ブランチ。
もうすっかり日本語で定着した感があるこの言葉。
遅いゆっくりとした朝食。
家畜を飼ってるんで、自分自身やったことはないんですけど、いいですよねぇ。
週末とか、休みの日の前の晩、遅くまで、食べたり、飲んだり、騒いだり、語ったりして夜更かしして・・・
いいなぁ〜。
で、次の朝ゆっくりして、ゆっくり朝食をとる・・・
いいですよね。
で、そんなブランチには上質な卵を、という話。
ウィークデーの疲れを癒すブランチのメニューには、心も体もケア出来る卵を選んでください。
では、どんな卵を選びましょうか?
まず、ちゃんと卵の味がする卵にしたいです。
スーパーの目玉商品「1000円以上お買い上げの方お一人様1パック限り98円!」みたいなのは、外しましょうね。安く出来る卵って事ですから。
栄養強化卵はどうでしょう?
これも基本は普通の配合飼料に栄養強化のための飼料添加物を加えたものですから、味に期待しない方がいいかもしれません。添加物にかけるコストを餌の原料の質にまわせればいいんですけどね。残念です。
黄身の色の鮮やかさをうたっている卵もありますね。
これも色付けのための飼料添加物は、黄色系・赤色系様々あります。卵の黄身の色調のコントロールはわりと簡単に出来るんですよ。
でも、味には関係ないです。
商品名がつけられ、農場の顔となる卵があります。独自の餌を与え・・とラベルに書いてあります。
これは「指定配合」って言うヤツなんですが、これは微妙です。
餌メーカーはだいたい10トン単位から各農場が指定する配合比率で餌を混ぜてくれます。(うちのだいたい2か月分なんですが、大手ケージ飼い養鶏場だと一日分だったりします。)
だから、ラベルに書いてあるとなんかすごい特別な感じがしますが、発注すればやってくれる、まあそんなところです。
ここで各養鶏会社の個性が出ますが、これが「微妙」。(笑)
ふむ・・・
なかなか見つかりませんね。
養鶏業界ではいかに効率良く卵を生産するかの研究はよくされているのですが、どうやったらおいしい卵になるか?はまだまだ発展途上なんだと思います。
経験から言うと、おいしい卵を産んでくれるには、餌に「あれとこれとそれ」が入っているかどうかなんですよね。
卵売り場の卵のラベルにその農場の餌の原料が書いてあればわかるのですが、表示義務がある事(農場所在地、賞味期限など)以外は、卵の品質に関係ない、売り口上だったりするので、わからないですね。
しかもその「あれとこれとそれ」というのがどれも原料として長期保存出来ないものなので、飼料メーカーもあまり使いません。
そうすると小さな農場で自分の所で餌を混ぜているような農場を捜すことになります。
ふう・・・上手く見つけられればいいのですが。
それと。
本当に上質な卵ということなら、飼い方にも注意をはらいたいです。
ケージ飼いと平飼いであきらかに違うところが殻の厚さと薄皮の厚さです。
ずっと狭いケージの中に居る鶏と、飛んだり走ったり喧嘩したり砂浴びしたり高いとまり木にとまって眠ったりという生物として生理的要求を満たされている鶏では、代謝が違うと考えられます。
鬼のように殻が分厚い、イライラするほどゆで卵の薄皮がむけない、そういう卵がいいですね。
あとは。
これはまあ・・・
どっちでもいいんですけど・・・
出来れば、その卵を産んだ鶏や鶏小屋や鶏小屋にいる番犬や飼ってるオヤジの顔がわかるような農場の卵だったら、楽しいですよね。
「今日もあのオヤジ、バタバタしながら餌やってんだろうなぁ・・いっつもそうだもんなぁ・・」
休日の遅い朝。
自分を癒すのならば、どうか上質な卵を選んでくださいね。
(いけね、書き忘れました。「あれとこれとそれ」は2種類の米ぬかと魚粉です。)
