厚生労働省は、医療安全調査委員会(いわゆる医療事故調)の第三次試案に関して募集した「パブリックコメント」を中間集計し、コメントした人が「公表可」としたものについて公表した。
集まったパブリックコメントは、次のページから見ることができる。
「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案−第三次試案−」に対する意見について(中間まとめ)
5月16日で一旦まとめているが、655通のパブリックコメントが集まったようだ。ざっと見てみると(PDFファイルなので、ざっと見るのも一苦労。でも印刷したら紙がもったいないし)、多くは「第三次試案では不十分」という意見のようだ。コピー&ペーストらしいコメントは少なく、よくこれだけの人が書いたものだと思う。
私がパブリックコメントを送ったのが5月5日。それが200番台中盤なので、単純に時系列で番号が付いているとすれば、私の後に400通ほどのコメントが集まったことになる。あちこちのブログなどで「パブリックコメントを送ろう」と呼びかけていたのが効果があったと見ている。
さてこれを受けて、厚生労働省はどのように動くのだろう。第二次試案から第三次試案に進んだ時のような「周囲を黙らせるための小手先の修正」で法案にまとめるのだろうか。それともWHOのガイドラインなどに立ち返り、日本の司法や警察・検察の特性も勘案した案を一から練り直すのだろうか。
小手先の修正では、第三次試案が持つ構造的な欠陥は解消できないのではないかと思う。また厚生労働省と検察や司法との摺り合わせも、問題の切り分け方を含めてじっくり詰め直す必要があり、口約束で「言った」だけでは納得しない人は多いだろう。
そう考えると、パブリックコメントを一旦区切った16日以降、国会会期末までの短い期間では十分な法案を練るには時間不足だと思う。出してきたら大したものだが、出た場合には法案を緊急に精査して、おかしな法律になってしまわないかどうかチェックする必要がある。(提出したとしても審議する時間はなく会期末を迎える可能性が高いとは思うが)