私はかなり蕎麦好きである。どこそこでおいしい蕎麦が食べられると聞くとどうしても行ってみたくなる。
とはいっても、舌の肥えた達人の部類でもないので、たいして威張れるわけではない。
さらに、最近は、公私が多忙で出かけることも少ないので、情報もそんなに持ち合わせていない。
しかし、旅と同様に美味いものは美味いという感覚だけは記録に留めておこうと思っている。
近頃は、蕎麦がうまい店

が増えてきた。いわゆる趣味で蕎麦打ちをされてきたような方が店を開き、自ら打った蕎麦を提供するタイプである。伝統ある江戸の三大蕎麦なんかよりも、こちらのほうが格段に美味しい。
名産の蕎麦と言えば、山形、長野、出雲あたりがあげられるだろうが、当然ながら、蕎麦づくりの技の巧拙次第であり、産地だけで評価するのは理屈に合わない。
勝手な言い分を言わしてもらうと、食べる方立場からすれば、美味に加えて、蕎麦を打つ過程や雰囲気も大事なのである。
以前このブログで取り上げた東急田園都市線
中央林間駅近くの「智月庵」は、隠れた名店だと思っている。
タウン誌などによれば、東急田園都市線沿線の町は「ガーデンシティ」というのだそうだ。横文字を並べ立てれば高級感が増すと考えているのだろうか?町並みが庭のようだというのだとしたら、私に言わせれば言い過ぎだと思う。
しかし、智月庵周辺だけは、この表現がよく似合う。都会の喧噪を忘れた「つるまの森」の緑の入り口にある店は、まさに緑の庭の中にあるようなものだからだ。

店主は元プロゴルファー、手打ちにこだわり、各地の蕎麦処を訪ねて修行されたとのこと、丹誠を込めて打った蕎麦を庭の緑にひかれてやってくる野鳥を観ながら味わうひとときは、まさにゆったりと時が流れていくようだ。
お薦めのメニューは、天蕎麦と冬季なら鴨南蛮か鴨汁蕎麦だが、デザートには、ぜひ

蕎麦がきぜんざいをお薦めする。温かい蕎麦がきと良質の小豆のマッチングはまさに絶品である。

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