がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

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平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

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投稿者:浮き草
近森正昭さま

二行目以降に書いている事はそれぞれ理解できます。最後のパラグラフの「医療計画による地域での調整」の具体的なところは分かりませんが。

でも、一行目の「一寸した勘違い」が何をさしてるのかがよく分からないのですよ。何が「勘違い」なのですか??
投稿者:hirakata
近森正昭さま、こんばんは。コメントありがとうございます。

書いていただいたことは、すべて納得できます。納得できるんですが、それでも残る疑問があるのです。

「診療報酬改定率より医療費が増えてしまった時にはあれやこれやの手を使って医療費を抑え込んできたが、改定率よりも実際の医療費が少なくなった時には、修正をおこなっていないのではないか」ということです。つまり、診療報酬改定率というのは、医療費を下げるための武器にしかなっていないのではないか、という疑問です。これは、医療費抑制や医療費削減を「医療費適正化」と言い換えるのと同じように、減らすこと自体が目的化していることの表れなのではないでしょうか。

診療報酬改定率の算出根拠が「日本にはどれだけの医療が必要で、そのためにはいくら必要か」という計算ではないことは、近森さまのご指摘通りだろうと思います。それによって医療費「適正化」にはここまで成功してきましたが、需要を無視した総枠の設定は、需要が抑制されない場合には単価の下落を招き、単価が原価を割り込んだ時には仕事をするだけで赤字になるようになり、その分野は無理矢理外力で支えない限り衰退します。必要な分野のすべてがどの地域でも黒字になるという価格設定は許されませんから、池上直己教授のいわれるように、医療計画による地域での調整は不可欠になってくるでしょう。

これまでおこなってきた「医療費適正化」が正しかったのだということには、どうしても素直に納得できないのですが、まだ何か勘違いしているでしょうか。
投稿者:近森正昭
一寸した勘違いです。
日本の医療費はGDP比で低く保たれていますが、診療報酬による医療費適正化システムが働いているためです。
最初に政府が予算枠の中で診療報酬の改定率を決定します。
次に中医協が改定率の枠の中で個々の医療行為に対して価格を決め、病院と開業医、各科の配分を決めます。
最後は保険請求の条件に従ってレセプトの審査、点検がおこなわれています。
医療保険のために税金が投入され医療費の1/4に達しており一般予算の10%に相当しますから、歳出の制限から医療費が抑制されてきました。
中医協で価格を決めますが、保険医療機関からの請求が多くなれば予算枠を超えますから、審査で数量を制限します。
医療費抑制により医療機関の経営は厳しくなり、患者の自己負担は増加、地方は歳入減少で公的病院への負担金、補助金が減り自治体病院の経営は行き詰まりました。
これまで、医療費適正化は成功してきましたが、自民党政権の脆弱化でマイナス改定が困難となり、中医協の透明化でエビデンスを求められるようになって医療費の抑制が難しくなりました。
急性期も慢性期も包括化が普及して審査による抑制も難しくなって来ています。
療養病床は中医協によって医療区分1が不採算にされましたが、区分1の患者比率5割が3割まで減って医療費抑制に失敗しました。
池上直己教授は診療報酬による医療費の適正化は困難となっており、医療計画による地域での調整が必要だと述べています。
都道府県単位の医療費適正化 その課題と展望 社会保険旬報 No.2368(2008.11.1) 12-21
慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授 池上直己
投稿者:hirakata
山口(産婦人科)さま、こんばんは。

大きな病院でも難しい基準なら、中規模病院が取るのはまず無理でしょうねえ。「たらい回し」する大病院も近くになくて、必死になって地方の医療を支えているのは、中規模病院なんですけどねえ。

>政府は答弁書で「新たな加算を算定できないことだけで、勤務医の過重労働に拍車が掛かるとは考えておらず、見直すことも考えていない」との見解を示している。

っていうのが、厚生労働省の当事者意識と危機意識のなさを如実に表していますね。ああ残念残念(棒読み
うちの病院も、今度の改訂で上半期だけで億単位の減収だそうです。

そもそも「内科・精神科・小児科・産婦人科・脳外科・整形・外科がそろっていて、全身麻酔の手術が年800以上って、どんなスーパー病院だよ!」ってかんじですな。大学や日赤病院でもクリアしていないところが結構ありそう。
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