京成電鉄には嵩高荷物専用車=通称・行商専用車がある。これは千葉県から東京都内へ毎日行商に出かけるかつぎや(行商)のオバサンたちが大きな荷物を持って乗車する専用車両である。かつては専用列車として走っていたが、行商人の減少にともない、現在では編成の一部を専用車両に指定して運行を続けている。
芝山千代田発7:46分の736列車(普通上野行き/6連)の最後部1両が専用車として運行され一般客は乗車できない。隣の車両との貫通路には行商人組合の世話役の手により、「行商専用車」の天幕が張られる。側面の窓には「嵩高荷物専用車」のプレートが掲げられる。車内では沿線から乗車してきた行商のオバサンたちが物々交換して品物を取り交わし、それぞれのお得意さん宅へ届ける。それにしても嵩高荷物の重量は相当なものと思われる。かつては総武線、京成線とも毎日多くの行商人のオバサンを見かけたが、近年ではこの専用車でなければ目立たないまでに減ってしまった。京成では律儀にも専用車の運行を続けている。

貫通路に引かれた「行商専用車」の天幕

側面表示板です(3011編成)

車内はこんなあんばいです

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