人間いつ何時、何においても 「オーラ」 というものが大事。
それは例えば営業マンが商談をする際にも、相手を圧倒するかのごとくオーラを放っている人というのは、何を格別な話しをするワケでもないのにいつの間にかそのペースに巻き込まれ、とんとん拍子に商談もまとまったりするワケで、またそういうオーラを持つミュージシャンの場合もこれまたステージに上がっただけで衆目を一身に集めることができたりして、概してそういう人たちと話すと、別に普通にしてるだけっすよ、とすべからく鼻で笑うような返事が返ってきたりしてその態度にムッとすることもこれ少なくないのでありますが、では同じように普通にしている自分にそのようなオーラはあるのか、と考えてみるにつけ、商談はとんとん拍子に進んだ事はないし、ステージに上がってもスタッフと間違えられたり、ライヴを観に行った店では帰る間際になるまで知り合いに気づいてもらえなかったり、という体たらく。
やはりステージに上がる者としてこれではまったくダメなんであって、まったくあかんのであって、オーラが欲しいなあ、2km先から歩いて来てもその存在を感知されるほどのオーラを持てたらなあ、と考えること2時間。
ここはやはりこれまでの自分のイメージを変えるしかないのでは、と思い当たったのであります。
イメチェン、そういわゆるイメージチェンジ。
服装、髪型、化粧などでもって他人に与える印象を大きく変えてしまうことを言うのであり、よく他に何も芸を持たないアイドル歌手がイメチェンをして大衆の注目をつなぎ止めておくなどの対策に使われたりするイメチェン。
これをおこなえば自分であっても人々の注目を一身に集め、今までの自分から脱皮をし、オーラをまとった人になれるに違いない。
商談だって話す前から判をついてもらえたり、ステージに上がる前からコールが起きたり、ライヴを観に行った時にだって店の扉を開けて入る前、、否、最寄りの駅を降りた時点であっ、角谷が来た! と気づいてもらえる日だって来るのであります。
そう思ったが吉日。 早速に自分のイメージを変えようとしたのでありますが、ここで一考。
イメージを変えようとするには先ず、今の自分のイメージを知ることから始めねばならぬのであって、イメージというのは他人が自分に持つ印象のことであることから、自分で自分のイメージを他人に語れるほどの自己愛に満ち満ちていない自分は、自分のイメージってどんなやろ、、、。
そこで早速に知り人に電話をかけ、なあ僕のイメージってどんなかなあ、と聞いてみたところ返ってきた答えは 「いま忙しい」 の一言であって、これではラチがあかんのでまた別の知り人に電話をし、なあ僕のことってどう思う? と問うたところ、しばしの沈黙が続いたのちややあって 「愛してる」 と答えたかと思うと突然ゲラゲラと大爆笑する声がしてそのままブチっと電話が切れてしまうというなんら実りなく徒労に終ったこの数時間。
結局イメチェンへの道は第一歩目で早くも頓挫、挫折。
オーラというのは大変に面倒くさいものだと知った43歳の梅雨空。
合掌。

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