今年は初盆参りがなかったので、久しぶりに夏山を堪能してきました。一人でも危険なく歩けて、人もあまり入らないところを探したところ、南ア深南部の「明神谷」が目に留まりました。とあるガイド本には、「無数の淵、トロ、小滝が連続し、惚れ惚れするような渓谷美である。」と書かれてあり、とても楽しみにしていました。
13日の始発で静岡へ出て、レンタカーで明神橋へ向かいました。準備を整えてスタートしたのが14時過ぎ。左岸の林道を歩き取水堰堤から入渓。ゆったりとした流れからは、癒し感が満ち溢れていました。オウダ沢出合まで行きたかったのですが、2時間ほど歩いたところにテンバ適地があったのでビバークしました。
14日、夜半の雨も上がり上々の天気でした。稜線直下までの予定だったので、ペースをあげて遡行を開始。すぐにオウダ沢手前のゴルジュにかかりました。水量が少ないせいか威圧感が今一つでした。左岸にフィックスが張ってあり問題なく高巻きができました。この先はゴルジュとなりますが、泳ぐことも大きく高巻くこともなく、快適に遡行できました。「西魚岳沢」、「東魚岳沢」と快調に分けていくと「アザミ沢」との二股へ。「アザミ沢」へ入っているパーティーが多いようですが、ここは大無間山に近い「魚無沢」を取りました。ここからは荒れたゴーロとなり、倒木や岩をうんざりしながら越えていきました。最後の滝を越えたあたりで水が無くなりそうだったので、ビバークすることにしました。
15日、この夜も雨に降られましたが、朝方には晴れてくれました。稜線まで抜けた後、ザックをデポして「大無間山」へ向かいましたが、思った以上に遠くアップダウンもきつそうだったので「三方嶺」で折り返すことにしました。「大根沢山」まで不明瞭な道を辿り、そこから北東へ延びる尾根(ネイトウの尾根?)を慎重に下りました。明神林道に出たあたりで信じられないような大ポカをやらかしてしまいましたが、強引に明神谷へ下降し事なきを得ました。
明神谷は沢登りというよりも川歩きといった方が適切かもしれません。これといった悪場もなく、ルート取りも容易なので、一人でのんびりと辿るにはもってこいの沢でした。
取水堰堤は左から越えます。
下流部のゆったりとした流れ。
オウダ沢手前のゴルジュは右から大高巻き。
美しい二段10mの斜瀑。
魚無沢の最後の滝。
2泊目のテンバ。
三方嶺頂上にて。
大根沢山の山頂標識。
田代沢の頭。ここまでも、そしてここからも長かった・・。
強引に降り立った明神谷。

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