昨日は「何とか生き残りへ」と書いたクライスラーだが、債務圧縮の交渉は決裂し、潰れるしかない方向へ行くようだ。そうだよね。
記事は次のとおり。
<クライスラー>破綻濃厚 債務交渉が決裂 米報道
4月30日13時22分配信【毎日新聞】
【ワシントン斉藤信宏】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は29日深夜、政府関係者の話として、米財務省と米自動車大手クライスラーの債権者団との間で続いていた債務削減に向けた交渉が決裂した、と報じた。報道によると、クライスラーは、30日にも日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請する見通しという。米政府はクライスラーの再建を支える方針。米自動車業界の経営不振は大手3社(ビッグ3)の一角が経営破綻(はたん)する事態に発展する可能性が高くなった。
クライスラーは2月、米政府に50億ドルの追加支援を要請していたが、米政府は30日までに債権者団や労働組合との交渉を決着させ、イタリア自動車大手、フィアットとの提携をまとめることを求めていた。
クライスラーは、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターに次ぐ「ビッグ3」の一角で、米ミシガン州アーバンヒルズに本社を置く。1925年設立。98年に独ダイムラー・ベンツと合併したが、経営不振のため07年に合併を解消し、米投資ファンド「サーベラス・キャピタル」の傘下に移った。「クライスラー」「ジープ」などのブランドを展開している。07年の世界販売台数は268万台。
(記事ここまで)
連邦破産法第11条の適用を申請するということは、再建型の破産処理をするということだ。これに対して連邦破産法第7条に基づく破産処理は清算型破産処理と呼ばれ、会社が基本的には跡形もなくなる処理方法を示す。再建は米政府が支えるということなので、結局米政府が財政出動をすることにはかわりないのだろう。
しかし、リーマンブラザーズの時も連邦破産法第11条の適用だったような気がする。でも、それなりに残った部分もあるが、基本的には跡形もなく消え去ったのではないか。それから考えると、連邦破産法第11条の適用だからといって、「やったー生き残れるぞー」とはいかないと予想する。どのように処理するかは、太平洋のこちら側から見ていよう。
さて、次はGM。どうなることでしょう。以上、クライスラーの章おわり。