6月最後の金曜日、早朝。
田んぼの脇道を犬と散歩していたら、真ん中を羽化したばかりでまだ羽根が伸びきっていないトンボがのこのこ歩いていた。
「ひかれちゃうぞ。」
指を差し出すとしがみついたので、道端の草の上に乗せておいた。
夏が近いんだなと思ったら、その日梅雨明けが宣言された。
次の日、いつもの作業をいつものようにしていただけなのに。
スズメバチに刺された。
眉毛のところと首の2ヶ所。
「痛ってぇ〜〜〜!」
あわてて処置して、診療所も休みだからショック状態にならないように安静にして。
一日仕事にならなかった。
作業動線の上に巣をかけ始めていた。
その次の日、いつもの作業をいつものようにしていただけなのに。
スズメバチに刺された。 また。
「痛ってぇ〜〜〜〜!」
その日も診療所は休み。2日続けてはヤバいぞお。
大丈夫か?俺。
・・・・
後から見てみると、農場の入口あたりに3個も密集して巣があって
「何これ?こんなのはじめて。」
カラ梅雨の年はハチが暴れる、なんて地元のおじさんが言ってたのを、後になって思い出す。
とんでもない梅雨明けで7月が始まって、すぐ夏になる。
夏のニワトリ農場はニワトリの世話で忙しい。
ニワトリは汗腺がないから汗をかかない。
汗をかかないということは、汗で体温を下げる事が出来ないという事。(忘れがちだけどね)
水をいっぱい飲んで、土が冷たい場所を探して砂浴びをして、腋を上げてわきの下に空気を通して涼む。
ニワトリは大変だ。
それでも暑いときは暑い。(ってこれは人間でも同じだからわかっていただけるかと)
しまいにゃ口をあけて呼吸するようになって、だんだんそれが速くなって酷暑だと1分間に数百回になる。(真冬は1分30回程度)
呼吸で体温を下げようとする。
そうなってくると餌も食べなって体重も減ってくる。
日中はぼーっとして、もちろん卵も産むのを休止する。
まあ休んでもらってもいいんだけど。
やっぱちょっと困るのでW産んでもらう様にする。
朝の餌の時間を早くしたり、餌の内容を変えたり、屋根に打ち水したり、あれしたりこれしたり。
夏の工夫をいろいろと。
ニワトリが暑い夏に産む卵は、
カラが薄い。
水様卵白が多い。
新鮮でも黄身の盛り上がりが少ない。
サイズがちょっと小さい。
それぞれにそれぞれの理由があって(呼吸が多くなる事で、血中の二酸化炭素が過度に放出されpHが偏り・・どーのこーので、そうなると炭酸カルシウムの形成に悪影響が出てどーのこーので、それにはマグネシウムの多く与える事でどーで・・・みたいな)研究はされているんだけど。
この際肝心なのは。
「ま、暑い夏に産むんだから、そんなとこだよな。」
と皆さんに共感していただく事。
家畜だからって、何も特別じゃありません。
人間といっしょ、皆さんといっしょ。
暑い夏も頑張ってますので、どうぞ気持ちだけでも寄り添ってやってくださいW
産んでくれればありがたいっス。
みなさんもこれからの季節、どうぞご自愛ください。
(スズメバチにもご注意ください。トホホ・・・)
