ダンチュウなんて雑誌がある。
食べ物に関する娯楽誌。月刊で、もう20年ぐらい続いてるんじゃないかな?
今月はたまご特集って聞いてたから本屋さんで買ってみた。
ふぅん。なるほどねぇ。
さすがにプロの編集者、プロのライター、プロの写真家。
わかりやすいし、きれいだし、読みやすい。
「本当に旨い卵を探す」なんてベージがあって、あちこちのたまごが紹介されている。
料理人さんと食べ比べをしながら、養鶏やたまごのことが解説してある。
雑誌の主旨がそうだから、味を基準に、養鶏やにわとりのことが上手にまとめてある。
「旨い卵」が探せそう。
さて、では。
ちょっと、現場サイドから補足説明。
そのたまご。
意欲がある養鶏場はどこも個性を出そうと、いろいろ工夫するのだけれど、オリジナリティーを出せるのは実はエサのうちの数パーセント。
エサの60パーセント以上を占めるトウモロコシは、輸入に頼っている。
そしてその生産は(ほぼ)アメリカの生産者(農場経営者)にゆだねられていて、輸入ルートも元をたどると同じ流れになっている。
日本の養鶏は有史以来(大正時代に産業としての養鶏が形作られた)、輸入の穀物が前提になっている。
だから、エサでたまご(の味)の個性を出すのはとても難しいと言える。
近年始まった飼料米の試みも、まだ始まったばかり。
お米を家畜のエサににするなんてことは、今まで一度もやったことがないことだから大変。
収量を増やし、作物として実用域に入ってくるには、遺伝子組み替え技術を使わないと追いつかないんじゃないのか、とかとか、不確定要素がまだいっぱいある。
そもそも、「安さ」を求められる飼料作物を一体誰が作るのだろう?
にわとりの品種改良もまた同じように、国産の品種の元となる原種は、輸入の品種が前提だったりする。
農業を国際戦略的な産業ととらえた国と、そうでない国との違いだなと感じる。
だから。
広い意味でいえば・大雑把にいえば・乱暴にいえば、日本のたまごは、どこも同じなんじゃないかしらん、と思う。
現場からの結論。
たまごって、旨いたまごと旨くないたまごの2種類がある。
おいしいたまごを作ろうとしている農場は、方向性はいろいろあるにせよ、先のことを考えて何かしようとしているということだと思う。
ぜひとも「旨いたまご」を買っていただきたい。それが家畜の環境を変えていくことにつながっていくと思う。
で、最後にちょろっと。
年340個以上食べる日本人だけど、たまごなんてぜーんぜん食べられない地域もこの星にはまだまだいっぱいある。
旨いたまごを買うことで、結果、その格差が少しずつ減ってくんだよなって、これまた乱暴に、途中を省くとそういうことだと思う。
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今週末はこのイベント!
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私がおりますので声をかけてください。
ええ、そりゃもう、もちろん、ねじこんでもらいます。
http://www.cookcoop.com/2010/04/cookcoop_5.html
お待ちしております。