TOKYOに行ってきた。
朝、農場の餌やりやら出荷の準備やらを終わらせて、出かける。
ちょっと留守するけど、ちゃんと産んでね・・・
午後。
赤坂見附の駅から電話して、映画のセットのようなピカピカのオフィスの入口で出迎えてもらう。
通された会議室はやけに眺めがいい部屋で、ハリウッドセレブ御用達というフィジーのミネラルウォーターを飲みながら打ち合わせ・・・
次に行ったのは首相官邸裏手のデカいビルの喫茶店。
やや強引に時間を作ってもらって、農業の現場の話をぶちまける・・・
何とか形になるまで、辛抱強く、注意深く、事を進めよう。
(またご報告します。)
それから。
日が傾きかけた頃、赤坂サカスのあたりを歩く。
お洒落な店が軒を連ね、小奇麗な格好の人たちが闊歩し、活気があふれる。
そうそうこれがTOKYOの街。
山梨で農業を始める前は、メキシコの電気も水道もない田舎の農場にいた。
会社があった首都メキシコシティーでも経済状態は悪く、食べていけない農民が地方からメキシコシティーに流入し、あちこちにバラック小屋が建ち、スラム化し、ストリートチルドレンが目立ち始めていた。
誰と話しても、アメリカや日本や、先進国に対しての憧れがあり、それを望んでいた。
用事で立ち寄る日系人家庭で、やたら引き留められたり、さかんに食事をしていけと言われたのは、必ず年頃の娘さんがいる家で、「この大学出の若い独身日本人を何とかうちの・・・」という事だった、というのを後で知った。(ある意味もてました。。。)
情報が少ない田舎の農場の男たちでさえ、先進国の首都TOKYOのイメージは持っていた。
豊かで、清潔で、治安がいい、そのTOKYOの風景が目の前にある。
乃木坂から東京ミッドタウンへ。
ガレリア2階にある「Ukafe(ウカフェ)」というカフェでうちのたまごを使っていただいている。
まだご挨拶にうかがった事がなかったので行ってみた。
ミッドタウンもさすがにものすごい建物で、気後れするほどだ。
お店にたどりついて名前を名乗り、応対してくださった女性にご愛顧のお礼を申し上げて。
「普段こんな所来ませんから、もうバタバタしちゃって。」
と言うと・・・
「私も仕事じゃなければ来ませんから。」
と彼女がいたずらっぽく微笑む。
う〜ん・・・・・さすがだな。
こんなセリフを瞬時に口にする。
「田舎から出てきてドギマギしている養鶏家のオジサン」に対して、こんな返し。
まさにベストチョイスなセリフを瞬時に選ぶ。
洗練されるってこういう事?
だね。
充分な条件で、たくさんの人が集い、社会を醸していく。
そうすると、こんなセリフをサラッと言えるいい女がフツーにいるようになる。
これもTOKYOの風景。
豊かな先進国の首都TOKYOは、世界の憧れでもある。
そこの住民が、何を選び、何を捨て、どういうライフスタイルをかっこいいと思うのか?
世界の人が見てるんだよね。
大量生産大量消費のライフスタイルはもう、そろそろ、いいんじゃない?
そうじゃない世界を最初に実現できるのは、TOKYOだと本気で思う。
TOKYOの人は、どんな卵を食べるのか?
そういう提案の仕方が、出来ないかな?ってね。
もう、そろそろ、大量に生産される、カゴの中のニワトリの卵はいいんじゃないかな?
ニワトリがニワトリの生理に沿って暮らしている平飼いの卵が、TOKYOにはお似合いだと、俺は思う。
トーキョーエッグ。
辛抱強く、注意深く、やっていこうっと。
(画像がピンボケですみません。ミッドタウン2F 「Ukafe」
http://ukafe.info/menu/index.html 開店3周年記念500円ランチやってます。明日まで。たまごメニューはお休みですがこの機会にぜひお試しください。)
