緑月日記

2008/9/9 | 投稿者: losthouse

作曲家であり、鍵盤奏者であり、SF読みでもあるHくんとたまに顔をあわせて、SFの話をすると必ず言われていたのが、「新しい太陽の書を読まずに汝エスエフを語ることなかれ」という一言であり、Hくんによるとジーン・ウルフの「新しい太陽の書」4部作こそは、SF好きが読まずにおいてはならない偉大なる名作なのだということだった。

そんなことを思い出したのは、新刊書店でハヤカワSF文庫の陳列棚を眺めていて、青背のなかで一際目立つ黒い背中。かと言ってミステリ文庫でも無い、なんだこれはと手に取って、「新しい太陽の書」新装版を見つけたからなのだった。

全4部作に加えて、初訳である続編「新しい太陽のウールス」も同じ体裁で刊行されていて、読み始めるタイミングを失って「新しい太陽の書」を未読のままでいた僕のような人間にとっては、これ以上に無いお膳立てである。
ここはもうHくんのアドバイスに準じて読むしかないだろう。全5冊をまとめ買い。そしてまとめ読み。

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「拷問者の影」

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「調停者の鉤爪」

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「警士の剣」

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「独裁者の城塞」

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「新しい太陽のウールス」



息をつく暇もなく、一気に読み終える。寝食を忘れて読み耽る。噂に違わぬ面白さだった。

SFといっても、所謂イメージ通りのSFでは無い。幻想と宗教と科学と、様々なモチーフが渾然一体となって、今まで見た事の無い一個の世界が現出する。
読みながら僕は宮澤賢治とガルシア・マルケスとドストエフスキーのことを思い出していたのだけれど、勿論そのいずれにも似ていないし、言い方を変えれば、そのいずれにも似ているし、その他あまねく全ての小説に似ているのだ、とも言える。

しかし困ったことに「新しい太陽の書」は、全編を読み終えるとまたもう一度初めから読み返したくなるという仕組みになっていて、延々ぐるぐる読み続けていて他の本を読む時間が取れない、というのは本当に困っている。




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