「サルの食害?
そんなの電柵やりゃいいんじゃないの?
補助金とか出るんだろ?」
と、
都内一等地で数店舗展開するフレンチのシェフが言っていたと伝聞して。
ま、都会の人の感覚じゃそんなもんだろうなと、思う。
もはや百頭を超える群に成長した尾白川両岸を活動域にするサルから野菜を守るには、どれ程強固な設備にしなければならないのか?
自己の畑が数箇所に散在する日本の農村で、全ての圃場に電柵を施したとしてもそのメンテナンスだけで、どれ程の時間がかかるのか?
夜、用があって日野坂から長坂に車を走らせていると、カーブでライトに照らされたガードレールの下からひょっこりケモノが顔を出す。
「あ、アライグマ」
日野春の集落にも、この獰猛で食欲旺盛な外来動物が棲み付くようになったか。
山の中をイヌと歩けば、そこらじゅうにイノシシの足跡がついている。
この時季、田んぼの土手を掘り返すのは、里まで出て来るこいつらの仕業。
田舎暮らしを求めて移住者が増えても、農業人口が増えているわけではないから、昼間の村はあいかわらず閑散としている。
それでケモノが田畑を荒らす。
こちらは防戦一方なのだ。
高額な家賃を払いながらの営業だろうから、忙しいのは想像出来るけど。
あと少し産地を見て知れば、創造的な料理が出来るのではないかと想像したりする。
(まだまだインフルエンザなど流行っています。春まであと少し、どうぞご自愛いただき元気にお過ごしください。)