鎌倉の材木座・由比ヶ浜から葉山町を抜け、横須賀市に入った三浦半島の一角に佐島がある。魚港を取り囲む防波堤のような地は、「はまゆう」の我が国の北限であるほか、様々な貴重な動植物が棲息し、神奈川県指定の天然記念物に指定されている。一帯は一切の動植物の採集が禁じられているせいなのだろうか。私は島をつなぐ水路に30p近くもあろうと思われる魚の群れがゆうゆうと泳いでいるのを近くから観た。江ノ島・鎌倉とさほど離れていないのに、透明度は抜群、それにも増して、人が近づいても恐れない魚に感動を覚えた。この地は、交通の利便があまり良くないため、人々の訪れもそれほど多くはない。海と自然が満喫できるこの一角は、湘南では私のお気に入りの場所のひとつである。

佐島公園から葉山を望む


「はまゆう」の群落
※補足(08/09/08)
本稿に記した「佐島」は、
横須賀市博物館が管理する「天神島臨海自然教育園」というのが正式な名称だそうだ。天神島と笠島は存在するが、いわゆる「佐島」という名の島はない。「佐島」はこの地の地名である。
近隣の佐島マリーナや佐島漁港、さらに漁港に水揚げされた新鮮な魚介類を販売するお店や美食を提供するレストランや寿司屋もある。公共交通機関はバスのみで利便性はよくない・・・しかし、あまり開発が進んでほしくない地域である。

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