(1983年 農学部を卒業した私は、交換留学生としてアメリカ・カリフォルニア州の野菜農場で農業実習をしていました。メキシコ人のオジサンたちといっしょに畑で作業をしていました。)
以前も書いたことがありますが、実習先の農場は、高品質な野菜を作る農場として有名な農場でした。
出来た野菜は農場の一角にある直売所で全て売り切っていました。
春先はいちご、夏はスイートコーンをメインに、およそサラダの材料になる野菜はすべて作っていました。
たとえばレタスは、リーフレタスからヘッドレタス(日本でおなじみのレタスをこう呼びます)色も緑や紫で十種類ぐらい。ナスでも長いの丸いの白いの縦縞ので5,6種類。トマトも同様。
シーズンともなれば順番待ちの人が長蛇の列、それがまた噂になりました。
直売所(スタンドと呼んでいました)の開店時間は朝の9時から売り切れるまで。午後3時までやっている日は珍しかった、お昼を過ぎると売り切れていました。
留学生だった俺は、忙しい季節は午前中お店の手伝いをしました。
収穫されて畑の通路に出されている野菜を運搬車で集めてきてスタンドの裏におろしたり、両手いっぱいに買い込んだお客さんの車まで野菜を運んだり(車は駐車場からあふれて遠くまで路上駐車になっていた)の仕事をしました。
ある日、いつもの直売所の手伝いをしていると日本語で話しかけてくる男の人がいる。
「こんちは〜。実習生?いやぁ僕も数年前にこのあたりの農場で実習生やっててさぁ、がんばってる?」
日本語で話す機会などないのでついつい話をきいていると
「種はどこで買ってるの?・・水の管理は?・・農薬は?・・肥料は?」
あれ?変だな?何だ?ひょっとしてスパイか?この近所で昔実習生だったてのもあやしいぞ!
ふ〜む。実習生といえど現場をあずかる身。気をつけないとな。
スタンドの手伝いが終わると畑。
除草、種まき、水やり、定植、ようするに野菜育てる作業全部。
その作業の中に「追肥」の作業がある。
野菜の成長にあわせて、畦(うね)の間に肥料を足してやる。
その追肥用の肥料は、使う分だけ畑でブレンドする。原料となる複数の有機質肥料を倉庫から出し、シボレーのピックアップトラックに載せて目的の畑に運ぶ。
それを畑のわきでシートを広げ決められた比率で混ぜる。
メキシコ人のオジサンたちとシートの上に原料を出し、手で混ぜる。広がったシートの四隅をみんなで持ち上げて中央に寄せてまた混ぜる。それを数回くりかえす。
何をどのぐらい混ぜるのか。これをみんなが知りたがる。これだけ有名でロサンゼルスあたりからレストランが買い付けにくるぐらい有名だから、まぁ、わかるけどね。
それは、鶏糞と何かと何か。
野菜を作りたかった俺は、いい鶏糞が欲しくてにわとりを飼い始めた、っていうこともあります。
いい鶏糞はまず健康で元気なにわとりを育てないと。
それでにわとりを放し飼いで飼い始めて、放し飼いで飼うむずかしさにひっかかって・・・・・・・現在に至る。
はい。じゃまんなかに寄せようか。みんなシート持ってぇ。いいかい、せーのっ!
え?何? へ? それじゃ息が合わせられない? せーのっ!じゃダメ?
日本人実習生はみんなせーのっ!て言うけどなぜ?って、そうだなぁ・・日本じゃたいがいどこでもせーのっ!で合うんだけどナァ。
メキシコ人はダメ? 1.2.3!にしろ? じゃ、しょうがないよねぇ。
1.2.3!
う〜ん。やりにくい〜。