
メキシコで流行が始まったと見られる豚インフルエンザ。メキシコの死者は100人を超えた。米国での流行は同じウイルス。英国、フランス、ニュージーランド、スペイン、カナダでも感染または感染の強い疑いとなっている。(図は26日午後11時時点のまとめ)
記事は次のとおり。
メキシコ国境に旅行客往来、豚インフル封じ込め徹底せず
4月27日6時7分配信【読売新聞】
メキシコ、米国で広がる豚インフルエンザをめぐっては、世界保健機関(WHO)が25日、「緊急事態」と認定する一方、警戒レベルの引き上げを見送り、「脅威」の評価に揺れが見られる。
発生地メキシコでも航空機が通常通り発着するなど、「封じ込め」は必ずしも徹底していない。その分、日本としては水際でのウイルス上陸阻止が重要だ。
メキシコで25日発令された「非常事態宣言」は、移動の自由など国民の権利を一部制限してでも、ウイルス「封じ込め」にかける政府の決意を示した。「深刻な事態だが、ともに乗り越えよう」と訴えたカルデロン大統領の言葉には悲壮感が漂っていた。
しかし、26日も、米国やグアテマラとの国境では通行制限などの措置は取られていない。メキシコ市国際空港では、乗客に質問票が配られ、発熱や頭痛などインフルエンザ特有の症状がある人に旅行を取りやめるよう当局が求めているが、強制的に旅行を中止させたといった報告は1件もなく、ウイルス拡散防止では甘さが目立つ。陸や空からの人の出入りを容認していることについて、コルドバ保健相は、「WHOから国境閉鎖の勧告はない」と述べ、今後の対応もWHOの見解次第という立場だ。
メキシコ市当局は24日から、レストランやバーを巡回し、10日間の営業自粛を呼びかけている。だが、エブラルド市長によると、まだ3割は通常通り営業を続けている。
メキシコ市内のカトリック教会は25日、当面ミサを開かないことを決めたが、教会への信者の出入りまで禁じる予定はない。
一方、メキシコからのウイルス流入を受けた側の米国。米疾病対策センター(CDC)幹部は25日の記者会見で、「広い地域で豚インフルエンザ感染が広がっており、封じ込めることはできない」と、封じ込めは手遅れとの本音を語った。(リオデジャネイロ 小寺以作、科学部 高田真之、社会部 小林直貴)
(記事ここまで)
CDC(米疾病対策センター)では、メキシコ内での封じ込めはもうできる時期は過ぎたと発表。つまり、ここまで判明した以外の国でも、メキシコ帰りの人は特に要注意、それ以外の二次感染で発症する人がどこにいてもおかしくないと思っていた方がいい。
今回のインフルエンザウイルスが、簡単に人から人にうつるようなウイルスになっていた場合、満員電車の中にそのような人が一人いれば、あっという間に数十人以上に感染が広がる。メキシコには少なくともその危機感はないようだ。米国も足りないような気がする。
日本はどうだろう。すでに日本国内に感染者が入っているかもしれないが、相変わらず満員電車で通勤通学し、教室に何十人もの人が集まり、イベント会場には千人万人単位の人が集まっている。その中に感染者がいれば、感染爆発は避けられない。
ただ、このような書き方をすることにも抵抗はある。電車の中で咳をしている人や熱がありそうな顔をしている人を見たら「豚インフルエンザじゃないのか?」と警戒の目で見る人を増やすことになるからだ。警戒が行き過ぎると、電車で誰かが咳をしただけでも「咳してるのに電車に乗るな、人殺し!」と思う人が増えてきて、あっという間に集団パニックになる。
警戒することは重要だ。警戒が足りない人に、警戒を促すことも重要だ。でも、悪意のない人に対して警戒心を振り回すと、それは凶器になる。みんなで凶器を振り回せば、それはそれは殺伐とした国になる。そうならないために、みんなの警戒心レベルを、ある程度そろえておく必要があるのではないかと思う。
幸い日本には花粉症の人が多いため、マスクをしていても変な人とは思われない。人混みに出るときにはマスクをしよう。咳が出るなどのインフルエンザに似た症状がある人は、インフルエンザではないとわかっていても、不安にさせないためできるだけ人前に出るのを避けよう。どうしてもどこかへ行かなければならないときは、可能なら車などの他人と接触しなくてすむ乗り物で行こう。
感染が広がり始めたことが確実になったら、これらをさらに徹底させて、どうしても必要な集会以外は延期したり中止したりする必要が出てくる。学校も当分休校。病院も非常時の体制になるかもしれない。経済活動にも影響が出るだろうし、日々の生活に必要なものが手に入りにくくなるかもしれない。
そのような事態に、今から備えておいた方がいいだろう。外出や集会が禁止とならなくても、備蓄食糧などは後から食べられるので、無駄にはならない。私はカロリーメイト10食分ぐらいは現在備蓄している。マスクも常備している。日本国内のヒト―ヒト感染の疑いが強くなったら、電車通勤から車での通勤に切り替えようと思っている。皆さんもそれなりの心構えをどうぞ。