「鉄道の日・四国旅5(伊予大洲と予讃線海線回り)」
鉄道・列車
<伊予大洲でおはなはんを訪ねる>
宇和島からの帰路はいくつか寄り道をする。特急「宇和海」12号は、9号からの折返しだ。ジャパンレールパスのご夫婦と思しき二人連れが到着と同時に折り返していったが、「乗り鉄」なのだろうか。先頭車の右側前から2列目に着席する。前面展望抜群である。伊予岩城で運転停車した際に、さきほどのジャパンレールパスの外国人の方が対向列車の撮影にデッキへ出て見えた。鉄道ファンが万国共通のようである。
takehopeさんは予讃線(海線)ローカル列車乗車のため八幡浜でお別れ。2日間お世話になった。私も後ほど海線に乗車するが、そのまま「宇和海」に乗車して伊予大洲で下車した。
伊予大洲での対向列車との交換はないが、列車は改札口から階段を渡らねばならない2番線ホームに入った。伊予大洲は「おはなはん」の故郷である。1966年からNHKの朝の連続テレビ小説「おはなはん」の舞台となった町である。平均視聴率45%という驚異的数字は今も語り草である。樫山文枝が木の上に登って、馬で帰ってくる夫(高橋幸治)を迎えるシーンが第1回だったような気がする。
駅前でタクシーを捕まえる。宇和島同様、「14時前まで戻ってこれるルートで市内を回って下さい」とお願いした。寡黙だった宇和島人と違って、内子出身だという運転手氏は愛想よくアクセルを踏んだ。最初は大洲城である。お城の真下まで車を付け、「ここで待ってますから、お城の中を一周してきてください」とのことで、大洲城に登ってみた。肘川を利用した山城で、壮大な眺めである。どこからか「カンカンカン・・・」と警報機の音が聞こえてきた。お城からは肘川に架かる予讃線の鉄橋が俯瞰できる。Takehopeさんが乗ったキハ32が単行運転でつうかしていった。手を振っておいたが、見えただろうか。
タクシーに戻ると方向転換が済んでおり、次の見学地へ進んだ。道路はどこもすれ違いが困難なほど狭い道路で、タクシーはやっとのことで走る。旧城下町の街並みがものの見事に残っているのだ。本来なら歩いて巡るのが常道だろう。お城から明治の家並、おおず赤煉瓦館、おはなはん通り、臥龍山荘、最後は肘川沿いの鵜飼船の脇を走る。街の様子はおおむね理解できた。駅へ戻る途中「どこか安くて美味い昼食がとれるところがありませんか」と尋ねたら、駅近くの本格的な生簀のある和食店の前で降ろしてくれた。夜は流行っているのだろうが、850円で天麩羅御膳が食べられた。いい店だった。
・宇和島11:53(宇和海12号1062D)→12:40伊予大洲 *2000系3連(2118に乗車)
・伊予大洲市内観光(タクシー)
<予讃線の海線へ乗車する>
伊予大洲駅から券売機で次の下車地伊予市までの乗車券を購入する。久しぶりにオレンジカードを使った。やってきた列車はキハ32の単行運転である。発車してしばらくすると分岐のポイントが現われる。伊予若宮信号場という。内子方面は直線で進入できるが、かつての本線、予讃線海線は左分岐となっている。かつては幹線だったが、内子線の開通で雑草が生えてローカル線然としている。五郎から内子方面に分かれていた廃線跡は現認できなかった。
伊予長浜でしばらく停車。ここには跳ね上げ橋などの観光名所がある。運転士から「この列車にはトイレがないので、済ませるように・・・・」との案内があった。目の前がトイレだったので、運転士に一言声をかけて出向いた。ついでに駅舎内を見学すると、出札窓口などは塞がれていた。無人駅!だったのだ。伊予長浜駅が、である。
伊予長浜を出てしばらくすると海が見えてきた。海岸段丘の崖上を縫うように走る。瀬戸内海がみごとな風景で俯瞰できる。青春18きっぷのポスターになった下灘駅は、ひなびたローカル駅を想像していたが、駅前広場には何と50名以上の人々が参集してイベント開催中であった。乗降がほとんどなかった車内には、イベント帰りの乗客が多数乗り込んで来た。
伊予上灘駅からは車椅子客2名と付き添いの方が乗ってきた。キハ32の後部ドアーにはステップがあるので、運転士が介助して2名を誘導した。ご当人は付き添いの方と一緒にロングシートに座り、たたんだ車椅子は運転士が後部運転台のスペースに収納した。
伊予市のひとつ前の向井原で、内子からの予讃線山線と合流した。高架線上のホームはホーム1面だけしかなく、ポイントは海線側から山線へ合流してゆく単純な片分岐である。伊予市に着いた。階段を渡って改札口を出る。無効印を押してもらってきっぷは手元に残した。ここで伊予鉄郡中線に乗り換える。30余年前にも乗り換えているが、至近距離だった覚えはあるものの、改めて観察すると、双方全くの駅前同士だ。
・伊予大洲14:11(4924D)→15:29伊予市 *キハ32-8に乗車
・伊予市駅(徒歩)・・・伊予鉄道・郡中港駅

宇和島から帰りの「宇和海」は標準的塗装の2000系だった。

発車して直ぐ、右手に先ほど訪れた宇和島運転区が見えた。

伊予大洲の手前で車窓から大洲城が見えた。これから見学してみようと思っている。

伊予大洲駅で下車後、大洲の街を観光した。いの一番がその大洲城だ。

お城から予讃線を眺める。肘川に架かる鉄橋が雄大な景色だ。キハ32が通過していった。

大洲からは予讃線海線回りで伊予市まで乗車・列車は一番改札から遠いホームに入った。

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