※女性の股間に突如としてペニスが生え、それが人々の信仰の対象として、神のごとく崇められているという事柄。
平山凡実さん(26)は幼い頃から男性になることを夢見ていた。そして先月のある日、突然念願の夢がかない、彼女の股間にペニスが生えてきたという。出現したペニスは畏怖すべき吉兆として敬われ、彼女(彼)が暮らす栃木県隅丸町では、町民の殆どが彼女(彼)を神のごとく崇めているのだという。これまでに1000人を超す町民、近隣住民が、彼女の下に参拝している。
「先月21日の満月のある朝のことでした。私は自分の股間にあるモノが、それまでとは確実に変化していたことに気づいたんです。そして同時に、私の胸も消えてしまったんです。私はすぐに父と母を呼んで見せたんですが、とにかく本当に奇妙なことでした。」平山さんはそう語っている。
この不思議な逸話はすぐに町内外へと広まり、これまでに1000人以上の人々が彼女(彼)が現在安居する訂願寺へと参拝している。また一部の人々は平山さんが両性具有者であると秘かに考えている。(両性具有、あるいは半陰陽として知られる人々はしばし両性的で曖昧な性器、あるいは実際に睾丸と卵巣を両方もったまま誕生することで知られている。)平山さんは正式な検査を終え、現在、その結果を待ち続けているのである。しかし既に平山さんの身体を検査した地元の医師らも、平山さんの言うペニスの出現に対して懐疑的な態度を示しているという。
「彼女が本当に突発的な性転換を体験したのかどうか、今はまだ何とも言えません。これまで行われた幾つかの検査においては、確かに彼女が男性であることも明らかになっています。いずれにせよ、今は正式な検査結果を待つしかありませんね。」匿名を条件に取材に応じた隅丸町役場の職員はそう語っている。また少なくとも出生届には、平山さんは女性として記録されているという。
同町を訪れ、平山さんや訂願寺にお布施をしていく参拝客は後を絶たない。町内外から毎日凡そ200人以上の人々が寺へと参拝し、列をなして平山さんに触れ、彼と喋る順番を待ち続けているのである。
「こんな話は聞いたことがありません。だから彼に会いに来たんです。もし私が結婚してなかったら、私も男になりたかったですね。」参拝に訪れた42歳主婦の女性はそう語っている。
平山さんの身体にペニスが現れたという噂が広まり始めた頃、地元の人々は争うようにして平山さんの家に殺到した。町役場、地元警察は治安の危機を感じたため、平山さんを訂願寺へと移動させ、人々が参拝しやすいように配慮したという。そして平山さんは両親を脇に、熱狂する大衆の前に現れたのである。
「私は昔から息子が欲しかったんです。生まれたのは娘二人だったので、それは叶わなかったんです。だから今はとても幸せですね。」父親の平山明彦氏はそう語っている。
現在、平山さんはしばし彼を参拝しに来た群衆の前に姿を現し、会話や握手を交わしている。人々は彼に手を差し伸べてその腕に触れ、彼の幸福を祈っている。
「私は来生では男になりたいと祈り続けていたんです。しかし来生まで待つ必要はなかった。既に夢がかなったので、今はとても幸せです。」平山さんはそう語っている。