球体日記

2006/3/25 | 投稿者: losthouse

暇さえあればSF本を読み漁っている。
読み漁っていれば当然手持ちのSF本が無くなるわけで、そんな時には古本屋へ行って大量に購入してくる。
SF文庫本の中古価格の相場なんて有って無いようなものだから、結構珍しい絶版ものがブックオフで100円で売ってたりもする。
そういうものを見つけた時はやはり嬉しい。

長年読みたい読みたいと思っていて、古本屋に行く度に目を皿のようにして棚を見つめて探し続けていたトーマス・ディッシュの「プリズナー」を、中野の古本屋で遂に発見し、200円で買った。
それほど数が出ていないわけでも無いだろうから、別に稀覯本とかそういう類のものでは無いのだけれど、何故か今までめぐりあわなかったんである。
こういうものを見つけた時はやはり嬉しい。
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で、僕が何故「プリズナー」をそんなに読みたかったのかというと、この本は「プリズナーNO.6」というイギリスのテレビ・ドラマの小説版なのであって、あの不安で暗くて寒々しい絶望的な物語を、やっぱり絶望SFの天才ディッシュがノヴェライズしたんだから、面白くない訳が無い、と思ったのである。

どれどれ絶望してやろう、と思って早速読み始めたら、前半こそドラマの物語をなぞって進行していくのだけれど、後半は完全にディッシュのオリジナル。
シェイクスピアだのギリシャ神話だのペダンチックな引用が繰返されて、ドラマ版以上に観念的な物語が語られ続け、ラストに至ってはまるで違う。
ドラマの最終回はまさに悪夢のような、他人と自分が入れ替わってしまうドグラマグラの地獄絵巻だったけど、ディッシュ版はいちおうオチをつけて収めようとしている。
でもそのオチが随分地味というか、とってつけたような結末なので、読者としては最後になっていきなり物語世界から放り出されたような、ドラマ版とはまた違った種類の絶望に襲われて、うむ、絶望と一口に言っても色々あるもんだな、と、そんなことを考えて大変ためになった。でも肩が凝った。疲れた。




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