雀さんから車間距離を広げれば渋滞が起きないという話を聞いた。そんなバナナ!と言うと西成活裕東大教授が実験で証明しているという。
家に戻ってからグーグルで検索したところ
「渋滞学」の権威、西成活裕東大教授が伝授!目からウロコの“究極”の渋滞回避術というページが見つかった。
このページを読んでいて社会学者というのは机上の空論を弄ぶものだと腹が立ってきた。
――では、西成先生が提唱されている「渋滞を起こさない運転方法」について教えて下さい。
西成教授:まず、車間距離を十分空けることです。高速道路の場合、車間距離40mが大きな分岐点になります。これを40m以下に詰めてしまうと、前のクルマがブレーキを踏んだとき、自分のクルマもブレーキを踏まざるを得ないということが実験結果などから分かっています。でも、40m以上空いていれば、前のクルマがブレーキを踏んでも自分のクルマはより強くブレーキを踏むということがないのです。つまり、後続車に対して「ブレーキを踏む」という連鎖が強まるか、弱まるかの境目が車間距離40mなのです。言い換えれば、40m以上空けていれば、後続車にブレーキが弱まって伝わるため、渋滞は発生しないということになります。
今、高速道路の脇に、車間距離「40m」「80m」といった標識が立っていますが、あれが渋滞解消の非常に良い目安になります。追突事故防止のためのものですが、私からすれば渋滞対策です。
とはいえ、前との車間が空いているとつい詰めてしまうというのが人情です。目の前にケーキがあるとつい食べてしまう――。ダイエットと全く一緒です。しかしながら、「短期的な視野で行動すると人は損をする」ということを肝に銘じていただきたい。そうすれば、渋滞を解消することもダイエットを成功させることも可能です。
統計データによれば、車間距離40mの時の平均速度は時速72kmですので、「高速道路では40m以上詰めると損をする」あるいは「時速約70km、車間距離40mが渋滞の始まり」と覚えておいていただければいいでしょう。
とんでもないことを言い出す奴だ。高速道路の制限速度を70km/hにすれば渋滞解消するというのか。ノロノロ走る車のおかげでその後ろに大渋滞が発生することを考えないのか。
車間距離と渋滞とに相関関係があることは確かだ。渋滞がなければ車間距離は開く。渋滞がなければ40mはおろか100mほど開けて走れる。渋滞があるから車間距離が詰まるのだ。貧乏人は安いものを食い金持ちは高いものを食う。だから高いものを食えば金持ちになるという論理は成り立つまい。
西成教授:しかしながら、例えば、時速100kmで走行していたクルマの速度を70kmに制限することで、逆に後ろに渋滞を作ってしまう場合もあります。私はそれに対してももちろん対策を考えていています。
簡単に言うと「速さ÷車間距離」を一定に保つことです。例えば、時速100km、車間距離60mで走っているクルマの時速を70kmに制限した場合、車間距離を42mにするのです。100÷60=70÷42=1.666・・・というわけです。そうすると、自分のクルマの減速波によって、後ろに渋滞が発生しないということが、ある計算式から導き出されています。この値約1.67を常に一定に保つように運転できる人は非常に優秀なドライバーになれます(笑)。
つまり奴は後続車もノロノロ運転にさせることによって渋滞が解消できるというのだ。これでは高速道路の制限速度を70km/h以下に設定するのと同じではないか。奴の論理を敷衍すれば一般道なら渋滞が起きないことになる。
西成教授:警察庁とJAFの協力の下、「渋滞吸収隊」というものを作りまして、2009年3月15日の午前11時に、相模湖インターチェンジから小仏トンネルまでの間を、警察庁とJAFのステッカーを貼ったクルマ4台で時速70kmで走行しました。“印籠効果”のあるステッカーを貼ってあるので、一般のクルマは我々を追い越すことができません。すると時速60kmまで下がっていた速度が80kmまで回復し、交通渋滞を起こさずに済んだのです。
迷惑な実証実験をしたものだ。得意そうに60kmまで下がっていた速度が80kmまで回復したと語っているが60km/hで流れているところをどうやって70km/hで走るんだ。また70km/hで走っている車を追い越してはいけないのに80km/hになるというのは矛盾ではないか。そもそもこの実験グループでは渋滞が起きないにきまっているじゃないか。パトカーが走っているときは追い抜けないのでその後ろ10数台は同じ速度で流れて走る。しかし更に後ろは大渋滞になる。追い越し禁止の一般道で車間距離をどんどん広げてノロノロ走る車のおかげで後続車両が数珠つなぎになることがある。奴もそんな迷惑運転をするに違いない。
奴の70km/h以上の速度が渋滞の原因という論理だとドイツのアウトバーンは大渋滞になるに違いない。
渋滞の原因は道路の通行許容量以上に車が道路に存在するからだ。
道路に存在する車の数が。通行許容量以上になったら入り口を閉鎖すれば渋滞は解消するにきまっているが入り口で大渋滞になるだろう。車の数を減らさないで渋滞を解消するには道路の通行容量を増やすほかあるまい。

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