
ソライロアサガオ
秋風が吹き始めると、我が家の朝顔がやっと咲き始める。もっとも、夏にならない内に勝手に咲くこぼれ種のソライロアサガオという朝顔をもあるが、丹念にその成長を記録しているのは「日の丸」である。実にヤキモキさせる朝顔なのだ。

後光
朝顔は比較的簡単に土の上にまいて軽く土をかぶせるだけと言う植えつけと水遣りを切らさなければ発芽して蔓を伸びさせ花をつけさせることができるために、子供の観察日記の題材としてうってつけなのだろう、孫が4粒教材としてもらってきた。それが「後光」である。ところで朝顔は品種を色々間近に植えると交配してとんでもない花を作る。その中に虫などの媒介で偶然出現した朝顔が「日の丸」で、ここ10年は同じ花を咲かせている朝顔で有る。

村崎
乱交配を防ぐために、つまり純粋にこの花の形を保っているために開花する早朝、ビニールのフクロで蕾を包み、飛んでくる花粉、蜂が運んでくる花粉を遮断する。開花した後、熊筆で雌しべ雄しべを渦を巻くようにさすってやり、封印する。これを3ケ所つくり袋に日付を書き込む。種を採取したときも別々の容器に収納して容器に記入する。このそれぞれの種の群の中からそれぞれ一番大きな種を取り出して夏前3ケ所に植える。これが、この10年の変わらぬ作業で「日の丸」は今年も変わりなく同じように開花した。

日の丸
とは言え、単純な遺伝子の受け継ぎの為なのだろうか、咲く周期が毎年遅くなりつつある。それに襞が薄くなってきて開花しても張りがあるのは20分ぐらいで陽が当たり始めると急速に生気を失う。やっと襞を広げる事ができた、と思う間もなくだ。もう、このまま咲かせ続けるのも限度かもしれないと言う気もする。
江戸では3本の柱を立てて弦を巻きつけていく咲き方をさせるが、名古屋に居た時の実父が育てていたのは1鉢1輪咲きで柱は立てなかった。伸びる弦の先を悉く摘み取り、短い茎を太くさせて花芽を1つだけ守り1輪だけ咲かせると言うやり方で、小鉢を50鉢ぐらい石板塀の上に並べて四六時中この鉢を管理していた。一度記憶を頼りに実行してみたが、とてもズボラな性格の持ち主には不向きで、朝顔の弦を暴れさせてしまい、手がつけられなくなってしまった。

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