誰かが引っ越したと聞いたら、僕は新居に遊びに行きたくなる。
へ〜、結構広いじゃん。
壁が真っ白だね。
日当たり良いねぇ。
などと言いながら住人と一緒に部屋の中を見てまわるのが楽しい。
といってもお世辞や建て前ではなくって、ホントに楽しい。
だから、この部屋にも誰か遊びに来ないかなぁ・・・と思っている。
でも、考えたら引っ越したことを友達にちゃんとお知らせしていなかったことに気がついた。
よし、それならこちらから呼んでしまおう。
誰がいいだろう?
結構悩む・・・。
そして、みんなはそんなに暇ではないだろうということに気がつく。
そして、それより散々心配掛けた家族を少しでも安心させる為に、部屋を見に来てもらえばいいのではないかと気づく。
名案だ!
でもみんながいっぺんに来るとそれはそれで面倒くさいなぁなどと思う。
非常に自分勝手である。
少し考えて、二番目の姉を家族代表として招待することにした。
早速連絡して、その2日後にダンナさんとやって来た。
意外に暇だったのかなぁ?
心配しとるんや!
男の一人暮らしにしてはキレイにしてるやん。
結構落ち着くねぇ。
まあとりあえず飲もうか。
真昼間から姉弟でビールなんぞを飲む。
めでたくても、めでたくなくても三上家はいつも飲む。
因みにダンナさんは飲めない人。
ねえ、ご飯炊こうか?とお酒を飲めないダンナさんの為に姉が言う。
僕、お米食べない人だから炊飯器がないよ。
ふーん。
じゃあお茶ある?
僕、珈琲とお酒しか飲まない人だから、お茶っ葉がないよ。
え?
お茶もご飯もないの?
うん。ないよ。
あんたそれ日本人としてどんなん?
日本人としてどうなんだろう・・・?
そういえば、僕はお寿司が苦手。
以前それをスズコウさんに話したら、それ日本人としてどうなん?とやっぱり言われた。
そういえば、入院中に骨髄のタイプを調べたら、日本人には珍しいタイプで同胞間(兄弟間)はおろか骨髄バンクでも合致する人が少ないだろうと言われた。
これは僕のせいじゃない。
そういえば、古着屋で買ったオーバーオールを着て歩いていたら黒人と間違われたことがあった。
これはちょっと意味が違うか・・・。
と考えている間に、ダンナさんは御いなりさんとお茶を買ってきて食べている。とても日本人らしい。
姉はお茶とご飯のことが解決すると、さらに楽しそうにビールを飲んでいる。とても三上家の人らしい。
日本人としてどうなん?はさておき、僕も楽しいビールに加わろう。
それにしても、お寿司が苦手でお茶とお米が無くても平気な日本人を、あなたはどう思いますか?

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