読書テーマ、2つめのエントリーである。
デボラ・クロンビー作、講談社文庫「警視の不信」、8作目になるキンケイド警視シリーズの最新作。このシリーズは好きでず〜っと読んでいる。
しかし、この1994年出版の「警視の休暇」に始まる「警視の・・・」という邦題はいいかげんやめたらどうか(笑)。今回の原題の"AND JUSTICE THERE IS NONE"ともかけ離れてるし、内容にも合ってないし。センスがいいとも思えない。
第1作の「休暇」に始まり、隣人、秘密、愛人、死角、接吻、予感ときて、今回は不信。
まあ感じ方は人それぞれだが、最初に深く考えずに「警視の・・・」とつけてしまって後悔してるんではなかろうか。途中には「なんじゃそりゃ!」と突っ込みたくなるのも混じってるし。
さて、このシリーズを一言で言えば、共にバツイチで子持ちのキンケイド警視とジェマ巡査部長の恋愛をからめたミステリー。人生と仕事に、不器用だが真面目に取り組む二人。
今回の舞台はロンドン、ノッティング・ヒル。複雑過ぎない伏線が徐々にまとまり、終盤に向かってパズルがはまりだし、最後の1個がラストでピタリとはまる。見事である。
キンケイドとジェマの物語は、作中でとても幸せな雰囲気に収束していくのに、ラストで悲しきマイルストーンに至る。ハッピーエンド好きの私としては辛いところだが、それは次回作以降のお楽しみというところだろう。
どうか彼ら家族が幸せをつかめますように、よろしくお願いしますよ、クロンビーさん。

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