で、早速「おねがいマイメロディ」を見逃す。
仕方が無いので洗濯して遊んでいると、一張羅のシャツのボタンが取れてしまう。
昔の俺なら一個くらいボタンが取れたって全然へーき、むしろ中途半端な綻びは格好悪いからと、襟や袖口をびりびり破って数カ所の穴を開け、これで全体的なまとまりが出たな、と悦に入り実にアーティスティックだったものだが、今は俺も大人なのできちんと修理する。
百円ショップで買った裁縫道具を引張り出して、「はじめての『ぬう』『あむ』」とゆー小児用テキストを見ながらちまちまちまちまお裁縫。玉止めってどーやんだっけ?
二時間近くかかって完成するが、糸の色や方向が他のボタンと合って無いし、触るとなんかぐらぐらしていてまたすぐに取れてしまいそうで、やり直そうかとも思ったがすっかり疲れていて糸を外す気にはならない。もうやめた、完成だ、これでやり遂げた事にしよう、乾杯しよう、とビールを開けて自己欺瞞のうちに、そういえば彼は今頃何をしているんだろう、と、ジョン・ライドンの事を考えた。
別にライドンと俺は知り合いでも何でも無い。彼はセックス・ピストルズというバンドでデビューしたイギリスの歌手で、俺が物心ついた頃にはパブリック・イメージ・リミテッドという格好良い名前のバンドをやっていて、小学生の頃深夜の音楽番組で見たプロモーション・ビデオ、洗濯物がひらひらしてるスラム街のような場所で、背広を着て棒立ちに立ち、カメラを睨みつけて歌う映像を見て以来、俺のアイドルである。何年か前に件のセックス・ピストルズを再結成させて、世界中をツアーして廻ったりしていたが、それからとんと噂を聞かない。
こーゆーときのインターネットだな、と思って調査してみると、今ではジョン・ライドンはテレビ芸人として大活躍しているようで
http://www.geocities.jp/mikako0607jp/7th.html良かった良かった、相変わらず元気そうで何よりだった、と安心して、直したばかりのシャツを着て選挙にでも行こうと思ったら着けたボタンがまた取れました。