がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

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投稿者:hirakata
tokeiさま、こんにちは。いらっしゃいませ。

なるほど。そう見えるとすれば、実はますますややこしいことになってしまうのです。専門的な話になりますが、腎機能障害が高度な人にシスプラチン(シス)を投与することはやってはいけませんが、投与した翌日に命が終わるような薬ではないのです。それと、シスを投与したのは担当医(院長ではない)ということになっていたので、院長の指示で投与させたとしても、担当医を巻き込む必要性がよくわからないし、担当医は自責の念にかられていてかわいそうだったし(自分の身勝手なストーリーに巻き込んでおきながら、担当医の苦悩をほったらかしにする院長だったら、私はその病院では働きたくないですね)、医療を仕事としている身としては、「なんだかなあ」という印象でした。

医療ドラマとして見なければいいかなと思って今週は見たんですが、自分に危害が及びそうな誤解に基づく表現がされていたので、その点についてだけ(本文中の2つ)書いてみました。

医学的におかしいところは、実はまだまだたくさんあります。
投稿者:tokei
すみません。通りすがりの者です。
「モルヒネで死亡させた」ではなくて、「モルヒネの大量投与で苦痛を取り除いた上で、シス?で死亡させた」だと思います。(医療に詳しくない一般人ですので、間違っていたらご容赦下さい。)
VOICEは現実にはあまり感じられない人情を演出されていて一般人には面白かったです。(医学的矛盾は分かりませんので・・・)
投稿者:hirakata
庶民さま、こんばんは。

痛みについては、だいぶ治療法が普及してきました。だるさについては、まだだいぶ遅れている気がします。それと、苦しみたくはないけれど、できるだけ意識がはっきりした状態でいたいという希望も多く、バランスを取るのが大変なこともあります。でもやっぱり痛かったり苦しかったりは嫌ですよね。これからもっと緩和医療が広まって、どんな病気になっても苦しいことが最小限になるように、頑張りたいと思います。
投稿者:庶民
癌の痛みやダルサも、今は、モルヒネ等を使った緩和医療が進んでいるので、ほとんど苦しまずに済むと聞きました。苦しむのは嫌です、やっぱり。
投稿者:hirakata
山本直樹さま、おはようございます。

そうなんです。慈悲殺人なんです。それを「尊厳死」といってしまうのは、あまりにも理解が浅いと思います。最近の判例でも、昭和37年の判決を基本的には踏襲して、次の4つの要件を満たすのを安楽死(積極的安楽死)とするのが基準になっているようですね。(ただしこれを満たしたとしても、今の日本の法律上は殺人であることにかわりはない)
1.耐え難い肉体的苦痛があること
2.死が避けれずその死期が迫っていること
3.肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし他に代替手段がないこと
4.生命の短縮を承認する患者の明示の意思表示があること

緩和ケアが発達した今、これを不足なく満たすことは、非常に難しいと思います。特に3が。
投稿者:山本直樹
森鴎外の『高瀬舟』にも似た慈悲殺人ですね。
名古屋高等裁判所昭和37年12月22日判決が安楽死の要件(違法性阻却事由)として、
不治の病に冒され死期が目前に迫っていること
苦痛が見るに忍びない程度に甚だしいこと
専ら死苦の緩和の目的でなされたこと
病者の意識がなお明瞭であつて意思を表明できる場合には、本人の真摯な嘱託又は承諾のあること
原則として医師の手によるべきだが医師により得ないと首肯するに足る特別の事情の認められること
方法が倫理的にも妥当なものであること
の6要件を示しています。この基準は後の判決でも多く援用されます。



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