今日は晴天だったが、時期的に疲労が蓄積し、疲れていたので外出は控えた。

さて、外出を控えたといっても、
12月1日の記事で書いた、クラッシュしたPCカード型ハードディスク(写真1)だが、もうデータの保存が出来ないことを確認した上で本日分解してみた(写真2)。

分解するに当たり、星型ネジをはずすための専用のドライバも入手してあり、幸い、それが近くのホームセンターにあったのは非常に都合が良かった。
さて、今回の記事を読むに当たり、ハードディスクの内部がどうなっているかをざっと確認しておいてほしい(写真3)。

基本的にハードディスクは写真で述べたとおり、プラッタという円盤をヘッドがトレースするという構造であり、しかしながらヘッドとプラッタは直接接触させると傷になってしまうため、数十ナノメートルというわずかな隙間が作ってある。
しかしながら、サブミクロンオーダーでの隙間のため、振動や衝撃などでヘッドとプラッタが衝突することがあり、そのような場合、プラッタ上に傷が発生することがあるため、電源が入っている状態ではハードディスクの取り扱いは十分注意したい。
注意!ハードディスクはそれらの精密な状況下で稼動する関係上、信頼性を維持するために通常クリーンルーム内で組み立てられるため、正常に稼動するハードディスクは分解は避けられた方が望ましい。
クラッシュの原因を探るため、このハードディスクをPDAに接続してみた(写真4)

もう既にこのハードディスクはクラッシュしている関係上、アクセスがあってヘッドがプラッタ上をランディングし、ヘッドクラッシュしてもかまわないので、動作状態を見るためにも、PDAのコンパクトフラッシュスロットにCF→PCカード変換アダプタを利用して接続し、PDAの電源を入れてみた。
PDAはWindowsCEが稼動するPDAで、メモリカードなどの類はドライバなしで認識するため、今回のハードディスクもドライバなしでアクセスすることが出来る。
結果は、ヘッドがランプロードゾーンをカチカチカチ…とかすかに動くだけで、精密ドライバーなどでヘッドのジンバル部分を押してプラッタ上にランディングさせると一応プラッタ上をランディングするが、一旦PDAの電源を切るとヘッドがランプロードに退避するが、再度入れなおすとヘッドがランプロードゾーンをカチカチカチ…とかすかに動き、なかなかプラッタ上にランディングしてくれない。
クラッシュの原因がヘッドを制御する、ボイスコイルモーターのサーボ系統の故障というのが分かった。
かつて、書店で立ち読みしたパソコン雑誌の記事で、とある女性の声優のインタビューが載っていたのを思い出したが、その声優さんが使われていたパワーマックで、明らかにハードディスクのサーボ系統の故障と受け止められる記事を見たことがある。
確かにプラッタ上に傷があるようなクラッシュならば、明らかに引っかき音のような異音が発生するが、そういった引っかき音がしない場合の故障は原因究明が難しいかもしれない。
まずはハードディスクそのものがクリーンルーム内で組み立てられるため、プラッタ上に傷が発生するほどのクラッシュならば、過度の振動や衝撃が加わったことが原因と考えられるが、プラッタ上に傷が発生していない場合のクラッシュの場合、今回のようにサーボ系統の故障のクラッシュが一番厄介かもしれないと思われる。
サーボ系統のクラッシュ…今回のように、ボイスコイルモーターの制御系統の故障の他、プラッタを回すスピンドルモーターの故障も厄介な問題で、スピンドルモーターのベアリングの磨耗などでセンターブレや回転が安定しないロッキング現象、やはり機械動作を伴うため、そういった機械部分での故障は一番厄介な問題ともいえよう。
さて、私自身過去にとある書籍にて、旧
IBMのハードディスク部門こと、現在の
日立グローバルストレージテクノロジーズのホームページにて、ハードディスクに異常が生じたときに発生する音を集めたページのリンクをブックマークしておいたので、興味があればアクセスして、どんな音がするかを確認されておいた方が良いと思う。
[Hitachi Grobal Strage Technologies - Hard Disk Drive Knowledge Base - Noises that indicate a defective drive.(PC専用:英語)]
http://www.hitachigst.com/hddt/knowtree.nsf/
cffe836ed7c12018862565b000530c74/
4b1a62a50f405d0d86256756006e340c?OpenDocument
上記のページにパソコンでアクセスし、「head_damege_1.wav」等、「〜.wav」とかかれたところをクリックすると、実際異常が発生したハードディスクの異音を聞くことが出来るが、私自身もそういった音を何回か聞いたことがあるので、お世辞にも、こんな音が自分のパソコンから聞こえた日には、本当に背筋が凍るような思いをするのも事実である。
また、上記のホームページにて、サーボ系統のクラッシュと判断できるような音として、「head_damege_3.wav」、「slow_spindle_motor.wav」あたりは参考になるかもしれない(特に「head_damege_3.wav」はプラッタのスピンドル部分にヘッドがぶつかっているというのが音で分かる)が、実際「head_damage_1.wav」なんかは、今回の記事で紹介した、クラッシュしたハードディスクで発生した音と雰囲気的に似ている。