近鉄特殊狭軌線探訪のあとは、近鉄四日市から名古屋へ戻る。出札窓口で名鉄への連絡乗車券が発売できるか聞いてみた。係員はASKAの端末を操作し、タッチパネル方式の画面で名鉄の口座を呼び出して発券してくれた。
ホームへ上がろうとしていたら、自動券売機の横に「昼間時の毎時43分発名古屋行き急行は5番線から発車・・」という趣旨の表示が目にとまった。5番線つまり名古屋線ではなく湯の山線ホームからの発車である。ひょっとして湯の山〜名古屋間に毎時1本直通急行が運転されていて湯の山線〜本線を転線してゆくのかと思った。これは連絡線マニアとしては乗っておいて損はないと思ったが、湯の山線直通運転など遠の昔に終了していた。しかし、四日市駅構内で、湯の山線ホームから本線ホームへ渡ってゆく線路は通常は使われていないと思われ、ぜひ乗ってみたくなった。次の5番線始発の名古屋行き急行の発車までは小1時間あるが、せっかく四日市まで来たのだから待つことにした。
帰宅後調べてみたら、昼間時1時間に1本だけ名古屋〜四日市間には折り返し運転の急行があり、本線ではなく湯の山線ホームを使って発着することが解った。いずれにせよ、珍しい存在であることは間違いない。そして、いつ何時本線使用に振り返られるか解らない。湯の山線との連絡線に乗れる又とない機会なのだ。
湯の山線ホームに上がると、5番線には3両編成の電車が止まっていた。ドアーは開いていない。同じホームの6番線には湯の山線が発着しているが、乗換客はホームの階段を降りて行く。しかし、11時半を過ぎると車掌が現われドアーを開けた。さっそく一番前の右側席に陣取る。やがて運転士もやってきた。きょうは指導運転士との2人乗務のようだ。
本線を名古屋行きアーバンライナーが通過する。4番線の副本線には準急が待避中だ。特急が通過したあとの10:43分、湯の山線ホーム5番線の出発信号機が青に変わった。本線準急を差し置いて先行するようだ。ポイントを3つ渡り、湯の山線から本線へ入っていた。こうして、湯の山線連絡線通過という貴重な体験が終わった。
電車は3両なので大混雑である。急行ながら蟹江で特急を待避し、やがて名古屋駅の地下ホームへ入っていった。ここの地下線は剛体架線だ。難波付近も同様だったと思うが、近鉄は剛体架線が好きなのだろうか。
さて、名古屋からはこの旅で初めて市営地下鉄に乗車する。東山線の名古屋から栄までは大混雑の車内だ。栄で名城線に乗り換える。ちょうど名古屋港行きがやってきた。金山までは名城線を走るが、金山から名港線へ入ってゆく。運転台後部のかぶりつき乗車で気が付いた。名城線はATC&車内信号方式なのだ。金山駅ホームの手前で左右の分岐があり、名港線へ入るため右側の線路に進路をとった。名港線にはもう30有余年前に乗ったことがあり、このときも名城線からの直通電車だったような気がするが自信がない。不確かなときには乗り直すに限る。と言うわけで、金山駅構内の渡り線を通過することにした。
金山から名古屋港まではずっと地下線だ。大阪のように地上には出ない。終点の名古屋港の周辺がどんなところか見に行った。因みに乗車券は「ドニチエコきっぷ」なので何度乗っても平気だ。地上に上がると、水族館や南極観測船ふじの係留などまさに臨海部だ。ということは、地下線は海面より低いに違いない。
名古屋港から名城線まで戻る。金山駅で乗り換えても良かったのだが、金山駅構内の名城線への渡り線を経験したくて一つ先の東別院まで乗ってみた。ここの合流は名港線の方が直線で、名城線の方が左側からカーブして寄り添ってくる。これで金山駅構内の名城線〜名港線分岐部を上下線とも完乗した。
東別院から新瑞橋まで乗車。新瑞橋でタクシーを捕まえて瑞穂球技場まで出向いた。タクシーを拾ったのは反対車線だったが、運転手はくるりと横道を利用して目的地へ向ってくれた。しかも、最初たどり着いたところは裏門だったので、そこでメーターを切り、正門へ廻ってくれた。なんとも勿体ないような運転手だった。
帰りは桜通線の瑞穂競技場西まで歩いた。ここから桜通線に乗車する。桜通線は昨年5月に野並〜徳重延長時に乗りに来ているが、東山線に比べて混雑していない。名古屋まで乗車し、いったんホテルへ戻った。
クラブツーリズムから帰ってきた家人と合流して、伍味酉(ごみとり)という飲み屋へ出かけた。前日に予約しておいたので、個室風の掘り炬燵式席へ案内された。ここも
2007年に続いて2度目の利用だ。昨日に続いて名古屋コーチン、それに豪勢な刺身を食べた。なかなかボリュームのある内容だった。
・四日市11:43(急行名古屋行き)→12:19近鉄名古屋 *2106他3連
・名古屋12:36(地下鉄東山線藤ケ丘行き)→栄 *N1404他8連
・栄12:44(名城線〜名港線)→名古屋港 *2127他6連
・名古屋港13:17(名港線大曽根行き)→東別院 *2636他6連
・東別院13:33(名城線左回り)→新瑞橋 *2507他6連
・新瑞橋(タクシー)→瑞穂球技場
・瑞穂球技場(徒歩)→瑞穂運動公園西
・瑞穂運動公園西17:01(桜通線)→17:22名古屋 *6108他5連

四日市始発の急行は、湯の山線ホーム5番線からの発車だ。

上:黄色地紋の乗車券、下:青色地紋の近鉄→名鉄連絡乗車券、但し非磁気券だ。

湯の山線電車の看板標識。

湯の山線ホーム5番線から名古屋本線への連絡線。右側が名古屋線副本線4番線。

湯の山連絡線は上り副本線〜本線と渡ってゆく。

近鉄名古屋まで戻ってきた。

名古屋地下鉄で名城線〜名港線と乗車。終点の名古屋港で地上に出ると南極観測船ふじが保存係留してあった。

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