聞が簡略しすぎた表現で、ほんとうはもっと含みのある言い方だったみたいです。
 同日のJUSTニュースによるとこんな言い方をしています。

「今回、謝罪と言いますか、私自身の行動に、いくつかのミスがあったことは間違いないので、この点について皆さんのご批判をいただいて、今後に生かしていくために、まず、ごあいさつと言いますか、ご批判をいただくにあたって、お詫び申し上げますということを申し上げている」

“それを言っちゃあイカンだろう”という意味で少し笑ってしまいました。
「謝罪はごあいさつ」だなんて言って、またネットで叩かれるぞと思ったのですが、少し巡ってみたところ案外そうでもなく、安田純平ネタはもう飽きられたのか、安田さんの話に説得力があったのか、ネットは意外と冷静でした。


【謝罪に至る経緯】
 解放直後の安田さんは3年間の拘禁から解放された興奮もあってか、日本に向かう飛行機内でも一言の謝罪もなく、感想を求められても荷物を返してもらえなかった恨み節をしゃべったりと何かとちぐはぐな感じを受けました。

 その違和感は私一人のものではなかったようでネットは大荒れ。高須クリニックの高須克弥院長はその日のうちに反応してツイッター上に投稿。

「この人には敬意ははらえません。兵士ではない。
兵士ならば敵に媚びる捕虜だ。
出でくるときは定番の作法を守ってほしい。まず『恥ずかしながら・・・』と謝りなさい」


 その他まとめサイトへの投稿なども「どの面下げて帰ってくるつもりか」「国に迷惑をかけるな」といった非難の声であふれ、特にYahooニュースのコメント欄は「自己責任論」一色で埋まったといいます。


【一瞬にして理解する日本人、まったく理解できない外国人】
 しかし一週間後に開かれた日本記者クラブでの会見では冒頭、
「今回私の解放に向けてご尽力いただいた皆さん、ご心配いただいた皆さんにお詫びしますとともに、深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました」
と述べるとともに、
「私の行動によって日本政府が当事者にされてしまったという点について、大変申し訳ないと思っております」
と謝罪したということですから、やはり安田さんは常識人だったというか、常識人がそばにいて何らかのアドバイスをしたのでしょう。

 高須先生の、まず『恥ずかしながら・・・』と謝りなさいはまったくその通りで、この国ではとりあえず謝罪しないと素直な話が始まらないのです。さらに安田さんの会見は他の部分も実に誠実で丁寧でしたので、それで批判の嵐は一気に引いてしまいました。

 同様の謝罪は先週、日本外国特派員協会の会見でも行われたのですが、外国人相手にその論理は通じにくかったみたいです。話は直截的に、
「命のリスクを負ってシリアの悲劇について同胞に伝えようとしていた安田純平氏が謝罪を強いられたことは受け入れられない。安田氏は困難を耐えたことに対して英雄として歓迎されるべきだ」
ということになります。そこで出てきたのが、まず、ごあいさつと言いますか、だったのです。

 日本人の在り方にかかわる問題ですから簡単に説明することはできません。外国の人に理解してもらうにはこんな説明しかできなかったのでしょう。言いえて妙ですが、それで深く追及されずに済んだようです。


【特殊で、多様で、重すぎず、便利な日本の謝罪】
 よく、「日本人はすぐに謝ってしまう」「謝りすぎる」と言われますが、私たちにとって謝るという行為にはさまざまな意味があります。

 被災地で自衛隊員に助けられたお婆さんが「申し訳ありません」と言ったら、それは間違いなく感謝の言葉です。自分のために時間もエネルギーも気もつかってくれたので謝罪とおなじ「申し訳ありません」を使用しますが、だからといって救助されるような状況になって深く反省しているとか、責任を取って費用をお支払いしますといった話にはなりません。

 道を訊ねる人が「すみません」と言って呼び止めても、それはせいぜい「お時間をとらせて申し訳ない」程度の意味で、基本は単なる声掛けです。

 出会いがしらの交通事故で「すみません。大丈夫ですか」と言ってもそれは責任を取るという意味ではなく、自分の心理的立ち位置を示しただけです。いずれは「責任割合、何対何」といった話を詰めなくてはならないのです。その話し合いの始まりを、相撲で言えば仕切り線を挟んで間隔を取るように、お互いに一歩下がったところからやりましょうという合図なのです。

 国によっては停まっている車にぶつけても「バカヤロー、なんでそんなところに停めてんだ!」から始めなくてはならないところもあるそうですが、それは話し合いのスタートを掴み合うところから始めましょうというその国の文化であって、最終的に引き合って「責任割合、何対何」にしなくてはならいのは同じです。
 ただし掴み合いから始めるのは、かなり気分の悪いことです。

 そこでここ20年ほどはアメリカでも、事故等で最初に発せられた「アイムソーリー」は責任を認めたこととしないという「アイムソーリー法」が広がりを見せています。人間どうし感情のあることですからやはり掴み合いから和解に持って行くのは容易ではないのです。日本のように、一歩引いてから改めて歩み寄る、その方がどれほど楽かしれません。
 これからはそうした日本式謝罪が国際標準になっていくのかもしれません。


【付記】
 私は「アイムソーリー法」に関して2度ほど簡単に触れていますが、そのうちのひとつが、2015/2/5「あるべき形」です。どんなことを書いているのかと読み直したら、奇しくもそれは戦場ジャーナリストの後藤健二さんがISに殺された翌々日、事件に関して書いたものでした。同じことを繰り返しても仕方ありませんので、ぜひともそちらの記事も読んでください。

 安田さん、無事帰って来てほんとうに良かったなと改めて思いました。


 ところで、「アイムソーリー法」について最後に書いたのが3年前で、現状はどうなっているか改めて調べたら、「アメリカにはこういう素晴らしい法律がある。日本も見習ってつくったらどうか」みたいな記事がいくつか出てきてきました。
 ガッカリしました。

「アイムソーリー法」には日本の文化が影響を与えたと私は聞いているのですが・・・。


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2018/11/12

「大国には義務がある」〜戦場ジャーナリストと日本式謝罪の話1  社会


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(ピーテル・パウル・ルーベンス 「戦争の惨禍」)

 先週の朝日新聞に『安田さんおわび、外国特派員は「謝罪の必要あるのか?」』という記事がありました。
 安田純平さんに関しては解放以来ネット上に厳しい自己責任論があったようで、テレビでも何回も扱われていました。

 それに対して、
 国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は6日、「紛争下にある国々の現場にジャーナリストがいなくては、世論は偏った情報に頼らなくてはいけなくなる」とし、「(安田さんが)謝罪を強いられたことは受け入れがたい」とするコメントを出した
という事情があり、今回の特派員協会での会見が特に注目されたのです。

 会見の中で安田さんは、
「私の行動にミスがあったのは間違いないのでおわびを申し上げた」
と簡単に説明したようです。深入りするとのっぴきならないところまで引きずり込まれかねないテーマですので、誰もが納得できるところで簡単にかわした、というのが実情かもしれません。


【何のリスクも負わなくていいのか】
 自己責任論についてはよく分かりませんし、よく分からないまま深入りするのも危険ですので私もこれについて話さず来ました。しかし非常に単純な気持ちとして、次のような思いもあります。
 それは安田さんのようなジャーナリストが危険を冒して飛び込んでいかなければ、日本人としてちょっと恥ずかしいというようなことです。

 戦後70有余年、戦場で(殺されることはあっても)一人の人間も殺さず来たのは日本だけです。
 そこにはもちろん、憲法上の制約があって本格的な紛争地帯に自衛隊などの公務員を派遣できなかったという事情もあります。しかしそれでも「だれ一人殺さなかった」ということは名誉なことですし歴史の手本となるべきことですから今後も続けていくべきですが、さらにそのうえ、ジャーナリストも危険を冒さず、金を払ってニュースを買うだけとなると、素直でいるのは難しくなります。


【あの人の声】
 私は2012年にシリアのアレッポで殺害された戦場カメラマン、山本美香さんが撮影した動画に、特別な思いがあります。それは戦場の女性や子どもを次々と映す中で、一人の赤ん坊にかけた山本さんの、「わあ可愛い」という一言です(下の映像では17:50付近)。その声は女性だから出てきた声、女性にしか出せない声だと思ったのです。


 そこに女性カメラマンが戦場に行く意味があります。女性にしか切り取れない映像、女性だからこそ強く訴えられる事実があるのです。

 同様に、日本人だからできる、日本人にしかできない戦争報道というのがやはりあります。
 シリアについて言えば、この国は私たちにとってほとんど無関係な国、無関心でいられる国です。戦争のために失われる権益もなければ、嫌な言い方ですが長引いて日本製の武器が売れて儲かるといったこともありません。海を渡って大量の難民が押し寄せるといったことも起こりません。
 あるいは多くの自衛隊員が送り込まれていて、何人も殺されたり負傷されたりしているといった状況があれば、それはそれで公平な報道はできません。同胞が殺される土地で、政治的平衡を持ち続けるのはやはり困難だからです。
 つまり徹底的に無関係である日本こそ、もっとも“中立”に近い戦争報道ができるのです。その目で見られる特別な世界があります。


【政府が責任を負うべきだろう】
 私はまた、ジャーナリストは記事を売り、講演をすることで稼いでいるのだから万が一の場合も政府が動く必要はない、ましてや国民の税金を使って救い出す必要はないといった「自己責任論」にも与しません。

 なぜなら日本が大国だからです。国際社会の準主役として、それなりに諸外国に影響力をもつ国だからです。そういう国は国際平和のために働く義務があります。もちろん軍隊を送ることで義務を果たそうという国もありますし、わが国が行っているような貧困の除去、地道な支援活動によって紛争を根から枯らそうという試みもあります。しかしそれだけでは不十分でしょう。

 先に紹介したYoutube動画で、山本美香さんはこんなふうに語っておられます。
「伝える人がいないと、どんどん状況って悪化していくんですよね。
 ですから、少しでも、伝えることによって戦争が早く終わるかもしれないし、あるいはもっと拡大することを防ぐことができるかもしれない、やはり伝え続けるために取材をしたいな(と思います)」
(4:55ごろ)
「外国人ジャーナリストがいることで、最悪の事態を防ぐことができる」(16:32ごろ)
 
 もちろん政府が積極的にジャーナリストを戦場に送り出すことはできません。それどころか外務省は、海外安全情報を出して退避勧告や渡航中止を呼び掛けたりしているくらいです。

 しかし誰かが戦場の真の姿を世界に知らせ、何らかの歯止めをしようとしなければならないとしたら、多少とも世界に影響力のある国、いざという時に自国民を救い出す政治力のある大国が、ジャーナリストを送り出すしかないのです。その意味で、政府には捕らえられた自国ジャーナリストを救う義務があります。

 大国としての日本が世界に対して負う義務です。だから政府も安田さんに関して粛々と対応したのだと思います。たとえその人が安倍政権を激しく罵るような人であっても。

 さて、ほんとうは安田さんの特派員協会における会見を通して日本的謝罪について考えるつもりでしたが、時間がなくなりました。続きは明日お話しします。

                            (この稿、続く)




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2018/11/9

「アレクサ、何でも言うことをきいて!」〜Amazon Echo Dotを買う  オススメ


 しばらく以前、記事の中でAmazonのキャンペーン「Amazon Music Unlimited、今、入会すれば4カ月間99円!」にまんまと乗せられて入会し、豊かな音楽生活を味わったら元に戻れなくなり、おそらく月額780円を支払っても更新手続きをしてしまうだろう、またその際、スピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」も買ってしまうだろうと、そんな記事を書きました(2018/10/19「私の音楽事情」〜Amazonに乗せられる)。
 そして案の定、

 買ってしまった・・・。

 5980円。ケチな私としては空前のできごとです。


【Amazon Echo Dot(エコードット)】

 Amazon Echo Dotというのは「スマート・スピーカー」とか「AIスピーカー」という範疇で括られる機器のひとつで、しかしそれより「スピーカ型音声アシスタント」と言った方が分かり易い装置です。要するに話しかけて仕事をさせる道具、と考えればいいでしょう。

「Alexa(アレクサ)」という名前がついているのでその名で呼びかけ、続いて指示を出します。
「アレクサ、テレビをつけて」
「アレクサ、居間の灯をつけて。――もう少し暗くして」
「アレクサ、炊飯器を明日の朝7時にセットして」
「アレクサ、NHKテレビが見たい」
「アレクサ、パパは何時に帰るんだっけ?」
「アレクサ、8時までにお風呂を沸かしておいて」
といった具合です。

 しかし実を言えばこれができるためにはEchoDoTに対応するテレビ・電灯・炊飯器・風呂(これらをスマート家電という)を用意し、「パパの帰宅時刻」はネット上のカレンダーに書き込んでおかなくてはなりません。私の家には現在、Bluetoothでつなげるサウンド・バーがあるだけですから、今できるのは音をそちらに切り替えて大音量で流す程度です。(*)



*右のようなスマート家電コントローラーを使うと、赤外線リモコンで動くかなりの数の電化製品が操作できるみたいですが、評価はまちまちで迷っています。


 つまりこのままだと今はさほどではないが、おいおいスマート家電を買いそろえて行くにしたがって、やがて便利で快適な家庭生活が送れるようになる、そういう道具だとも言えます。

 もちろん「人間、それでいいのか」という問題はあります。しかし一部屋にあれこれリモコンが六つも七つもあって年じゅう探している私のような人間には、精神衛生上あった方がいいのかもしれません。


【今のアレクサにできること】
 では接続する機器のほとんどない今の段階で何ができるかというと、それでもけっこう面白いことがあります。

 まず、当初の目的である“音楽がかけられる”。
「アレクサ、ビートルズをかけて」「アレクサ、ゲスの極み乙女が聞きたい」
 それでOKです。ビートルズやゲスの極みの曲がシャッフル再生(適当な順番で)流れます。
「アレクサ! 静かなジャズをかけて」
 そう指示しても応えてくれます。

 あるいは、簡単な質問に答えられます。
「アレクサ、トランプ大統領の齢は?」――「ドナルド・トランプ大統領の年齢は72歳です」
「アレクサ、勤労感謝の日って何?」――「勤労感謝の日は国民の休日のひとつで・・・」
「アレクサ、吉野源三郎って誰だっけ」――「こんな説明がありました。吉野源三郎は・・・」
といった具合です。

 天気を予報を聞いたりNHKニュースを呼び出したり、簡単な翻訳もしてくれます。
「アレクサ、英語で“僕は休みます”って言って」
「アレクサ、英語でアメリカ議会の下院はなんて言うの?」
(それぞれ “I’ll take a lest”、 “American Congress House”と、きちんと答えてくれたらしいのですが発音が良すぎて聞き取れない・・・)

 また、かなりつまらないのですが、ダジャレを言ったり謎かけもできたりもします。
「アルバイトは――、ない場合と、ある場合とがある」
「野球とかけてスーパーマーケットのタイムセールと解く。その心は――」「フライめがけてまっしぐら」
(ま、なくていい機能かな)

 その他、「アレクサ、おはよう」とか「アレクサ、ありがとう」と言ったりすると、意外な答えが返ってくることもあり、なかなか楽しめます。

 EchoDotのスピーカーはかなり音質の良いもので耳元で聴こうとするなら十分ですが、最初から音楽が目的だったら物足りないかもしれません。その場合は最初からEchoDotの上位機、Echo(11980円)かEcho Plus(21151円)を購入しておくべきでしょう。しかしやはり室内で大音響で、ということになればステレオタイプのスピーカーが欲しくなります。

 私はテレビ用のスピーカーシステム「サウンドバー」を二年前に購入してあったのでそれに接続して楽しんでいますが、うちの装置はメインスピーカーが棒状(サウンドバーだから)で、テレビのリモコンの受信部にかぶさってしまい、寝っ転がった状態でチャンネルを変えようとするとうまく行かない場合があります。



 その点、後継機のPioneer HTP-CS1はメインスピーカーがバーではなく、ふたつに分かれているので都合がいいいいかと思います。やはりそれなりの進歩はあるものです。オススメです


【EchoDotで困ること、できないこと】
 しかし何もかもいいというわけではありません。
 使い始めてかなり早い時期から気づいたことですが、問題のひとつはEchoDotの側からの情報がほとんどないということです。

 具体的に言うと、Prime musicや上位グレードのAmazon Music Unlimitedにどんな曲が入っているか、目に見える形で提示されてこない。したがって私の知っている曲やアルバムしか要求できないのです。

 また、
「アレクサ、モーツァルトのレクイエムをかけて」
というと、
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの『レクイエム―怒りの日』を再生します」
となって、
(オイ!ちょっと待て! 途中から始めるな!)

 うまく全曲を引き出すことができなかったりします。




 その点でコンピュータの「Amazon music」(アプリケーション)やFire TV stick(Amazon primeの映画および音楽の受信機)は、画面を見ながら、「おや、こんなアルバムがあるんだ」とか「これを最初から聞こう」といった具合に目で追っていくらでも調整ができる便利さがあります。

 もちろん「Amazon music」や「Fire TV stick」で覚えてEchoDotに呼びかけてもいいのですが、それなら最初からコンピュータやstickで聞けばいいだけです。

 また、Prime musicの中に“ある”のは分かっているのに音声認識に引っかからないものもあります。
 ビートルズの「アビーロード」は再生してもらえるのに「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はうまくかけてもらえません。私の発音が悪いからでしょうが、どうやったらできるのかいまだに分かりません。

 購入して三日目、EchoDotが突然反応しなくなってしまいました。動いてはいるようなのですが何度呼び掛けても応えてくれない。
 しかたがないので最後には諦めて再起動をかけ、WiFiにつなげるところから全部やり直してそれでもつながらないので、返品・交換を考え始めたとき、突然気がついたのです。
 私は「アレクサ」を忘れて、「アレックス!」と呼び掛けていたのです。これで答えるわけがない。

 先の「サージェント・ペパーズ〜」同様、こちらがしっかりしていないといけない、工夫していかなければいけない、要するにお互いが育って行く必要もあるということです。

 スマートスピーカーEchoDotできることはいまのところその程度ですが、10年後、20年後を考えるときっと生活のかなりの部分を音声認識にやってもらうことになります。それに向けて、今から慣れておく入門機と思えば、値段も手ごろ、使い勝手もよく、かなり面白い装置だと思いました。

 なお4000万曲から曲が選べるAmazon Music UnlimitedはEchoDotから加入すると月額380円ですむそうです。私はそうしました。


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