先月の話なんだけど、娘の
iPod nano(05/9/23)が壊れちゃって、私の
iPod nano(07/11/13)を譲った。私はと言うと、今は部屋でBGMの垂れ流し用に使っている
iPod30GB(07/2/1)に逆戻り。お気に入りのゲームはnonoでしかプレイできないから、必然的に通勤時間は音楽だけを聴く機会が増える。となると、音楽聴きながら本を読む機会も増える。というわけで、最近買ったのがこれ。
海音寺潮五郎の著。この人の小説って「天と地と」や「風と雲と虹と」が有名だけど、読んだ事は無い。歴史小説は大好きだけど、ずっと司馬遼太郎ばっかだったからなぁ。この人の本は何て言うのかな、歴史エッセイとでも言うのかな?そういったモノなら何冊か持ってるけど(「歴史余話」とか「乱世の英雄」とか)どれもみんな短編で、どこから(どの人から)読んでもOKという通勤時間に読むにはもってこいの本でね。これもその一つ。
全4冊で「古代編」「中世編」「近世編」「近代編」に分かれていて、日本史上それぞれの時代の「いわゆる悪人」と呼ばれた人物にスポットを当てている。けっこう綿密な考証に基づいて語られているみたいで、おもしろい。もちろん「小説」には違いないだろうから、書かれている事は話半分だろうけどね。
一通り読んだけど、やはり私が一番興味があるのは古代・中世編だな。中でも「古代編」の中の「弓削道鏡」の話は面白かった。孝謙天皇と言う女帝の性格分析なんかはさすが小説家だね。高校時代に読んだ「万葉の時代」という、同じ時代を扱った岩波新書。あの淡々とした歴史的事実の羅列の裏には、こういったこともあったんだろうなぁという感じ。ちなみに弓削道鏡って「女帝と肉体関係を持って皇位を簒奪しようとした」みたいなイメージがあるみたいなんだけど、ちょっとニュアンスは違うのよ。(↓久しぶりに引っ張りだしたら、当時230円だったんだなぁ)
タイトルこそ「悪人列伝」だけど、文字通り悪逆非道なことをした人ばかりを取り上げているわけじゃない。それに沿うなら「織田信長」なんざ横綱級だと思うんだが、取り上げていないし。まぁ歴史上に名を残した人は、多かれ少なかれとんでもないことをしでかしているし、キリがないだろうからねぇ。
ワタシ的には「藤原薬子」「北条政子」「日野富子」といった、女性の話が面白かったね。日野富子はともかく、北条政子を悪人(悪女)と呼ぶのはカワイソウだろうとは思うが。でも日本代表の彼女たちは、中国の武則天(則天武后)やロシアのエカチェリーナ(エカテリーナ)2世とかに比べたら、かな〜りスケールは小さいぞ(笑)男にせよ女にせよ、悪人世界選手権となればハンパでないのがごっそり・・・これは、どの世界でも同じ?
っていうか「おかげさまで良い事だ」と誇り得ることなんだろうね。