BBCの「読者からの声」のWEBページを見ると、メキシコの医療従事者という人の書き込みがある。誰かがパニックを狙って書き込んだのでなければ、メキシコの状況は伝えられているよりかなり深刻だ。
そのページは→
「こちら」(英語)。
複数の医療従事者や姉妹(英語のsister)がインフルエンザにかかったという人が、状況を書き込んでいる。若手の医師が6日間で2人死んだとか、軍が町でマスクを配っているとか、イベントは軒並み中止、フットボールの試合も無観客試合、学校も5月8日まですべて休校など、事実だとすればかなり大変な状況になっている。
それに加えて、公式発表は2人だけど実際には20人死んでいるなどの、情報が隠されているとする書き込みも多い。パニックになることは望まないが、情報を隠すことで助かる命が助からなくなっているのではないかという冷静な書き込みもある。
事実なのかどうかはわからないが、メキシコでの流行に比べて、世界への広がり方が急激すぎることから考えて、メキシコでは報道されているよりもかなりひどいパンデミックになっている可能性は、少なくないのではないかと思う。冷静に、でも不用の人混みへの外出は控えて、食料と水も備蓄しておきましょう。
<28日追加>
共同通信からも、記事として正式に配信された。
「未報告の死者がいる」 メキシコ医師ら“告発”
2009年4月28日【共同通信社】
【ロンドン27日共同】「報告されていない若者の死者がいる」「状況はコントロールされていると言うにはほど遠い」-。英BBC放送は27日までに、豚インフルエンザ感染の震源地メキシコの医師らが生々しい被害実態を“告発”した投稿をウェブサイトやラジオ番組で公開した。
メキシコ市の呼吸器系疾患専門医アントニオ・チャベス氏は「1日に3人から4人が死亡する事態が2週間以上前から続いている」として、感染者の死亡率は「メキシコ当局の報告より高いのが真実だ」と指摘。20歳から30歳までの若い世代が「望みを失った医師らの目の前で」次々と亡くなっていくことに、深い悲しみに襲われると吐露した。
さらにメキシコ市の医師グアダルーペさんによると、必要な検査が実施されなかったため豚インフルエンザとは報告されていない若者の死亡ケースが数例あるという。
南部オアハカのアルバロ・リカルデス氏は「病院で働く友人らは、状況はとても悪く、医師と看護師を含め19人が死亡したと話していた」と説明。また「彼らは本当の状況については口外しないよう言われている」として、当局による情報隠しの可能性も示唆した。
(記事ここまで)
今回の豚インフルエンザに関しては、メキシコでの死亡数や死亡率と他国の差が「謎」の一つとされているが、メキシコと他国の「情報格差」の影響が多いのではないかと、個人的には感じている。メキシコの状況が早急に正しく把握されることが、今後の見通しに大きくかかわってくるだろう。