農場で作業をしていたら
目の前の地面にバサッと何かが落ちてきて。
ん?
ずい分色あせて穴もあいて見事にボロボロだけど、この羽根の色柄は国蝶オオムラサキ。
7月はじめ頃から農場の周りを優雅に飛ぶようになって2ヶ月。
そっか。オオムラサキは最後こうなるんか。
俺に気付いて一瞬でまた飛び立っていったから、まだ少しは活動出来るんだろうけど。
あと少しだね。
今はトンボの群が農場の制空権をにぎっていて、盛んに虫を捕まえている。
それももう少しするとボロくなってくる。
いつだったか、しゃがんで作業をしていたら、同じように目の前にトンボが落ちてきた。
同じようにボロボロの羽根で、捕まえたばかりのハエを食べつくす様を見せてくれた。
きれいに食べつくすと、もう隙間のほうが多いぐらいの羽根で、ふらふらと飛んで、いや風に流されていった。
暑い夏が長く続き、すっかり夏バテしてしまった俺は
「これが夏バテかぁ・・・」
などと言いながら、最低の仕事をなんとかこなしている。
ズズズズ・・ズズズズ・・
夕方犬の散歩に出ると、ゆっくり動くものが地面にあった。
良く見るともう少し色が残っているオオムラサキの左の羽根。
どこかで事切れた別のやつの羽根をアリの群が運んでいた。
まだ少し暑さは続きそうだけど、白州は少しずつ次の季節。
皆様どうぞご自愛ください。
(あわてて撮ったらぶれてしまいました、残念。雰囲気だけでも。昨日の夕方農場近くの大武川の橋の上から。)
