(この秋一番の冷え込み。しっかりした氷が張った今日の午前中。鶏舎で近所のムさんと)
ム「さむー。冷えたね。」
佐藤ジョージ「冷えましたね。」
ム「にわとりさん、風邪とかひかないの?」
佐「ひきますよ。」
ム「何て言う風邪なの?」
佐「名前なんてないですよ。っていうかもちろん病名はいろいろですよ。種類でいえばいろいろいっぱいありますけど・・人間も風邪ひいて医者行って薬もらうのに、いちいち菌とかウィルス分離して特定しないでしょ。風邪ですよ風邪。」
ム「で、どうなんの?」
佐「鼻水たらしてくしゃみして、ですけど、その次がたまご産まなくなるってことですよね。」
ム「そっか。」
佐「メスですからねぇ、母体ってことでして、いくらたまごたくさん産むように品種改良されてるとはいえ、自分の体守らなきゃいけないんでしょう、たまご産むのやめますよ。それだけたまご産むってことは体に負荷がかかってる、ってことなんでしょうねぇ。」
ム「じゃお薬あげるんだ。」
佐「あげないあげない!うち薬使いませんから。そもそもたまご産んでるにわとりに薬使えませんから。薬の成分が血液を介して卵に移行しちゃうでしょ。だから産卵期間中のにわとりには抗生物質のような薬は使ってはいけないことに法令でなってるんですよ。」
ム「そっか。そりゃそうだよね。」
佐「だから今でもたま〜にスーパーのたまご売り場とかで見かける抗生物質をエサに使っていません≠ネんてコピーは、何あたりまえのこと言ってんの?って思いますけど。」
ム「そういうことなんだ。」
佐「もっともそれをきちんとチェックする機能は一般に流通段階ではどこにもないんですけどね。行政でやってる畜産物の残留抗生物質の抜き取り調査がありますが、うちの農場でサンプルの提出を求められたのがこの21年間で1回だけ。」
ム「はあ〜。」
佐「農場が小さすぎて相手にされてないだけかもしれないけど〜。」(笑)
ム「んで、ひいたらどうすんの?」
佐「いやホント。ひいたらどうしょうもない、自分の力で治ってもらうしかないですから、ひかせないこと、ひいても軽くすむようにすることしかないですね。」
ム「それにゃどうすんの?」
佐「ちゃんとした冬用のエサを作ってしっかり食べさせること、ヒヨコのときから運動させて大きながっしりしたトリに育てること。あとは私が出来るだけ長い時間鶏小屋にいることかな?何となく落ち着くみたいですから。」
ム「それが手間ってやつか。なるほどね。」
ム「それにしても・・」
ム・佐「さっむ〜!!」