麻生首相の口が軽いことは、2008年9月16日の自民党総裁選の公開討論会で自らを「ひと言多い」評価していることから考えて、ご自身でわかっているのだと思う。それなら黙ってりゃいいのに。「医師は社会的常識が欠落している人が多い」と同じ日に、次のような失敗もしていた。
記事は次のとおり。
先生と勘違い?保護者大会で首相「親で苦労してるでしょ」
2008年11月20日02時00分【読売新聞】
麻生首相は19日、都内で開かれた私立幼稚園PTAの全国大会であいさつし、「幼稚園はお子さんを預かっているが、そのお子さんの後ろについている親で苦労しているでしょ。子供でなく親で苦労していると私は思っている」と述べた。
保護者らが集まった同大会を幼稚園の先生らの会合と勘違いし、日ごろの「保護者対応」の苦労をねぎらおうとしたものと見られるが、“的はずれ”のあいさつとなったようだ。
(記事ここまで)
Wikipediaの「麻生太郎」の項目では、もう少し詳しく取り上げられている。「社会的常識が欠落」の時もそうだったが、Wikipediaの書き込み早っ!
2008年11月19日、都内のホテルで開かれた私立幼稚園PTAの全国大会で挨拶した麻生は「家庭でしつける力がなくなってきた」と指摘した上で、「じいさん、ばあさん、やかましいおやじさんの存在が薄くなってきたせいもあって、幼稚園で何とかしろと負担が掛かってきている。しつけるべきは母親だ」と批判した。しかし、会場には園児の母親達が大勢出席しており幼稚園の教員を前に演説していたと勘違いした麻生は、終盤ようやくそれに気付き訂正した。
民主党の小沢代表も、あまり発言によるパフォーマンスが上手とはいえないし、最近また「何でも反対」民主党になってきている印象があるので話半分に聞くようにしているが、たび重なる総理の失言について次のように述べている。
「天下の首相が、ヘラヘラもの言って」小沢代表が痛烈批判
2008年11月21日19時36分【読売新聞】
民主党の小沢代表は21日、青森県弘前市で行われた同党衆院選候補者の会合で、麻生首相について「天下の首相がなんだ。その場、その場でヘラヘラものを言って、皆にちょっと言われりゃあ、訂正、すぐ訂正。これほど首相の言が軽いことは、いまだかつてなかった。日本の政治を任せておくわけにはいかない」と痛烈に批判した。
そのうえで、衆院解散・総選挙の時期について「国民から『こんな内閣でいいのか。審判を仰げ』という声が大きくなり、政府・自民党も抗し切れない時が近いうちに来るだろう。総選挙は、そう遠くない」と指摘した。
(記事ここまで)
今の小沢一郎氏が首相になったらと考えると、それもまたどうかなと思うが、麻生氏がこのまま首相を続けるのは、かなり危険な感じがする。総理大臣は自民党の顔でもあり、国の顔でもある。政権党の顔に泥を塗り、日本に泥を塗る前に、何とかした方がいいような気がしないでもない。
Wikipediaの「麻生太郎」をじっくり見てみたら、この人に常識を説かれたくないなと思う発言が、他にもたくさん並んでいた。一部を抜粋。
・衆議院選挙に初出馬した1979年の演説で登壇して開口一番、支援者に対して「下々の皆さん」と発言した。
・1983年の選挙では「平民の皆様」と発言した。
・1983年2月9日、高知県議選の応援演説にて「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」と、国が女性に参政権を与えていることを批判した。
・2002年7月、田中康夫長野県知事について「醜く太っていて嫌な体型だ。自分で身体の努力していない、年を取ってなりたくない体型だ」と発言した。
・2003年の総務大臣就任記者会見の場で、ITの発達で役所から書類がなくなり、「地方自治体を含め中央官庁を、IT、いわゆるフロッピーで(コンピュータ同士を)繋ぐ」「フロッピー1枚で全部できるようになる」という要旨の発言を行った。
・2006年1月9日、福岡県飯塚市で開いた集会で、シドニーで予定されていた日米豪閣僚級安全保障対話が延期されたことに関連し「シャロン首相の容態が極めて悪く、会議途中でそのままお葬式になると意味がないので延期ということになった」と述べ、配慮を欠くとの批判を浴びた。
与太評論家などが「放言」として言ったのであれば許容できるものもあるが、国政を担う政治家、それも重要な役職に就いた政治家としては、発言が軽すぎる。しかし麻生太郎の口には戸は立てられない。このまま首相の座に座らせておくと、自公政権を道連れに自滅する危険性も十分あるのではないかと思う。
かといって今総理の座から降ろすわけにはいかないし、発言するなというわけにもいかないし(発言の機会を封じられたら、どんどん不機嫌になっていくだろうと思う)、当分これは我慢するしかないのかねえ。その間にきちんとした発言ができる人になれるかどうかは、「猫の首に鈴」を付けられる人がまわりにいるかどうかにかかっているが、いないような気がする。
圧倒的支持で多数の議席を獲得した自民党が選んだ首相だから我慢しなきゃいけないなんて、民主主義って不便。もっといい民主主義ができればいいのかもしれませんが、そのためには総務大臣をやった経験とかを活かして、IT技術でなんとかなりませんかね。
いわゆるフロッピーでも使って。