やっぱ短編集のタイトルがまんまなので(活字にしたら「なんかさっぱりだなぁ(汗)」)、追加というか『ライノ―雨宮智子作品集』みたいにして貰うようわがままを言ってしまった…
で、これまですべて歌絡みのタイトルだったので、今回もその慣習に習って付けようかと思った。
が、いざ考え始めたら曲はいっぱい浮かぶんだけど、邦題がないものばかりでさて困った。
映画もそうだけど最近洋画もみんな原題の日本語読みで、何のジャンルの映画かも分かりにくいんだよね。
例えば●REC(すいません、趣味丸出しで)、スペイン映画なのでこのタイトルでなければ別の副題を付けてもらわないと、大抵の日本人は判らないところだっただろう。
だが『●REC』は秀逸なタイトルだ。ま、さすがにジャンルは判らないにしても、ほぼ世界標準な言葉というより記号だったから「ああ、何か録音や録画に関係する映画なんだな」と分かる。
しかーし、それをハリウッドに持ってきたら親切なアメリカ人はサブタイトルを付けた。
自分で言うのも恥ずかしいが拙書のタイトルと同じ『QUARANTIN』だ。
そもそもクウォランティーン(映画はクアランティン)とは現在では「検疫」や「検疫所」を指すが、私は語源の意味からネタ起こしをしたので、そのまま語感の響き(ex.クォーター、カルテット等の4関連)などが良かったのもあり、掲載時に註釈を付けて使ったのだ。
で、件の米版『●REC QUARANTINE』の邦題は前述の通りで、アメリカ人には註釈的なタイトルで、より内容が分かりやすくなっているが日本人には逆に「はい?」状態になってしまった。
…みたいな事が多い昨今。但し、今はダサい邦題を付けるなら原題の方が良いという人が増えたのか、業界の営業が手を抜いているのかは判らないが、「まま」のが圧倒的に多い。謎だ…
さて私事だが、私は洋ものの邦題は結構好きだったりする。
勘違い系もあるが、いいえて妙な感じが良かったりする。
またまた恥ずかしながら『見つめていたい』、で、あるがこれは曲調からロマンチックな意味を想像しやすくいいタイトルだし、原題を知らなくても大ヒットしたのは周知の事実。
が、歌詞的に見るととんでもなく破廉恥な邦題になっている。ストーカーの歌だからねぇ(^^;、有川さん。
ま、私はとりあえず直感で頂いたわけだけど…
ストーカーとも、純愛とも取れる、ということで。
や、話が逸れたが例えばDog Day Afternoon。ドッグデイは俗語で「うだるような(暑い)日」の事。
その映画の邦題は『狼たちの午後』。いいですねぇ、字面もカッコいい、犬より強そうになっているが、ドッコイ実は負け犬の午後なのだ。
しかし、映画的には一端のギャング気取りなベトナム帰りお人好しコンビの、ダメダメな一日をうまく皮肉っている。
あるいは『朝日のあたる家』。♪だ〜れのせいでもありゃしない〜、じゃない方の曲(知らねぇって、オバサン…)。あれも本来は「あたる」ではなく「のぼる」家で(この曲の由来は深いのでググってみることをお薦めします)、永遠に陽は昇り続ける、曰く私(俺)と同じように奈落のような生活を繰り返してはいけない、分かっているが結局この朝日の昇る家に(元々は娼館の屋号)帰ってきてしまうという哀愁の歌だ。
また、英語で「朝日が昇る(あたる)家」とは貧民の住む家を指す俗語だそうで、日本でいえば「西日のあたる家」ってな感じってことだ。
それじゃ、ちょっとコミックソングじゃないんだから…と、なったかどうか知らないが『朝日のあたる家』と、なったんだろう。
これもうまいタイトルだよねぇ。
アニマルズのアレンジで「朝日のあたる家に帰ってやり直したい…」って、日本人が好きそうなシチュエーションとマイナー進行の曲調の絶妙なバランス。
西日が当たっちゃバタ臭いじゃなく生臭い(笑)
…と、いうわけで、長々講釈しましたが、刊行予定の短編集はある洋楽の邦題にしようと思ってます。
でも「ああ、これか!」ってタイトルじゃなく、ある種普遍的なタイトルでもあるので、あんまり期待しないで下さい。
バイクで走ってて「あ、これかな…」と、思い付いた曲なので(^-^;
ではでは、本日もお後は宜しくないですが、この辺りでm(__)m

1