プロのサッカーのゲームなんてのは。
すり鉢状になったスタジアムで、やたらデカい、やたらゴツい、やたら足が速い、やたら器用に足でいろいろやる、そういう異形の男たちが戦いをくりひろげる。
それを見下ろす観客は、飲み食いし、叫び、歌い、熱狂し、異形の男たちをけしかける。
「そんなところで取られてんじゃねぇーよ、パウリーニョ!」
「ギリは、凝ったことやりすぎなんだよ!シンプルに行け!シンプルに!」
(以上25節 ベガルタ仙台戦 ・・・推定です。)
だから。
スタジアムの場内放送を担当する「スタジアム DJ 」なんていう仕事は、
「物を投げないでください。汚い野次はやめましょう。」
などと、その熱狂を抑える方にまわる。
スポーツマンシップにのっとり、モラルを説く役回りだ。
一方、「落語家」。
世間にころがっている普通の事柄を、洗って、拾い、ころがして、ありそうな噺に仕立て、また世間にもどす。
それを一人で演じる。
世間の情やらずるさやら狂気やら、あらゆる感情を身につけて、演じる。
だからなのか。
自ら追い込んで命を絶ったり、へべれけに酔っ払って車にひかれて死んじゃったり・・・
どうも俺の中ではモラルとは正反対。
破天荒に非常識に、狂気と正気のぎりぎりまで行って、演じることを追い求める人たちというイメージがある。
その相反する職業を、同時にこなそうということなのかどうか?
ヴァンフォーレ甲府スタジアムDJでラジオDJとしても売れっ子の、よく通る澄んだ声の、上方落語とは?
来週の火曜日ですね。コアなヴァンフォーレサポーターにもお薦めです。(鳥丼食えよ、タマゴ乗っけて。美味いから。)
http://blog.owlstyle.com/?eid=76
「高座百遍」(同じ落語を百回演じて初めて自分のものにできる)
なんてぇことを言う。
千本ノックって今回のイベントのタイトルにあるのはそういう意味なんでしょう。
高座なんて、ハコ(場所)とお客さんとそんときの陽気と、不確定要素が複雑にからみあう「場」で何かをやらかすには、データ化出来ない経験のみがものをいうと言う事なんでしょうなぁ。
百遍の意味は、多分そこらあたり。
ヒヨコ百遍。
平飼いで、自然になるように生理に合うように鶏を飼って育てるってーのは、ケージに比べると、不確定要素が圧倒的に多い。
そこが落語と同じてーわけで。
瞬間的に場を読んで判断する必要はあまりないが、ニワトリの声を聞き顔色を見て、ケモノの気配を感じ、風を読み・・・データにならない経験値で、ニワトリを飼っていくのが、平飼いという方法だと思う。
あたしなんざぁ、まだヒヨコを育てて百回にはなっていない。
ま、あと少しがんばって百遍もやれば・・・
きっともっとすごい文章が書け、すばらしいニワトリを育てることが出来る、はず。